1分間に3億円、米国債利息が記録的高水準-利上げで戻ったインカム

5/6 23:57 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): フィクストインカム(定められた時期に一定の利息を得られる国債などの証券)は、ほぼ一世代ぶりにその名に恥じない状態になっている。

簡潔に言えば、米国の政策金利がおよそ2年間で0%から5%超に引き上げられた結果だ。

しかし、米金融当局が本当に年内に利下げをするのかどうかという点にウォール街が固執している様子で、米10年債利回りが4.5%ないし4.65%に達するかを巡って熱い議論が交わされる中で、一つの重要な事実が見逃されがちだ。政策金利が20年近くにわたって事実上ゼロに張り付いていた時期を経て、米国債はようやく経済における従来の役割を取り戻しつつある。

すなわち、利回り水準に関わりなく、投資家が毎年確定し信頼を置くことができるインカム(収入)源としての役割だ。

数字が物語っている。米政府証券への投資による年間利息は昨年、9000億ドル(約138兆4700億円)近くに上った。これは過去10年平均の2倍。クーポンレート(表面利率)4%以上の米国債が90%余りを占めていることから、この額はさらに増える方向だ。2020年半ばにクーポンがこの水準だった米国債はわずか5%に過ぎなかった。

グッゲンハイム・パートナーズ・インベストメント・マネジメントのアン・ウォルシュ最高投資責任者(CIO)は「米金融当局の支援を得て、フィクストインカムにインカムが戻った」と指摘した。

米議会予算局(CBO)は2月、個人投資家に支払われる利息と配当が今年、3270億ドルに上るとの推計を示した。2010年代半ばからすると2倍余りの規模となる。米財務省は3月単月だけで債券保有者に約890億ドルの利息を支払った。1分間当たり約200万ドル(約3億760万円)という計算になる。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のダニエル・アイバシンCIOは「債券に対する問い合わせは過去15年近くに比べてずっと多い」と述べた。

原題:At $2 Million Per Minute, Treasuries Mint Cash Like Never Before(抜粋)

--取材協力:Ira F Jersey.

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:5/6(月) 23:57

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