シンガポール指導者交代へ、ウォン財務相が5月15日に首相就任

4/15 17:29 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): シンガポールのリー・シェンロン首相(72)が5月15日付で退任し、ローレンス・ウォン副首相兼財務相が同日付で同国の第4代首相に就任する。

リー首相は20年にわたって政権を運営。首相府の15日の声明によれば、ウォン氏(51)は与党議員全員の支持を確保している。

リー氏はフェイスブックへの投稿で、「全てのシンガポール国民に対し、ローレンスと彼のチームを全面的にサポートし、シンガポールの明るい未来を創造するため彼らに協力するようお願いする」と表明した。

リー首相の下、シンガポールの1人当たりの国内総生産(GDP)は3倍余り増加し約9万2000ドル(約1420万円)と、世界で最も高い国の一つとなった。同国はさらに、競争が激化する東南アジアで、外国人投資家に対する魅力を高めようと取り組んできた。

ウォン氏はインスタグラムに投稿された動画で、「私のエネルギーは全て、わが国と国民のためにささげる。われわれは共に、全シンガポール人のために輝く未来を築くことができる」と述べた。

シンガポールの首相継承は何年も前から慎重に予告されていた。リー首相は以前、70歳になる前に後任に引き継ぎたい考えだったが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で計画は中断。2021年には最有力候補とされていたヘン・スイキャット氏が年齢を理由に次期首相候補から身を引くと表明した。

20年の総選挙で与党の人民行動党(PAP)は議席の89%を獲得したものの、同国が独立してからの55年間で最も低い得票率だった。野党は選挙で低所得者支援などを訴えた。

ウォン氏は11年に政界入りする前、リー首相の首席秘書官などを務めた。新しい指導者として、生活費の高止まりや労働者の競争力といった国内課題に取り組むことになる。クリーンな統治で知られていた与党の評価は、1月に汚職の罪で起訴された閣僚が辞任するなど一連のスキャンダルで損なわれている。

原題:Singapore PM Lee to Hand Reins to Wong After Two Decades (2)(抜粋)

--取材協力:Faris Mokhtar.

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最終更新:4/15(月) 18:51

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