UAWが米南部で「歴史的」勝利、VWテネシー州工場を組織化

4/20 15:16 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)の米テネシー州工場の従業員が全米自動車労組(UAW)への加入を決めた。伝統的に反組合の風潮が強い南部での組織化を進めるUAWにとって極めて重要な勝利となった。

投票結果は加入に賛成が2628、反対が985だったと、全米労働関係委員会(NLRB)が19日遅くに発表した。この結果がNLRBによって正式に認定されれば、VWには同工場の労働条件と報酬を巡る団体交渉が義務付けられることになる。

VWの工場従業員の加入はUAWにとって画期的な勝利となった。UAWは数十年にわたり組合員数を減らした後、現在はBMWやトヨタ自動車、テスラを含む14社で15万人増を目指している。UAWの組合員数は1970年代の150万人から現在は約37万人へと減少した。主な原因は組合の数が比較的少ない上に政治家や法律が反組合的な南部で組織化が進まなかったことだ。

UAWのショーン・フェイン委員長は米3大自動車メーカー(ビッグスリー)との労使交渉で大幅な待遇改善を勝ち取った後、「われわれは誰をも打ち負かすことができる」と語っていた。UAWは数十の工場で組織化の取り組みに着手した。

VWでの取り組みでUAWは初めて投票への十分な手応えを得た。従業員らに大きくアピールしたのは昨年のビッグスリーとの交渉での勝利だった。

VWは19日夜、従業員が組合加入を支持したことを認める声明を発表。「投票したチャタヌーガの従業員に感謝する」とした。

バイデン大統領は同工場の従業員に祝意を表し、投票は「歴史的」だとした上で、「ここ1年の組合の強さの高まりを反映している」と指摘。「VWで組織化に成功した自動車労働者と共にあることを誇りに思う」と述べた。

VWでの勝利はUAWが今後他の企業での組織化を進める上で必要な勢いを与えるものだ。フェイン委員長はこの勝利をきっかけに「ドミノ倒しが始まるだろう」と述べた。

UAWが次に迎える重要な試練はメルセデス・ベンツ・グループのアラバマ州の工場で5月に行われる投票になる。VWと比べてメルセデス経営陣が強く反対していることから、UAWにとってはより困難な挑戦となる可能性があるが、メルセデスの従業員らはVW工場での勝利の前から、同工場での取り組みが追い風になると期待していると語っていた。

原題:Volkswagen Tennessee Plant Unionizes in Landmark Win for UAW (1)(抜粋)

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最終更新:4/20(土) 15:16

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