(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)のマン委員は26日、今年の英利下げを金融市場が織り込み過ぎているとの見方を示した。英国が米国より先に利下げに踏み切る可能性は低いとも述べた。
マン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「私の個人的な見解だが、市場は利下げを織り込み過ぎている」と語った。
「英国の賃金ダイナミクスは、米国やユーロ圏よりも強く持続的だ。基本的なサービス産業のダイナミクスもまた、米国やユーロ圏のそれよりも強固で持続的だ。そのため、英中銀が米国とユーロ圏、特に米国よりも先に利下げをすると考えるのは難しい」と説明した。
同氏は市場金利について「先週の政策決定以降にも、大幅な緩和が続いている」と指摘し、「市場が既に緩和を行っているため、利下げをする必要がない」と語った。
「市場は恐らく、英中銀、つまりMPCがいつまで金利を維持するかについて、少し油断していると思う」とも述べた。
マン氏は先週の政策決定会合で利上げ主張を撤回し5.25%での政策金利据え置きを支持したことについて、英国の労働市場のダイナミクスが変化しているため、投票行動を変更したと説明した。
英中銀、政策金利を据え置き-タカ派2人が利上げ主張撤回
生活水準の低下を補うために人々が追加雇用を求めている兆候が強まっているが、雇用主は採用に消極的だとの認識を示し、ホテルやレストラン、娯楽などのサービスに対する裁量的支出も縮小していると話した。
市場は現在、8月から始まる今年3回の0.25ポイント利下げを織り込んでいる。欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備制度が緩和サイクルを開始すると予想されている6月に英中銀が利下げをする確率も70%を超えている。
原題:BOE’s Mann Says Markets Pricing Too Many UK Rate Cuts This Year(抜粋)
--取材協力:James Hirai、Aline Oyamada.
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最終更新:3/26(火) 19:44
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