XRP、テザーを抜き第3位の暗号資産に──BTCは10万ドルを目前に大量の売り注文に直面
ビットコイン(BTC)が10万ドルに近づくのに苦戦しており、10万ドル目前で「売り圧力」が強まるのではないかとの懸念が浮上する中、エックス・アール・ピー(XRP)が急騰している。
決済に重点を置いた暗号資産(仮想通貨)であるXRPは、30日間で375%急騰し、2.40ドルに達した。CoinDeskのデータによると、この24時間だけでも20%以上も価格が上昇している。
この急騰により、この暗号資産の時価総額は1390億ドル(約20兆8500億円、1ドル=150円換算)に達し、ドルペッグのステーブルコインであるテザー(USDT)を抜いて、世界第3位の暗号資産となった。
「この(XRPの)復活劇は市場全体に波紋を広げ、個人トレーダーや投資家の暗号資産市場への回帰を予兆している可能性がある」と、暗号資産取引所Coinstashの共同創設者であるメナ・テオドロウ(Mena Theodorou)氏は電子メールで述べた。「TikTokにおける最近のXRPのトレンド、リップル発行のステーブルコインの承認に関する憶測、ETF(上場投資信託)の可能性は、火に油を注ぎ、XRPへの新たな関心を駆り立てている可能性が高い」。
XRPの取引高は世界的に急増している。韓国最大の暗号資産取引所であるアップビット(Upbit)では、過去24時間でXRPとウォンのペアの取引高が40億ドル(約6000億円)という記録的な数字となった。これは、データソースであるCoingeckoによると、同取引所の総取引高の27%以上にあたる。
XRPの市場における記録的な活況は、韓国の民主党が12月1日に、2025年に暗号資産のキャピタルゲイン課税を導入するという計画を撤回し、2年延期したことによるものだ。
「当初2021年に予定されていたこの税金は、これまで何度も延期されてきた」と、10xリサーチ(10x Research)の創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)は2日に顧客宛てのメモで述べた。「この延期は重大だ。投機取引の主要な障害が事実上取り除かれ、積極的な暗号資産投機が再び活発化する兆しが見えてきた」。
BTCに売り注文の壁
時価総額で首位の暗号資産であるビットコインは、週明けに1%下落し、9万6000ドルとなった。 ここ2週間は9万ドルから10万ドルの間で推移しており、6桁の価格に達しようとすると上昇の勢いが鈍るという状況が続いている。
調査会社BRNのアナリスト、ヴァレンティン・フォーニエ(Valentin Fournier)氏によると、上昇が続けば、3億8400万ドル(約576億円)相当の売り注文を上回るほどの強気な流れが生まれるはずだという。
「市場を刺激する強力な材料や投資家の信頼感の高まりにもかかわらず、ビットコインは心理的な壁である10万ドルの壁を越えられずに苦戦を強いられている。利益確定の売りは明らかであり、より高い水準を達成するには、4000BTCを超える相当な売り圧力を克服しなければならない」とフォーニエ氏はCoinDeskに電子メールで語った。
さらに、トレーダーはビットコインから他の暗号資産へと資金を回転させる動きを強めている。これは、11月21日以降、BTCのドミナンス(支配率)、つまり暗号資産市場でのシェアが61.5%から56.5%に減少していることから明らかだ。
「ビットコインの支配率は過去12日間で5%下落し、2023年6月に確立された上昇トレンドラインを下回りました。10万ドルという大きな抵抗がある中、市場では流動性の向上を背景に、アルトコインへの資本シフトが見られる」とフォーニエ氏は述べた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:XRP Replaces Tether as 3rd-Largest Cryptocurrency While BTC Faces $384M Sell Wall
CoinDesk Japan
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最終更新:12/2(月) 18:30