ウォーシュ氏がFRB議長就任、「自分のやり方で」仕事をとトランプ氏

5/23 1:06 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): トランプ米大統領は22日、ケビン・ウォーシュ氏に対し、連邦準備制度理事会(FRB)を独立した立場で率いてほしいと強調した。市場関係者の間では、金融政策判断に関してトランプ氏がウォーシュ新議長に圧力をかけるのではとの懸念があり、それを和らげようとしたようだ。

ウォーシュ氏は同日、ホワイトハウスでの式典で、第17代FRB議長に就任宣誓した。同氏は数十年ぶりとなる大規模なFRB改革を進めると表明している。

トランプ氏は式典で「私はケビン(ウォーシュ氏)に完全に独立していてほしい。独立した立場で素晴らしい仕事をしてほしい。私を見る必要も、他の誰かを見る必要もない。自分のやり方で素晴らしい仕事をしてほしい」と述べた。

ウォーシュ氏は米経済とFRBの双方にとり緊張が高まる局面で就任した。中東での戦争がエネルギー供給に影響を及ぼす中、物価上昇圧力はここ数カ月で再び強まっている。

ミシガン大学が同日発表した5月の消費者マインド指数(確報値)では、5-10年先のインフレ期待が7カ月ぶりの高水準に達した。金利スワップ市場では、年末までに米政策金利が少なくとも25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げられると想定されている。0.25ポイント利上げが完全に織り込まれたのは初めて。

トランプ氏はこの1年ほど、利下げペースが遅過ぎるとしてFRBへの攻撃を続けてきた。22日の式典では、FRBが気候変動対策や多様性の推進など「中核となる使命や責務からかけ離れた問題に気を取られてきた」と批判したが、金利判断に関しては言及を控えた。

トランプ氏の側近の間では、ウォーシュ氏が前任のパウエル議長のように攻撃を受ける事態を回避しようという動きも見られる。

金融市場の変動に敏感で、債券市場にはFRBの独立性が重要であることを認識しているベッセント財務長官らがウォーシュ氏を側面支援し、当面は金利据え置きもあり得ると公の場で発言してきた。

事情に詳しい複数の関係者によれば、同様のメッセージは非公開の場でも伝えられており、そうした働き掛けは少なくとも現時点では効果を上げているようだ。

トランプ氏はウォーシュ氏に独立した立場でいてほしいと述べた一方、景気が力強く拡大している局面では、その流れを妨げるべきではないとの認識もにじませた。

「前任者の一部と異なり、ケビンは経済が好調に拡大しているのは良いことだと理解している」とし、「景気をただ拡大させればいい。経済を力強く拡大させたい」と述べた。

FRB議長が大統領立ち会いの下で就任宣誓を行うのは、ウォーシュ氏が初めてではない。2006年にはジョージ・W・ブッシュ大統領が、FRB本部で行われたバーナンキ議長の就任宣誓式に出席したほか、1987年にはレーガン大統領がホワイトハウスで行ったグリーンスパン議長の宣誓式を主催している。

「体制転換」

ウォーシュ氏はFRBに「体制転換」をもたらすと表明してきた。6兆7000億ドル(約1066兆円)に膨らんだFRBのバランスシート縮小や、インフレ分析の新たな枠組み導入、対外コミュニケーション手法の見直しなどを進める考えを示している。

就任宣誓後、同氏は「あらゆる層の米国民の生活水準を引き上げるような比類なき繁栄」を実現することは可能だと述べた。

「FRBの責務は物価安定と最大雇用の実現だ」とし、「われわれが知恵と明確さ、独立性と決意を持ってそれらの目標を追求すれば、インフレは低下し、成長は力強くなり、実質所得は増えるだろう」と語った。

上院本会議は13日、ウォーシュ氏の次期FRB議長人事を賛成多数で承認した。採決結果は賛成54、反対45と、FRB議長人事としては最も僅差での承認となった。議会における政治の二極化に加え、ウォーシュ氏が早期利下げを求めるトランプ氏の要求に屈するのではないかとの民主党側の懸念を反映している。

FRB史上最も裕福な当局者の1人となったウォーシュ氏は、議長就任前に行うと約束していた大半の金融資産の処分を終えた。

原題:Trump Tells Warsh to Do ‘Own Thing’ as Fed Chair Sworn In (1)(抜粋)

(c)2026 Bloomberg L.P.

Enda Curran, Catherine Lucey

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最終更新:5/23(土) 4:45

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