(ブルームバーグ): 米国は、香港議会が国家安全条例案を早々に可決したことを受け、一部の香港政府関係者への新たなビザ(査証)制限を課そうとしている。
香港議会、国家安全条例案をスピード可決-中国支配が強化
ブリンケン米国務長官の29日の声明によると、権利と自由に対する弾圧の強化に責任を負う複数の香港政府高官を対象に国務省は措置を講じる方針。時期や対象となる当局者の氏名は明らかにしていない。
今回の発表は同省が毎年議会に提出する香港政策法報告書の結果を受けたもので、ブリンケン氏は、報告書は「中華人民共和国(PRC)と香港当局による市民社会、メディア、反対意見に対する弾圧の強化と継続的な取り締まりを列挙している」と説明した。
ブリンケン氏は「議会や国際社会と協力し、香港の人々と共に、保護された権利と自由の回復、国家安全維持法に基づいて不当に拘束・収監されている人の即時釈放を求めていくことを約束する」とした。
香港政府は30日に声明で、そうした制限は「卑劣な政治的動き」だと指摘。香港当局はビザ制限を「嘲笑」し、「いかなる脅しも恐れない」とした。
国家反逆罪に終身刑を科すことなどを盛り込んだ国家安全条例案の可決について、外国政府は香港の自由と法の支配をさらに脅かしかねないと警告しており、今回の米国の反応はその最新の動き。
キャメロン英外相は今月すでに、「国際都市としての香港の名声は法の支配の尊重の上に築かれた。立法手続きを急いだこの新たな法律は広範囲に影響を及ぼすだろう」と語っている。
欧州連合(EU)も、香港において「基本的自由の侵食がさらに進行しかねない」と指摘している。
原題:US to Set Curbs on HK Officials After Security Law Is Passed (1)(抜粋)
--取材協力:Alan Wong.
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最終更新:3/30(土) 16:11
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