明日の戦略-マイナス転換からの安値引け、落ち着きどころは見えず
14日の日経平均は3日続落。終値は185円安の38535円。米国株は3指数がまちまちかつ小動きであったが、前日大幅安の反動もあって寄り付きは3桁の上昇。前場では上げ幅を300円超に広げるなど、上を試す場面があった。しかし、節目の39000円より上が重く、前場中ごろにかけては失速。11時近辺ではマイナス圏に沈んだ。そこからしばらく前日終値近辺でもみ合った後、14時台に入るとマイナス圏が定着。終盤にかけて下げ幅を3桁に広げると、38500円台に突入して安値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆6100億円。業種別では非鉄金属、倉庫・運輸、卸売などが上昇した一方、電気・ガス、石油・石炭、金属製品などが下落した。上方修正を発表した東映<9605>が大幅上昇。半面、上期の決算が市場の期待に届かなかった第一生命ホールディングス<8750>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり528/値下がり1075。証券会社が目標株価を引き上げた三菱重工が4%高。売買代金は全市場でトップとなった。主力どころではファストリ、リクルート、日立などが強めの上昇。オアシスマネジメントの大株主浮上が判明したメルカリが急伸した。上方修正と増配を発表したTOYOTIREが8%を超える上昇。通期見通しを下方修正したものの、優待新設や自己株取得の発表などが好感されたサンアスタリスクがストップ高まで買い進まれた。
一方、公募・売り出しを発表した関西電力が18.5%安。北海道電力や九州電力など同業の多くが値幅を伴った下げとなった。半導体株の弱さが目立っており、レーザーテック、ディスコ、東京エレクトロン、アドバンテストがそろって大幅安。下方修正を発表したトリドールや、上期減益着地のロート製薬が2桁の下落率となった。今期は営業赤字に転落する見通しとなったフロンティアマネジメントは、場中に値が付かずストップ安比例配分となった。
日経平均は上昇スタートから失速して安値引け。取引時間延長に伴いクロージング・オークションが導入されてからは初の安値引けとなる。後場が弱い日が3日続けば引け間際に増える注文は当然売りになるだろうが、直近3営業日で1000円近く水準を切り下げており、落ち着きどころが見えない。きょうで主力どころの7-9月期決算は概ね出そろい、来週からは材料難となるだけに、あすも週末を前に腰の入った買いが期待しづらい1日となる。
米国では本日引け後に半導体大手のアプライド・マテリアルズが決算を発表予定で、時間外の反応にあすの国内半導体株が神経質な反応を示す可能性がある。内容が良ければ半導体株買いからの日本株上昇も期待できるが、来週20日にはエヌビディアが決算発表を予定している。これを消化するまで半導体株は不安定な動きが続きそう。日経平均は25日線(38948円、14日時点、以下同じ)を下回っているが、TOPIX(14日終値は2701p)はまだ25日線(2691p)より上をキープしている。あすはTOPIXにしっかりとした動きが見られるかに注目しておきたい。
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最終更新:11/14(木) 16:44