23日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、FOMC議事要旨がタカ派的だったとの見方が広がり、1ドル=156円台後半に上昇した。午後5時現在は、156円75~76銭と前日(午後5時、156円40~40銭)比35銭のドル高・円安。
午前は、日経平均株価の大幅高や日銀の国債買い入れオペ据え置きなどでじりじりと上昇し、156円90銭付近へ上昇した。ただ、「介入警戒レベル」とされる157円に接近したことで、その後は156円70銭台へ押し戻された。
午後は、日経平均や米長期金利を眺めながら、156円60~70銭台で小浮動した。
前日の米国市場では、4月30日から5月1日まで開催されたFOMC議事要旨で、インフレ低下の進行が予想よりも長引く可能性が指摘されたほか、一部でインフレが再燃するリスクが浮上すれば、追加利上げに言及する声も出ていたことが判明した。市場では「ややタカ派的」との受け止めが広がり、ドル円は156円台後半に上昇。エヌビディアの決算が実績、見通しともに市場予想を上回る好内容だったことも、ドル円の支援材料になった。
東京市場のドル円は、タカ派的なFOMC議事要旨や日経平均の大幅反発に支えられた一方、政府・日銀による介入警戒が重しとなり、156円台後半での推移にとどまった。月末の米PCE物価指数や来月上旬の米雇用統計までは、米利下げ観測後退と介入警戒のせめぎ合いが続き、「方向感は出にくい」(FX会社)との見方が多い。
ユーロは対円、対ドルで下落。午後5時現在は、1ユーロ=169円76~77銭(前日午後5時、169円81~82銭)、対ドルでは1.0828~0829ドル(同1.0857~0858ドル)。(了)
時事通信
最終更新:5/23(木) 17:35
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