ファーストデジタル、総供給量30億ドル超のステーブルコインFDUSDをスイに導入――DeFi注力の一環

4/10 17:35 配信

CoinDesk Japan

香港を拠点とするステーブルコイン発行企業ファーストデジタルトラスト(First Digital Trust)は4月10日、総供給量が30億ドル(4500億ドル、1ドル150円換算)超に上る同社のドル連動型ステーブルコインFDUSDを、イーサリアム(ETH)とBNBチェーン(BNB)に続き、スイ(SUI)ブロックチェーンに拡大すると発表した。


これは、分散型金融(DeFi)ユーザーの間でFDUSDの利用を促進するための取り組みの一環であると、ファーストデジタルCEOのヴィンセント・チョク(Vincent Chok)氏はCoinDeskのインタビューで語った。


香港のデジタル資産規則に準じて発行されているFDUSDは、米国債と銀行預金に裏付けられ、その価値は1トークンあたり1ドルに固定されている。昨年のローンチ以来、FDUSDは瞬く間にテザー(Tether)のUSDT、サークル(Circle)のUSDC、メーカーDAO(MakerDAO)のDAIに次ぐ第4位のステーブルコインとなり、その時価総額は33億ドル(約4950億円)に達する。


ニューヨーク州の規制当局の命令によって、パクソス(Paxos)がバイナンスUSD(BUSD)の発行を停止して以降、FDUSDは暗号資産(仮想通貨)取引所大手バイナンス(Binance)のプロモーションから大きな恩恵を受けてきた。コインゲッコー(CoinGecko)のデータによると、FDUSDの取引量は過去24時間で100億ドル(約1兆5000億円)を超え、その90%以上がバイナンスでのビットコイン(BTC)、イーサリアム、USDTの現物取引ペアによるものだった。


「スイは新進気鋭のネットワークで、DeFi領域を活発にサポートしている」とチョク氏はインタビューで語った。


「過去1年間の成長も目覚ましく、新参ステーブルコインとして一緒に成長したい」


メタ(Meta)の暗号資産プロジェクト「ディエム(Diem)」を率いた開発者によって設立されたスイは、近年DeFi領域で急成長している。ディファイラマ(DefiLlama)のデータによると、スイの預かり資産(TVL:プロトコルやブロックチェーン上の資産の合計価値を示す、DeFiにおける重要な指標)は、半年前の1億ドル(約150億円)から約7億ドル(約1050億円)に急増している。


さらにFDUSDはスイ上でネイティブに発行される最初の主要ステーブルコインとなった。ディファイラマによると、スイでは現在3億4000万ドル(約510億円)相当のUSDCとUSDTが流通しているが、ユーザーは他のブロックチェーンから両トークンを移動するためにブリッジを使用しなければならず、手数料とリスクが発生していた。


スイ財団(Sui Foundation)のマネージングディレクターであるグレッグ・シウロウニス(Greg Siourounis)氏は、メール声明で「FDUSDの導入はスイコミュニティーに大きな影響を与え、流動性を高め、ネットワークの有用性を拡大し、ビルダーとユーザーに新たな可能性をもたらすだろう」と述べた。


|翻訳・編集:行武 温|画像:Sunrise over Victoria Harbor in Hong Kong China cityscape (Unsplash)|原文:Hong Kong-Based First Digital's $3B Stablecoin Arrives to Sui Network in DeFi Push

CoinDesk Japan

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最終更新:4/10(水) 17:35

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