〔NY石油〕WTI3日ぶり反落、78.26ドル(10日)

5/11 4:49 配信

時事通信

 【ニューヨーク時事】週末10日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米利下げ期待の後退が重しとなり、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.00ドル(1.26%)安の1バレル=78.26ドル。7月物は0.96ドル安の77.84ドルだった。
 地政学的リスクの高まりをにらみ、朝方までは買いが先行。ウクライナ軍のドローン(無人機)が新たにロシア領内の石油関連施設を攻撃したほか、中東ではパレスチナ自治区ガザでの戦闘休止に向けた間接交渉がまとまらないまま終了した。イスラエルのネタニヤフ首相は引き続き、イスラム組織ハマス掃討を目指してガザ最南部ラファへの地上作戦を強行する構えを崩しておらず、紛争拡大に伴う供給不安がくすぶった。
 しかし、午前に発表された米ミシガン大消費者調査では、景況感の悪化と期待インフレ率の上昇が明らかになった。また午後にかけて、複数の連邦準備制度理事会(FRB)高官がインフレ警戒姿勢を強調したことで、年内の利下げ期待が幾分後退。高金利環境の長期化がエネルギー需要の減退を招きかねないとの懸念が広がったほか、ドル上昇を眺めて原油先物の割高感も意識され、相場は終盤にかけてジリ安となった。
 米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが午後に公表した統計では、国内石油掘削リグ稼働数が496基と前週から3基減少。ロイター通信によると、昨年11月以来の低水準となったが、買い戻しの勢いは限定的だった。
 ▽ガソリン=反落。中心限月6月物の清算値は4.21セント安の1ガロン=249.97セント。
 ▽ヒーティングオイル=6営業日ぶりに反落。6月物の清算値は4.32セント安の1ガロン=243.44セント。(了)

時事通信

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最終更新:5/11(土) 5:25

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