「パッと行動できない人」の残念すぎる”3大”NG思考 米国人ビジネスエリートの「ネガティブを消す」朝習慣

4/12 9:02 配信

東洋経済オンライン

「先延ばし」は多くの人にとって悩みの種です。
「とにかく1分だけやる」「作業をできるだけ小さく分けてやる」「ご褒美を用意する」。
「先延ばし」を克服する本や、コツは世の中にあふれていますが、そのコツさえ実行するのを先延ばしにしてしまう! 
そんな方が多いのではないでしょうか。
そんな「ずぼら」だけど、変わろうとしている「マジメ」な人のために、禅という新たな視点から行動する技術をまとめたのが新刊『クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方』です。

著者である禅僧・精神科医の川野泰周氏と経営コンサルタントの恩田勲氏によると、マインドフルネスのルーツである禅には、「心を落ち着かせる」要素だけではなく、「心を勢いづける」モメンタムの要素も多く含まれていると言います。
「〆切前のレポート執筆」「転職」「結婚」など、心に勢いがある時、人は超行動的になります。そんな「心の勢い=モメンタム」を意図的に作り出す方法を紹介いたします。
以下では、「行動力を上げるモメンタムワーク」について解説します。

■「なんだかパッとしない」心に潜むもの

 「やろうと思ってもイマイチやる気が出ない」

 「仕事をはじめようにも、なんか嫌な気分になっている」

 「なんだかこれからやることが空しく感じる」など気分がパッとしない、と感じることはないでしょうか。

 「なんだかパッとしない状態」にある人に欠けているのは、心の勢い。

 それを「自分を奮い立たせる力」と書いて自奮力(じふんりょく)と呼ぶこともあります。

 なぜ、自分を奮い立たせることができないのでしょう。

 おおむね次のような理由があると、私たちは考えています。

 あなたは、次のパターンのいずれかにあてはまるでしょうか? 

■気分が「パッとしない人」陥りがちな思考

パターン①「これ、一体何のため?」
→ 夢や目標がない
 「~したい」「~のためなら頑張る」と思える目標があると、人は自分を奮い立たせることができます。

 それは生きるための指針であり、進むべき人生を照らしてくれるもの。

 一見つまらない作業も「夢の実現に近づく」と思えば、苦もないでしょう。

 裏を返せば、そもそも夢や目標がないと、つまらない作業をする理由もなく、モメンタムは高まらない。

 行動できない人になるのも無理はありません。

 とはいえ、「あなたの夢は?」と質問されて「私の夢は〇〇です」と即答できる人が今の日本にどれだけいるでしょうか。

 特に若い世代ほど、夢や希望を持たない印象があります。

 日本を含む主要6カ国の17~19歳を対象にした意識調査(2022年発表)によれば、「将来の夢を持っている人の割合」で日本は最下位で、60%以下にとどまりました。

 韓国、アメリカなど他の国では軒並み8割と、その差は明確です。

 もちろん、それは現状を変える必要を感じないほど日本が豊かになった表れかもしれませんし、逆に日々の生活を送るのに精一杯で、未来のことなど考える余裕がない、「考えたところで仕方がない」と思っているからかもしれません。

パターン②「ちゃんと準備してから……」
→ 完璧主義で「愚直」になれない
 基本的に、頭のいい人は慎重派の傾向があります。

 「なぜ、何のためにそうするのか」

 「その結果、何が起こるのか」

 「どんなメリットがあり、どんなリスクがあるのか」

 など、納得できる答えを手にしてからでないと、行動に移そうとしないのです。

 しかし、現実の世界は予測がきかないことがほとんどです。

 となると、多くの場合「まず動いてみよう」より「まずは様子をみよう」を賢い人ほど選択しがちです。

 「あれこれ考えずに動いてみると楽しくなるかもよ」といったアドバイスも、論理的思考力の高い人は「バカになれ、妥協しろ」と言っているように聞こえ、反発を覚えることも少なくありません。

 こうして、頭がいいからこそ「不動智」から離れていき、動けなくなってしまうのです。

 賢い人ほど、前述のネガティブファンタジーに囚われがちだともいえます。

 「頭がいい」とは分析的であること。特に失敗する可能性にばかり意識が向かいます。

 仕事や勉強においても「後で慌てないよう、しっかり計画を立てなくては」などと気を回していくうちに時間ばかり過ぎていく、というのがよくあるパターンです。

■「おとなしさ」も勢いを妨げる

パターン③「大声出すのは、ちょっと……」
→ 心のリズムがおとなしい
 これは、日本人らしい、文化的な要因といったほうが適切かもしれません。

 例えばアメリカ人を見ていて、そのテンションの高さに驚くことはないでしょうか。

 メジャーリーグの試合の観衆が、人目をはばからず「イエーーー!」と叫んでいるのを見ると、持って生まれたモメンタムの違いを感じずにはいられません。

 そんなアメリカ人と比較すると、日本人は周りの目を気にしてか、基本的におとなしく、スポーツにおいても礼節を重んじる傾向があります。

 例えば、柔道で「一本」をとった選手がガッツポーズしようものなら「敗者への敬意がない」と批判の的にされてしまうかもしれません。

 でも本来、喜びの表現と侮辱は別ものであるはず。

 もちろん、敗者に対する思いやりの態度は武士道精神の美徳であり、守るべきものだと思います。

 でも感情をすべて封印することだけがスポーツではない気がします。

 プロ野球からメジャーに渡った日本人選手が、メジャーの水に慣れたのか「イエーーー!」と喜ぶ姿を見かけるようにもなりました。

■ドーパミンを分泌させるモメンタムワーク

 モメンタムワークは、ドーパミンの分泌を助け、行動を妨げる要因をはねのけるのに役立ちます。

 思い出してください。私たちは「やる気があるから、行動する」のではなく、「行動するから、やる気が出る」のです。モメンタムワークでやる気のスイッチを入れれば、楽に動き出せることでしょう。

 ただし、ここで立ち止まって考えなければならないことがあります。

 「すぐ動ける」だけでいいのか。パッとしないこの気持ちを根本から変えるには、「行動し続けられる人」になる必要があるのではないか、と。

 では、行動できなくなってしまったときに、とりあえずドーパミンを出すにはどうしたらいいのでしょうか。

 簡単だけど効果的なモメンタムワークを紹介いたします。

ワーク① 朝起きたら激しめに腕を振ってみる
 アメリカのビジネスエリートは起床してすぐ懸垂をするそうです。

 そうして一汗かき、シャワーを浴びてから出勤する。

 これなら、モメンタムが高い状態で一日をスタートできます。

 二日酔いがしんどい、5分でも長く眠りたいなど事情は人それぞれかと思いますが、朝の運動はモメンタムを高めるのに効果的です。

 睡眠中は副交感神経に傾いていた自律神経のバランスが、交感神経に切り替わり、心身が活性化します。

 普段「動けない」ことで悩んでいる人が、朝のトレーニングを続けるなんて現実的ではない。

 そう思われるかもしれません。

 しかし朝は本来、大量のドーパミンが分泌される時間帯。

 朝というだけで、実は集中力が向上しています。

 そのドーパミンを、仕事や運動に「転用」しないのは実にもったいない話。

 出勤前に勉強したり、仕事をしたりといった「朝活」に励むのも、理に適っています。

 モメンタムという観点からいえば、起床して数時間は「ゴールデンタイム」なのです。

 軽い運動でも効果はあります。

 禅の修行では汗だくになって走りますが、一般の人がきついことをする必要はありません。散歩程度の運動で十分です。

 例えば、テンポ100~120ぐらいの音楽を聴きながら歩いてみる。

 腕のふりと歩幅はいつもより大きく。

 オフィス内ではエレベーターを使わず、階段は一段とばしでのぼる。

 外に出るのが難しければ、部屋の中で大きく腕をふるだけでも構いません。

 これだけで、朝から気分が高揚してきます。

■「痛み」もドーパミンを分泌させる

ワーク② 「熱いスープ」「辛いカレー」を食べる
 「痛み」は誰によっても嫌なもの。

 しかし、程度が軽い痛みのなかには、気持ちを興奮させるものがあります。

 アスリートが、本番前に頬や背中を叩くのは、その効果を狙ったものです。

 元プロレスラーで参議院議員も務めたアントニオ猪木さんは、ファンの頬を平手打ちして気合を入れる「闘魂注入ビンタ」が代名詞でした。

 痛みは皮膚感覚からもたらされるもの。同様に、味覚も、皮膚感覚から生まれます。

 そのため、一部の味覚も、モメンタムに作用します。

 味覚といえば、甘い、苦い、辛い、酸っぱい、塩辛いの五味です。

 日本では「うまい」を加えて六味とする人もいます。

 このうち 「辛い」は、神経学的に見ると「痛い」や「熱い(冷たい)」と同じ反応であることがわかっています。

 そのため、熱い(冷たい)食べもの、辛い食べものには、気持ちを興奮させる作用があります。

 モメンタムを高めようと思ったら、「熱々のお茶やスープ、ラーメン」や「激辛カレー」などを食べるのも、1つの案です。

 「冷たい水」や「炭酸系の飲みもの」も効果的です。

 こうした現象は、味覚と繋がる器官である「嗅覚」にも見られます。

 アンモニアのような刺激臭や匂いが「気付け薬」として使われるのは辛さ同様に気を高める作用があるからです。

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最終更新:4/12(金) 9:02

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