今週のマーケット:決算発表ピークで「出遅れ株」物色が広がるか

5/11 15:21 配信

トウシル

 ゴールデンウイークを含む先週までの株式市場では、AIデータセンター向け巨額投資が好感してAI半導体株が急騰。日経平均株価やS&P500が最高値を更新しました。今週も決算発表が相次ぎ、AI半導体株の一極集中相場が続きそうです。米中首脳会談でホルムズ海峡開放の動きが出るなら全面高の展開もあるかもしれません。

今週のトピック:日本企業の3月期決算発表がピークに。トランプ米大統領が中国訪問

日付 イベント

5月10日(日)まで ・米国・イランの戦争終結期待で日米ともにAI半導体株が急騰

5月11日(月) ・米国のベッセント財務長官が来日・日本企業の2026年3月期決算発表がピークに。イビデン(4062)、JX金属(5016)などが決算発表

5月12日(火) ・古河電気工業(5801)、パナソニックHD(6752)が決算発表・米国で4月CPI

5月13日(水) ・ソフトバンクグループ(9984)、INPEX(1605)、日本製鉄(5401)が決算発表・米国で4月PPI

5月14日(木) ・フジクラ(5803)、ENEOS HD(5020)が決算発表・米国トランプ大統領が中国を訪問し、習近平国家主席と会談予定・米国で4月小売売上高

5月15日(金) ・キオクシアHD(285A)、三菱UFJ FG(8306)が決算発表・パウエルFRB議長が任期満了で退任

・ゴールデンウイーク中も続いた人工知能(AI)半導体株の一極集中相場は、今週もAIデータセンター、フィジカルAI、クラウド関連企業と物色のすそ野を広げて継続か。 日本では15日(金)の半導体メモリメーカー・キオクシアホールディングス(285A)の決算発表でピークに達する可能性も?

・13日(水)~15日(金)に迫った米国トランプ大統領の中国訪問を前に、米国とイランの和平交渉が進展するのか。 原油高に苦しむ自動車、化学、建設、不動産などAI半導体以外の外需・内需株も決算発表を機に見直し買いが入る?

・12日(火)発表の4月消費者物価指数(CPI)など米国の物価指標の伸びが加速すると、金利上昇・株価調整の恐れも?

■5月11日(月)の日経平均 前営業日比489円高の6万3,203円で反発スタート、史上最高値を更新しました。後場になり一時はプラスになるものの再びマイナス転換、6万2,500円近辺で推移しています。(5月11日14時現在)。

■先週(5月4日~5月8日)の主要株価指数  終値 前週末比 前週末比率

日経平均株価 6万2,713円 +3,200円 +5.38%

TOPIX 3,829.4pt +100.7pt +2.70%

ダウ 4万9,609ドル +109ドル +0.22%

S&P500 7,398pt +168pt +2.33%

ナスダック 2万6,247pt +1,132pt +4.51%

今週のマーケット:キオクシア決算で材料出尽くし?AI半導体周辺株の物色続く!

 今週も4月以降、猛烈な勢いで続くAI半導体株の急騰がさらに加速しそうです。

 先週末には米国のS&P500種指数、ハイテク株が集まるナスダック総合指数が史上最高値を更新。

 先週7日(木)の日経平均株価(225種)は3,320円(5.58%)高と過去最大の上げ幅を記録し、8日(金)には小幅下落したものの、6万2,713円まで上昇。

 今週は日経平均最高値更新の原動力になったAI半導体の主力株が相次いで決算を発表します。

 12日(火)にはAIデータセンター向け光ファイバーメーカーの古河電気工業(5801)(4月の1カ月で前月末比47.2%高)。

 13日(水)には生成AIソフト「ChatGPT」運営の米国オープンAIに巨額投資を行うソフトバンクグループ(9984)(同46.8%高)

 15日(金)には半導体メモリのキオクシアHD(285A)(同96.9%高)が決算発表。

 キオクシアHDは先週も22.2%高して時価総額が国内5位となる24兆円に達し、日立製作所(6501)や同じ半導体株のアドバンテスト(6857)を抜いています。

 15日の決算発表では今期2027年3月期の通期純利益予想が2025年3月期の約9倍に相当する2.4兆円規模に達するという予想もあり、高いハードルをクリアした場合、さらに株価が上昇してもおかしくありません。

 その一方、そこそこの通期予想で終われば、好材料出尽くしでいったんAI半導体株相場が調整入りする可能性もあります。

「AI半導体株フィーバー」がここまで過熱している背景には、米国の巨大IT企業が4月末の決算発表において、2026年だけで100兆円規模といわれるAI設備投資額をさらに1,000億ドル(約15兆円)超も積み増すと表明したことがあります。

 半導体メモリのキオクシアHDをはじめ、AIデータセンター向けなどの部材、素材メーカーは巨額投資によって確実に「実需」が見込めることが株価急騰の原動力になっています。

 米国とイランのホルムズ海峡の開放交渉が遅々として進まず、原油価格の高止まりが続く中、唯一買えるセクターが戦争の影響を受けにくいAI半導体株だけ、という状況も一極集中相場の理由といえるでしょう。

 さらにAI過剰投資に対する懸念が高まっていた米国の巨大IT企業の決算は全て予想を上回る良好なものでした。

 中でもグーグルの親会社アルファベット(GOOG)のクラウド事業の2026年1-3月期の増収率は前年同期比63%増まで飛躍し、株価は4月27日~5月1日の週に前週末比12%高しました。

 今週は米国でも日本時間14日(木)早朝に世界最大のネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(CSCO)、15日(金)早朝には急騰するフィラデルフィア半導体株(SOX)指数採用銘柄のアプライド・マテリアルズ(AMAT)が決算発表。

 最近の米国市場では、AIブームに乗り遅れていたインテル(INTC)が4月に前月末比2.1倍以上も上昇。先週も25.4%高するなど、AI半導体の出遅れ株に対する見直し買いが加速しています。

 今週も決算発表を機にAI周辺株、出遅れ株に対する物色の輪が広がりそうです。

■注目イベント:古河電気工業、三井金属、ソフトバンクGの決算発表。米中首脳会談の行方 今週はソフトバンクグループやキオクシアHD以外にも、AI関連企業が大挙、決算発表を行うため、まだまだAI半導体株の勢いは止まりそうにありません。

 11日(月)決算発表の半導体パッケージ基板のイビデン(4062)、12日(火)決算発表の半導体の原料となるシリコンウエハ大手のSUMCO(3436)、また先週、AIロボット関連株として前週末比10.2%も上昇したファナック(6954)など、AIデータセンターやフィジカルAI関連株が続伸しそうです。

 また、今週は14日(木)~15日(金)に米国トランプ大統領が中国を訪れ、習近平国家主席と首脳会談を行う予定。

 11月の中間選挙を控えて不人気であり、イランとの戦争を一刻も早く終結させて米国内のガソリン価格高騰を抑え込みたい米国トランプ大統領。

 ホルムズ海峡の二重封鎖はイラン原油の約9割を輸入する中国にとって痛手ではあるものの、台湾問題での米国の譲歩を引き出したい中国・習近平国家主席。

 トランプ大統領が米中首脳会談を前にホルムズ海峡開放で何らかの妥協案を示すようなら、これまで不振が続いてきた「AI半導体株以外の」重厚長大企業の株価が多少反発する可能性もありそうです。

市場別マーケット動向

■日本市場 今週はAI半導体株以外にも、日本企業の2026年3月期決算が相次ぎます。

 日経平均の最高値更新ばかりに目を奪われがちですが、12日(火)決算発表の防衛関連の主力株・三菱重工業(7011)は3月に前月末比15.8%急落したあと、4月に9.3%高。

 13日(水)決算発表の武田薬品工業(4502)は7.0%安、資源株最大手のINPEX(1605)は11.3%安、三井不動産(8801)は3月に21.4%下落したあと3.0%高、3月に22.5%急落した石油化学大手の三菱ケミカルグループ(4188)は1.41%高。

 14日(木)決算発表のタイヤ世界大手ブリヂストン(5108)は3月に13.9%下落後、4月は0.1%安、自動車メーカーのスズキ(7269)は3月の20.9%安に続き6.8%安と続落。

 15日(金)発表のメガバンク最大手・三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は3月に12.4%下落したあと4月は8.4%高といったように、株価は回復途上にあります。

 こうした非AI半導体の大型株にも、決算発表を機に見直し買いが入るかどうかが今週の焦点です。

■米国市場 米国では12日(火)に4月CPI、13日(水)に4月卸売物価指数(PPI)が発表。

 4月CPIは前年同月比3.7%の伸びと前月の3.3%の伸びから物価高が加速する予想です。

 物価の先行指標である4月PPIは実に前年同月比4.8%の伸び予想となっており、米国内のインフレ加速が鮮明になると、金利の上昇を通じて株価の下落要因になるかもしれません。

 しかし、先週5月8日(金)発表の4月雇用統計の非農業部門雇用者数は予想を上回る前月比11.5万人増となり、米国経済は4月半ばに集中したトランプ減税の税金還付などもあって堅調に推移しています。

 市場にはAI半導体株に対する過度な楽観論が台頭しており、物価高が即、相場の急落要因になることはなさそうです。

■業種・銘柄の動き銘柄 騰落率 ポイント

ソフトバンクグループ(9984) +13.0% 傘下の英国アームHD(ARM)好決算で大幅高。13日(水)決算発表で続伸?

古河電気工業(5801) +8.9% 12日(火)決算発表

シスコ・システムズ(CSCO) +5.1% 米国の老舗IT企業としてインテルに次ぐ上昇に期待

アプライド・マテリアルズ(AMAT) +11.9% 米国半導体製造装置メーカー最大手。15日(金)朝、決算発表

先週までの振り返り:非鉄金属、シリコンウエハ関連などAI周辺株が急騰!それ以外は振るわずの展開続く

 ゴールデンウイーク中の日本市場では、4月30日(木)以降に推計8.6兆~10兆円規模の為替介入が行われたと推定され、1ドル160円を超えていた為替レートは一時155円台まで円高が進み、8日(金)の終値は156円60銭台でした。

 ただ円高がそれ以上加速することはなく、株価に対する悪影響はほぼありませんでした。

 連休明けの先週7日(木)、8日(金)の業種別上昇率では非鉄金属が1位。同セクターでは、AIデータセンター向け光ファイバーメーカーのフジクラ(5803)が前週末比13.3%高。

 また、中東での戦争によるドル高や金利上昇を受けて一時急落していた金(ゴールド)の価格が持ち直したことで、貴金属回収・再生のフルヤ金属(7826)が17.2%高と上昇したことも貢献しました。

 上昇率2位は金属製品。これは同セクターに属するシリコンウエハメーカー大手のSUMCO(3436)が台湾の合弁会社の好調な月次売上高などが評価され、前週末比41.3%も急騰したことが大貢献しました。

 一方、2027年3月期の最終利益が前期比22%減益となる通期予想を発表したトヨタ自動車(7203)が5円増配計画を発表したにもかかわらず2.9%安となるなど、それ以外の株は振るいませんでした。

 業種別下落率ワーストは資源株。米国とイランの戦闘終結期待で米国の原油先物価格が1バレル95ドル台まで下落したことで、主力のINPEX(1605)が8.0%安だったことが響きました。

■セクター・業種別騰落率(5月8日)銘柄 騰落率 備考・要因

非鉄金属 +13.04% 三井金属(5706)などAIデータセンター株が上昇

金属製品 +11.25% SUMCO(3436)が急騰

電気機器 +6.81% AI半導体の主力・周辺株ともに幅広く買われる

石油・石炭製品 ▲2.38% 米国・イラン戦闘終結期待による原油安で続落

鉱業 ▲7.22%  原油安で続落

トウシル編集チーム

関連ニュース

最終更新:5/11(月) 15:21

最近見た銘柄

ヘッドライン

もっと見る

マーケット指標

日本株ランキング

注意事項

© LY Corporation