約1兆2200億円相当のビットコインオプション、今月末にデリビットで期限切れへ
約78億ドル相当のビットコインオプションが今月末に満期を迎えるが、ビットコインがいわゆるマックスペインポイントを大きく上回って取引されているため、利益を最大化したいマーケットメーカーが数日中に価格を下げにかかる可能性がある。
最大の分散型オプション取引所であるデリビット(Deribit)のデータによると、協定世界時1月31日8時に契約が終了した時点で、60億ドルもの想定元本がアウト・オブ・ザ・マネー、つまり価値がないまま満期を迎える。
そのうちの50%はプットオプションであり、保有者は特定の期間内にあらかじめ決められた価格でビットコインを売却する権利を持つが、義務は負わない。
「この期限切れのマックスペインレベルは9万8000ドルで、短期的には大きな市場力学が値動きに影響を与えると予想される」と、デリビットのCEOであるルーク・ストライヤース(Luuk Strijers)氏は語り、次のように続けた。
「最近のSAB121(銀行がデジタル資産関連の顧客を維持することを困難にした、米証券取引委員会の職員会計公報121)の撤回により、銀行がビットコインをカストディできるようになり、新たな機関投資家の資金が流入する可能性がある一方、ビットコイン戦略備蓄の発表に関する憶測が市場の期待感をさらに高めている」
プットオプション保有者は、ドナルド・トランプ大統領の就任を取り巻く不確実性から、ダウンサイドリスクに対するヘッジをしていたか、弱気な賭けをしていた可能性が高い。
マックスペイン価格とは、オプションの買い手が最も大きな損失を被る一方で、取引の相手側であるマーケットメーカーが最も利益を得る価格である。
期限切れが近づくにつれ、価格はしばしばマックスペイン価格に引き寄せられる傾向がある。つまり、9万8000ドルが来週注視すべき重要なレベルであることを意味する。
「来週金曜日のビットコインオプション満期日には、約7万4000件の契約が満期となるため、注目すべき日となる。ビットコインオプションの想定建玉総額は現在280億ドルで、このうち約78億ドルが期限切れとなり、約22.6%がイン・ザ・マネー(ITM)であるため、市場でデルタヘッジのフローが発生する可能性がある。一方、DVOLは現在60前後で、年末の水準に近い」と、ストライヤース氏は指摘した。
DVOLはビットコインのインプライド・ボラティリティ(IV)を追跡するデリビットの指数である。CoinDeskの調査によると、ビットコインが史上最高値を更新したため、IVは1月20日に8月以来の高水準を記録した。
|翻訳・編集:山口晶子|画像:権利行使価格別ビットコイン建玉(Deribit)|原文:Bitcoin Options Worth $7.8B Set to Expire at End of Month on Deribit
CoinDesk Japan
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最終更新:1/25(土) 8:30