「お金を出すなら旅行よりブランドのバック」という女性が気づかない残念な事実

5/10 17:01 配信

ダイヤモンド・オンライン

 ブランドのバッグを買えば形として残るし売ることもできるが、旅行はなにも残らない。……たしかに一理あるかもしれないが、お金を稼ぐ人の多くは、学びや遊びにお金をかけて人生を切り開いている。「ものより経験にお金をかける」習慣は、自分の内面を磨く投資なのだ。※本稿は、有川真由美『お金の不安がなくなる小さな習慣』(毎日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

● お金をふやすために 自分なりの方法を見つける

 手持ちのお金をふやしていく方法は、シンプルに考えて二つしかありません。「出ていくお金を減らすこと」と「入ってくるお金をふやすこと」です。

 将来が不安なとき、多くの人は、まず節約して貯金することを考えるかもしれません。給料が会社規定などで決まっていて、さほどふえる見込みがないこともあるでしょう。

 しかし、多くの人は定年後、年金だけで生きていける時代ではなくなりつつあります。昨今は物価も上がり、税金の負担も重くのしかかる状態が続いています。「貯める」だけでなく、自分で「ふやす」ことも考えて動く必要性が出てきています。

 手持ちのお金をふやしていくための行動は、おもにつぎの3つです。

 (1)節約をする(無駄遣いをしない、生活スタイルを見直すなど支出を減らす)
(2)投資をする(投資信託、株や金、不動産などの購入でお金に働いてもらう)
(3)収入をふやす(昇進、資格・技術手当、副業、転職、起業など働き方を変える)

 生涯にわたってお金で困らないためには、「節約」「投資」「収入アップ」の3つのアプローチを並行して進めたり、自分なりの方法を見つけたりするといいでしょう。

 夫の遺族年金で暮らしている友人は、お金を遣わない暮らしをしているので、貯まったお金で年に1回は海外旅行するほど。かつてのフリーライター仲間で、収入が不安定なために不動産投資を研究し、小さなビルを買って家賃収入を得ている人もいます。

 私はいまは堅実な生活や投資の比重より、「自分にどんどん投資して働こう」というスタンス。ですが、年齢を重ねると、そのバランスは変わってくるかもしれません。

 自分なりのお金をふやす方法を見つけさえすれば、将来の不安は小さくなるのです。

● お金を稼ぎ続けている人たちは よく学び、よく遊び、よく働く

 お金を稼ぎ続けている人たちは、何歳になっても習いごとをしたり、好奇心をもって学んだり、どんなに忙しくても趣味や遊びに熱中したりしている印象があります。

 ひと昔前は、20歳前後まで学び、定年まで同じ会社でめいっぱい働き、老後は働かずに遊んで暮らすという「学ぶ→働く→遊ぶ」という人生が一般的でした。

 しかし、現代は“老後”という発想がなくなる時代を迎えています。70歳まで働くとしたら、約50年間の長い仕事人生、職場も職種も変化していくのは自然な流れ。

 つぎのステップに移るため、満足する人生を送るためにも、「仕事」をしながら「学び」と「遊び」を同時にしていくことは欠かせないのです。

 これまで会社内だけで教育・実践されていたことが、社会全体で通用するように、自分で学んでいく必要性も出てきました。自分から積極的に学ぼうとする人、まったく学ぶ気のない人の差は、収入の格差となって広がっていくでしょう。

 また、純粋に興味があることを学ぶのも大事ですが、「これを学んだら、いまの仕事に生かせる」「新しい食い扶持になる」など仕事に関連する学びをひとつはもつのがおすすめ。学んだら、すぐにアウトプットできる場もつくると、さらに効果的です。

 遊びは「とにかくワクワクすることをやる!」に尽きます。定年になってから遊ぼうなんて遅すぎます。その年代、そのときの立場や興味でやりたい遊びは違うはず。忙しい人ほど、遊びの時間をもつ必要もあるのです。

 仕事と人間関係のストレスでうつ気味になっていた友人は、週末に釣りやキャンプに行くようになってから、心の余裕ができてすべてがうまく回るようになったとか。

 遊びのなかから新しい視点が生まれたり、問題解決を学んだり、フラットな人間関係を築けたりするもの。「学ぶ」「遊ぶ」「働く」は不可欠で、相乗効果があるのです。

● ものより経験にお金をかけて 「心のゆたかさ」も得る

 若い女性がこんなことを言っていたことがありました。

 「高いお金を出して旅行をするなんてもったいない。ブランドのバッグを買えば形として残るし、売ることもできるけど、旅行はなにも残らない」

 いえいえ、むしろ逆なのです。ものの価値は、よっぽどのレアな値打ちものでない限り、買った時点からどんどん下がり、劣化や破損もするもの。一方、自分のなかに蓄えた経験は確実に残り、命あるかぎり、生かされ続けます。

 稼ぎ力を高めて、かつ人生を楽しんでいる人は、ほぼ例外なく、「ものより経験にお金をかける」という習慣があります。

 お金をかけなければできない経験があるのは事実。「世界遺産を見に行く」「音楽ライブを聴きに行く」など五感で味わった経験は、記憶が薄れても、知識や知恵、想像力、洞察力、行動力など、血や肉と同じように、自分を形づくっていくのです。

 私は20代のころは仕事漬けになることが、より稼ぐ最短の道と思っていました。

 しかし、「このままでは収入も環境もさほど変わらない」と痛感し、30代以降は収入をものや貯金より、先に経験に“投資”してきました。すると、自分がアップデートされるほど、収入も環境も人間関係も変わっていったのです。

 たとえば「一流の仕事人に会う」「優れた作品に触れる」という経験を重ねるうちに、仕事への意欲も高まって試行錯誤するように。また、「ひとり旅」や「留学」の経験をして度胸がつき、積極的に新しい人間関係に飛び込めるようになりました。

 それに、小さなことでも習慣的に新しい体験をしていると、ワクワクすることがふえて毎日が楽しくなってきます。「あれをやってよかった」という満足や自信も積み重なり、経験への投資は、“心のゆたかさ”というリターンにもなるのです。

● 金融リテラシーの高い 友人との情報交換が大切

 「世の中のお金の動き」は、複雑すぎて理解がむずかしい。税率や保険額が変わったり、円安や物価高が進んだり、新しい仮想通貨や金融商品が出てきたり……と、むずかしい経済用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるかもしれません。対策を打つのを、すっかりあきらめている人が多いのではないでしょうか。

 自分ひとりでお金の仕組みや流れを把握することは不可能。だから、まわりとシェアする必要があります。普段から、お金に関わる話を、気軽に「○○についてどう思う?」と話せる友人をもつといいでしょう。

 たとえば「ビットコインってなに?」「マンションの価格は上がり続ける?」「戦争は経済にどんな影響がある?」などニュースから拾った話題、「年金の受給開始、いちばんお得なのはいつ?」「相続税対策をするには?」など身近な課題を語り合う習慣が定着すると、さらに新聞やネットの経済情報が目につくようになります。

 「お金のことを口にするのはよくない」ではなく、お金の不安をなくすためには、お金について建設的に話す必要があるのです。

 自分や家族をトラブルから守ったり、お金を有効に遣ったりする知識や判断力“金融リテラシー”は、ますます必要になってきます。「家計に関わる情報交換ならAさん」「社会情勢を語り合うならBさん」「株情報ならCさん」「重要事項は税理士や社会保険労務士など専門家」というように、何人かお金の話ができる人を確保しておくと心強いもの。

 ただし、相手の話を鵜呑みにせず、自分でもある程度は調べたり、多方面から意見を聞いたりして判断することが、金融リテラシーを高めるヒケツです。

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最終更新:5/10(金) 17:01

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