東大に「受かった子」と「落ちた子」の決定的な差 努力を見せたくない子は伸び悩んでしまう

3/19 9:02 配信

東洋経済オンライン

記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。
その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。連載を再構成し、加筆修正を加えた新刊『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』が、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第107回は駿台予備学校お茶の水校3号館で高卒生の東大対策コースのクラス担任をしている堤政文さんに、受かる受験生・落ちる受験生の特徴をうかがいました(前後編の前編)。

■東大に落ちた子の特徴

 3月10日に東京大学の合格発表(前期日程)がありました。合格した生徒も、残念ながら落ちてしまった生徒もいます。

われわれカルペ・ディエムでは、駿台予備学校東大専門校舎の「お茶の水校3号館」にて、2024年度から既卒生100人を対象とした『東大特化学習支援』を実施し、東大を目指す学生の皆さんをサポートする予定です。今回は同校で高卒生の東大対策コースのクラス担任をしている、堤政文さんから、「受かる受験生・落ちる受験生の特徴」について、お話を伺います。(今回は、前後編の前編です)

 西岡:早速ですが、不合格になってしまう東大受験生には、どのような特徴があるとお考えですか? 

 堤:よく、テストの前に『俺、全然勉強してないや~』と周りに言う生徒っていますよね。実際は勉強しているけれど、『努力を見せるのが、かっこ悪い』『もしうまくいかなかったら、プライドが傷付く』というようなことを考えて、努力を見せないタイプの学生です。

 西岡:いますよね。努力していることを、周りに悟られないようにするタイプですね。自分もそういうタイプだった記憶があります。

 堤:実はそういうタイプは、不合格になりやすいです。

 西岡:ええ!? 

■プライドの高さで努力しきれない

 堤:そういうタイプって、プライドが高いことが多いんですよね。努力をすることを恥ずかしがっていて、もし点数が低かったら『今回は本調子じゃなかったから』『今回は全然勉強していなかったから』というように、言い訳をしてしまいます。そういうタイプは、努力し切れなくて、最後の最後で伸び悩んでしまうのです。

 西岡:たしかに、『俺、全然勉強してないや~』というのは、結果が悪かったときの予防線ですよね。

 堤:合格するタイプは、周りに流されず、努力していることを周りに見られても、『自分は自分だ』と思って勉強できるタイプです。そういうタイプは、もし結果が悪かったら『自分の努力不足だ』とか『自分はこういうところがダメだったから点数が悪かったんだ』と、何が悪かったのかをしっかり分析する謙虚さがあります。こういうタイプは合格しやすいんですよね。

 西岡:なるほど……。実は僕は、なぜ2浪してしまったのかを考えたときに、1番の原因は性格の問題だと分析しているんですよね。何を隠そう、『ドラゴン桜2』の中で登場する『性格の悪さが災いして成績が伸びない生徒』である藤井くんのモデルは僕なんです。先ほどの話でもあった、『テストで悪い結果が出たときに、言い訳をしてしまう』というのも、現役生時代の僕ですし、『ドラゴン桜2』のワンシーンでも描かれています。

 ※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

 西岡:やっぱり、自分の実力と正面から向き合わない状態だと、成績が伸び悩んでしまうのかもしれませんね。そういう意味で、こそこそ勉強する『コソ勉』タイプよりも、きちんと勉強する『ガリ勉』タイプのほうが受かりやすいのかもしれませんね。

 堤:そうですね。やっぱり、合格する生徒というのは、泥臭い努力をいとわない人だと言えると思います。変なプライドを持たずに、努力を積み上げられる人。

 例えば、自分たちの校舎は朝8時半からスタートなのですが、その前に来て並んでいて、開門と同時に自習室に行って勉強する子。ほかの子から見たら『そんなに必死にやっていて、馬鹿みたい』というように思われてしまうこともあると思うのですが、こういうタイプは受かりやすいですね。

 西岡:なるほど。

■先生にしっかり質問できる子は伸びる

 堤:あとは、先生に対してしっかりと質問できる子です。質問というのは基本的にわからないことを聞くことですから、プライドが邪魔して聞けない子というのもいます。『東大を目指しているのに、こんな初歩的なことを聞いていいのかな、恥ずかしいな』と考えてしまっているタイプだと、やはり合格は遠ざかってしまいます。

 西岡:あまり質問をしにいかなかったタイプの自分としては、とても耳が痛いですね……。

 堤:例えば東大に合格した生徒の中には、こんな生徒がいました。現役時代の成績は悪くなかったのですが、自分に甘くて妥協してしまうところがあり、それが原因で浪人してしまった、という子でした。

 『それを改善したい』と考えて、その子は本校の「コーチング」というアプリの中にある、クラスの担任とやり取りができるチャットサービス上で、『夏休み中も勉強を頑張りたいです。毎日SNSのようにどれくらい頑張ったのかを呟くので、見てください! もしサボっていたら、指摘してください!』と言ってきたんです。

 それで、夏休み中ずっと学習状況を記録し、自習室にも最後まで残って勉強していました。浪人する最初の段階ではもうひと伸びできるかな? という学習状況だったのですが、最後はきっちり合格しましたね。

 (後編は3月20日に公開予定です)

受験勉強や、子供への教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。

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最終更新:3/19(火) 9:02

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