企業の規模によって、収入や家計のゆとりにどの程度の差があるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
特に近年は、賃上げの動きが広がる一方で、物価上昇の影響も強く、給与水準だけでなく、貯蓄や資産形成の状況まで含めて実態を知りたいと考える人が増えています。
実際、月給や年収は年齢だけでなく、勤務先の企業規模や勤続年数、業種によっても差が見られます。
また、収入の違いは、日々の暮らしや将来に向けた貯蓄、投資の進め方にも影響しやすいでしょう。
そこで今回は、企業規模別に20歳代から60歳代までの平均月給を確認しながら、勤続年数ごとの賃金事情もあわせて見ていきます。
物価上昇が続くなかで、自分の立ち位置を確認する材料として参考にしてみてください。
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日本の平均賃金は4年連続の増加
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、2025年の一般労働者の平均賃金は、男女計で34万600円となりました。
前年の33万400円から3.1%増えており、平均賃金は4年連続で増加しています。
・2021年:30万7400円
・2022年:31万1800円
・2023年:31万8300円
・2024年:33万400円
・2025年:34万600円
このように、平均賃金は毎年着実に上昇しています。
足元では賃上げの動きも広がっており、日本全体でみても賃金水準は上向いていることがうかがえます。
男女別にみても増加傾向は同様です。
2025年の平均賃金は、男性が37万3400円で前年比2.8%増、女性が28万5900円で同3.9%増でした。
男女ともに前年を上回っており、特に女性の伸び率が男性を上回っています。
企業規模によって賃金格差はどのくらいあるのか
企業規模によって、賃金水準にははっきりとした差がみられます。
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の企業規模別データによると、男女計の平均賃金は、大企業が38万5100円、中企業が32万6200円、小企業が30万5600円でした。
単純に月額だけで比べても、大企業と小企業では月に7万円以上の開きがあります。
年間ベースで考えると差はさらに重くなり、賞与や各種手当も含めた年収では、勤務先の規模によって家計への影響がいっそう大きくなるでしょう。
賃上げの流れが続いているとはいえ、その恩恵の受けやすさには企業規模による差があるとみられます。
また、こうした差は全年代で一律ではありません。
例えば男女計でみると、年齢が上がるにつれて差が広がる傾向もうかがえます。
・20~24歳大企業:25万8400円/中企業:23万7600円/小企業:22万6300円
・25~29歳大企業:30万1700円/中企業:27万600円/小企業:25万8200円
・30~34歳大企業:34万4600円/中企業:29万9400円/小企業:28万6500円
・35~39歳大企業:38万6300円/中企業:32万2300円/小企業:30万5300円
・40~44歳大企業:42万2000円/中企業:34万6100円/小企業:31万8900円
・45~49歳大企業:43万9300円/中企業:36万2100円/小企業:33万円
・50~54歳大企業:44万7600円/中企業:37万6000円/小企業:33万6600円
・55~59歳大企業:46万5900円/中企業:37万6700円/小企業:33万5100円
・60~64歳大企業:35万7700円/中企業:31万6200円/小企業:31万5700円
・65~69歳大企業:29万4600円/中企業:28万4600円/小企業:28万1000円
若いうちは差が比較的小さく見えても、勤続や昇進を重ねるなかで企業規模による格差が広がりやすい点は見逃せません。
勤続年数が長いほど賃金は上がる傾向に
勤続年数別に賃金をみると、全体としては勤続年数が長くなるほど賃金も上がる傾向が見られます。
・勤続0年:27万4500円
・5~9年:31万2500円
・15~19年:37万0800円
・25~29年:43万3600円
・30年以上:44万4200円
このように、勤続を重ねるほど賃金水準は着実に高まっており、長く働き続けることが収入の伸びにつながっている様子がうかがえます。
企業規模別にみても、この傾向はおおむね共通しています。男女計の平均賃金をみると、例えば次のとおりです。
●【大企業】
・勤続0年:29万2600円
・勤続15~19年:41万5000円
・勤続25~29年:50万7500円
●【中企業】
・勤続0年:27万3400円
・勤続15~19年:35万3600円
・勤続25~29年:40万7500円
●【小企業】
・勤続0年:25万5200円
・勤続15~19年:33万3400円
・勤続25~29年:36万4900円
どの企業規模でも、勤続年数が長くなるにつれて賃金は上昇しています。
一方で、同じ勤続年数でも企業規模による差は小さくありません。
例えば勤続25~29年では、大企業50万7500円に対し、中企業40万7500円、小企業36万4900円となっており、長く勤めるほど企業規模による差も広がる傾向が見られます。
また、同資料によれば、最も賃金が高い勤続年数階級は次のようになっています。
・男女計:「30年以上」44万4200円
・男性:「25~29年」46万3900円
・女性:「30年以上」37万5300円
このことから、勤続年数は賃金を左右する重要な要素のひとつといえます。
ただし、賃金の伸び方には企業規模や男女差もみられるため、将来の収入を考える際は、勤続年数だけでなく、勤務先の規模や働き方もあわせて見ておきたいところです。
まとめ
2025年の平均賃金は4年連続で上昇し、全体として賃金水準は上向いています。
ただし、その内実を見ると、勤務先の企業規模による差は小さくありません。
大企業ほど平均賃金は高く、年齢や勤続年数が上がるにつれて、その差はより広がる傾向が見られます。
また、勤続年数が長いほど賃金は上昇しやすいものの、同じように長く働いていても、企業規模によって収入には大きな開きが生じます。
若いうちは差が小さく見えても、中高年期には家計や資産形成に影響する水準へ広がっていく可能性がある点は見逃せません。
賃上げの流れが続くなかでも、収入の伸び方は一律ではなく、企業規模や勤続、働き方によって違いが出ます。
自分の立ち位置を考える際は、平均賃金だけでなく、こうした背景まで含めて見ていくことが大切です。
参考資料
・厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」
加藤 聖人
最終更新:5/15(金) 13:55