米自己勘定トレーディング大手、昨年のトレーディング収入106億ドル

4/18 13:06 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米自己勘定トレーディング大手ジェーン・ストリート・グループの昨年の純トレーディング収入は106億ドル(約1兆6350億円)となり、一段の成長を目指す主要マーケットメーカー(値付け業者)としての存在感を浮き彫りにした。

前年比で見た純トレーディング収入はほぼ横ばい。昨年はボラティリティー低下に伴って早い段階で収入がいったん落ち込み、その後に市場の変動が上向いた。

債券オファーに絡む投資家向け文書をブルームバーグが確認したところでは、昨年の調整後利益は74億ドル。同社の事業はメンバーのエクイティー213億ドルが裏付けで、それがトレーディング資本の大部分を反映している。昨年末時点の従業員数は2631人で、過去2年間の離職率は6%だった。

こうした数字は秘密主義で知られるジェーン・ストリートの一端を示す希少な手がかりだ。同社は上場投資信託(ETF)や株式、通貨、デリバティブ(金融派生商品)、債券などの分野で値付け業務を着実に拡大してきた。

このほか文書によると、ジェーン・ストリートは北米における昨年の株式市場の活動の10.4%を占め、前年の7.7%から拡大した。ETFの月間取引高は平均5270億ドルで、米上場のプライマリー市場活動の約24%。オプションでは、オプションズ・クリアリング・コーポレーション(OCC)取引高の7.6%を占めた。

ジェーン・ストリートの担当者はコメントを控えた。

こうした数字の幾つかはウォール街の大手金融機関のものに比べると小さめかもしれないが、同社には「オーガニックなさらなる事業拡大」のための計画があるとしている。同社は文書で、高利回り債14億ドルのオファーにより、成長加速につなげる方針を明らかにした。

利回り約7.125%の債券オファーでバランスシートのキャッシュは43億ドルから約56億ドルに増える。30億ドルのレバレッジド融資を含め、同社が機関投資家から近年に借り入れた債務に上積みされる。

ジェーン・ストリートはホールセール事業の成長にも重点を置いており、2024年4-6月(第2四半期)にオプションのホールセール業務に手を広げる計画だという。

同社の主な競合はシタデル・セキュリティーズやサスケハナ・インターナショナル・グループ、バーチュ・ファイナンシャルなど。

投資家に開示された他の数字では、今年1-3月(第1四半期)の純トレーディング収入は約44億ドルを見込み、暫定的な調整後EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)は32億ドル、純利益見通しは26億-27億ドルとしている。

原題:Jane Street Scores $10.6 Billion Trading Haul in Growth Push (1)(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/18(木) 13:06

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