厚生年金「平均15万円台」月額30万円以上もらう人は全体の1%もいない「約11万時間」のセカンドライフ自由時間どう過ごす?

1/21 11:55 配信

LIMO

新しい年を迎え、2026年の生活設計にくわえて将来の「お財布事情」についても考える方がいるかもしれません。「今の働き方で、将来月20万円の年金はもらえるの?」と不安に思うこともあるでしょう。

そこで今回は厚生労働省の最新調査結果をもとに、今のシニア世代が受け取る年金受給額の平均、定年後の膨大な自由時間の過ごし方、そして認知症への備えについてわかりやすく解説します。

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厚生年金「平均15万円台」月額30万円以上もらう人は全体の1%もいない

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の男女合わせた平均月額は15万289円となっています。受給額ごとの人数分布は以下のとおりです。

●厚生年金の受給額ごとの受給権者数
〈全体〉平均年金月額:15万289円

〈男性〉平均年金月額:16万9967円
〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金の金額を含む

●割合(全体:1608万5696人)
 ・10万円未満の割合:19.0%
 ・10万円以上の割合:81.0%
 ・15万円以上の割合:49.8%
 ・20万円以上の割合:18.8%
 ・20万円未満の割合:81.2%
 ・30万円以上の割合:0.12%
受給額の分布を見ると、月額15万円以上を受け取っている人は全体のおよそ半数にのぼります。一方、男女計の平均受給額は15万円台ですが、男性と女性の平均額には月に約5万円の差が見られます。この差は、現役時代の就業形態や勤続年数、賃金水準の違いが年金額に反映されているためで、正社員として長く働いた人が多い男性のほうが、厚生年金の加入期間や保険料納付額が大きくなりやすいことが背景にあります。

分布をさらに見ると、厚生年金を月額30万円以上受け取っている人は全体の0.12%にすぎず、100人に1人もいません。平均が15万円台であることを踏まえると、月30万円以上の受給はごく一部の人に限られた水準だといえるでしょう。

将来の生活設計においては、こうした年金受給額の現実的な水準を把握した上で、iDeCoの活用や働き方の工夫といった自助努力を組み合わせて準備することが重要です。

終活の重要性、セカンドライフの自由時間「11万2420時間」どう過ごす?

厚生労働省の「令和6年簡易生命表」によると、65歳の平均余命は男性が19.47年、女性が24.38年です。長寿化する日本では、長いセカンドライフを送ることになります。

仮に65歳の定年後22年間、食事や就寝時間を除いた1日14時間を自由時間とすると、その合計は11万2420時間にも上ります。これは、22歳から65歳までの現役時代の労働時間(1日8時間、年間250日、43年で8万6000時間と仮定)を大きく上回る時間です。

これほど長い「自分だけの時間」を最後まで元気に使い切るためには、まずは「寿命」というものの捉え方を整理しておくのが良さそうです。意識しておきたいのが、「平均寿命(0歳時点の生存見込み)」と「平均余命(ある年齢の人があと何年生きられるかの期待値)」は異なる点、そして心身ともに自立して生活できる「健康寿命」の存在です。

平均寿命と健康寿命の間には男性で約9年、女性で約12年の乖離があるとされており、この期間は介護や医療のサポートが必要になる可能性が高まります。この「健康ではない期間」の代表的な要因の一つが認知症であり、長いセカンドライフをいかに健やかに過ごすかが、終活における最大のテーマといえるでしょう。

認知症リスク「シニアの約4人に1人」認知機能に何らかのサイン?

長寿化が進むなかで、私たちにとって身近な課題となっているのが「認知症」です。認知症とは、脳の神経細胞の働きに変化が生じることで、記憶や判断力などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障が出ている状態を指します。

65歳以上のシニア層3603万人を対象にした令和4年度(2022年度)の推計をみていきましょう。これに基づくと、65歳以上の高齢者における現状は以下の通りです。

 ・認知症: 約443万人(12.3%)
 ・軽度認知障害(MCI): 約559万人(15.5%)
これらを合わせると、約1002万人となり、65歳以上の高齢者の27.8%、つまり約4人に1人が、認知機能になんらかのサインが現れている状態です。また、65歳未満で発症する「若年性認知症」は平均54歳と若く、誰もが当事者になり得ます。判断能力があるうちに、財産管理や介護の希望を整理しておくことは、自分の尊厳を守るだけでなく、家族の負担を減らすことにも直結します。MCIの段階で適切に対応することが、その後の生活の質を左右する鍵となります。

まとめにかえて

今回は、公的年金の受給水準と、老後の膨大な自由時間、そして認知症のリスクについて解説しました。年金だけで月20万円を確保するのは容易ではなく、受給者の約8割がその壁の下にいるのが実情です。一方で、定年後には現役時代を上回る「11万時間」もの自由な時間が待っており、その充実には心身の健康と経済的な備えの両輪が欠かせません。認知症は4人に1人が直面する身近な問題だからこそ、MCI(軽度認知障害)の段階から意識を高めることが重要です。

まずは「自分がどう生きたいか」を具体的にイメージし、家計のシミュレーションやエンディングノートの作成など、できることから一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。今のうちに将来の青写真を描くことが、より自由で安心なセカンドライフを切り拓く鍵となります。

参考資料

 ・厚生労働省「令和6年 簡易生命表」
 ・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
 ・政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」

村岸 理美

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最終更新:1/21(水) 11:55

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