ニューヨーク外国為替市場概況・23日 ユーロドル、3日続伸
23日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3日続伸。終値は1.1578ドルと前営業日NY終値(1.1523ドル)と比べて0.0055ドル程度のユーロ高水準だった。米国によるイラン空爆を受けて中東情勢の一段の悪化に警戒感が広がる中、欧州市場序盤は「有事のドル買い」が優勢となり、一時1.1454ドルと日通し安値を付けた。
ただ、NYの取引時間帯に入ると一転ドル売りが優勢に。ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長が「インフレ圧力が抑制されれば、7月利下げを支持する可能性がある」と発言したことをきっかけに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.28%台まで低下。全般ドル売りが活発化した。欧州序盤まで進んでいた「株安・原油高・ドル高」を巻き戻す動きも優勢となり、5時30分過ぎには一時1.1582ドルと日通し高値を更新した。
なお、米国が週末にイランの核施設を攻撃したことを受けて、イランはカタールの米軍基地を標的にミサイル攻撃を実施したと伝わった。もっとも、一部報道によると「イランは外交ルートを通じて米国とカタールに攻撃を事前通知していた」ほか、カタールは「ミサイルの迎撃に成功し、人的被害はなかった」と発表した。市場では「イランの報復は限定的」と受け止められ、WTI原油先物価格が7%超急落したほか、ダウ平均は一時400ドル超上昇した。また、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.35まで低下した。
ドル円は小幅ながら3日続伸。終値は146.15円と前営業日NY終値(146.09円)と比べて6銭程度のドル高水準だった。20時過ぎに一時148.03円と5月13日以来の高値を付けたものの、148円台での滞空時間は短かった。米早期利下げ観測の高まりを背景に、ドル全面安となった流れに沿って3時30分前に一時146.01円付近まで下押しした。イランによる報復攻撃が限定的となったことや「トランプ米大統領は中東でのさらなる軍事関与を望んでいない」との報道が伝わったことも米株高・原油安・ドル安の様相を強めた。
なお、トランプ米大統領は「イランが対応したことでこれ以上の憎悪がないことを望む」「イランが事前通知したことに感謝」と述べたと伝わった。
ユーロ円は3日続伸。終値は169.20円と前営業日NY終値(168.34円)と比べて86銭程度のユーロ高水準。欧州市場では一時169.71円と昨年7月以来の高値を付けたものの、そのあとはドル円の失速につれた売りが出たため168.74円付近まで伸び悩んだ。
本日の参考レンジ
ドル円:146.00円 - 148.03円
ユーロドル:1.1454ドル - 1.1582ドル
ユーロ円:167.46円 - 169.71円
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最終更新:6/24(火) 6:05