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男性の薄毛は「5タイプ」知ると役立つ“髪の知識”

6/30 10:01 配信

東洋経済オンライン

この連載では、社業を極める「オタク」たちに焦点を当てている。そこに仕事を楽しむためのヒントがあると思うからだ。
今回インタビューしたのはアートネイチャーの矢島和子さん。とにかく彼女は「髪」が好き。幼少期より興味をもち、お小遣いをせっせとシャンプーに費やした。街角で髪がきれいな人を見かけるとシャンプーは何か聞いてしまうという。
ヘアカウンセラーを経て、現在は営業企画部次長。染毛剤などヘアケア商品の開発を担当している。髪のことならなんでも話せるという彼女に、白髪、薄毛、ツヤ……と、気になる悩みについて聞いてきた。

■白髪の原因は17型コラーゲン? 

 ──年を重ねるにつれて、だんだん白髪が増えてきました。そもそも、髪はどうして白くなるのでしょうか? 

 実は、白髪のほうが“完成した毛”なんです。髪の毛は、皮膚の中にしか生きた細胞がありません。これが毛根と呼ばれるもので、発生した時点では白髪です。成長して外に出るまでの間に、メラノサイトが発生しメラニン色素が入ってきて、東洋人であれば黒い髪になります。入ってくるはずの色素が発生しなくなるのが白髪の原因です。

 では、なぜメラノサイトが発生しなくなるのかというと、毛根のそばにある17型コラーゲンが発生しなくなるためと言われています。ここ数年の研究でようやくわかってきたことです。17型コラーゲンができなくなる理由はまだわかっていません。

 栄養が届きやすくなるので血行が大事とは言われています。とはいえ、血行がよくなれば必ず治るものでもありませんので、一度なってしまうと難しいところはあります。また、17型コラーゲンを食べれば治るのかというと、そういうこともありません。

 ──残念ですが、治すのは簡単ではないということですね。そうなると染めてなんとかしようと考えるわけですが、自宅で染めると傷むというのは本当ですか? 

 ヘアカラー、白髪染めなどと呼ばれる染毛剤の場合、美容室よりもダメージが出やすいことはあります。美容室では微調整ができるので、すべてを強い液にしなくても染まります。一方で自宅向けの商品は失敗がないようにと比較的強めです。

 また、自宅では薬剤をきちんと落とせていない場合があります。美容室ではトリートメントがセットになっていることも多いので、これも傷みづらいポイントになります。

■男性の薄毛は9割が「男性型脱毛」

 ──「薄毛」を気にしている方も多いと思います。この原因は? 

 女性と男性で原因が異なります。男性の場合9割以上が男性型脱毛です。これは見た目でわかります。「おでこが広くなる」「そり込みが上がる」「頭頂から輪が広がる」の3つの基本形と、「おでこからと頭頂からの広がりがつながる複合型」「そり込みからと頭頂からの広がりがつながる複合型」の5種類しかありません。

 男性型脱毛はホルモンの影響でなります。男性ホルモンであるテストステロンが、ある日突然、血中の酵素と結びつきジヒドロテストステロンに変わってしまいます。これが毛根の成長を邪魔したり、寿命を短くしたりします。

 ──なぜ、男性ホルモンが変化してしまうのでしょうか? 

 体質的な遺伝です。遺伝と言ってしまうと、夢も希望もなくなってしまいますが、遺伝を持っていても発現しない、もしくは発現時期が遅い人がいます。予防するにはいかに遅くするかです。そのために大事なのは日常生活です。食事、睡眠、運動、お手入れなどに気をつかい、できる限り髪にいい生活を送るのがよいかと思います。

 ──アートネイチャーは増毛やウィッグを提供しています。これらは白髪染めなどと比べて、心理的ハードルが高いように感じます。なぜだと思いますか? 

 男性の場合、減ってから相談に来る方が多いです。マイナスのところから元に戻そうとするので、ウィッグでは変身してしまいます。ここに勇気がいるのではないかと思います。ですので、男性は増毛から始める方がとても多いです。周囲に気づかれないように増やせますので。

 あとは、隠すことによる精神的負担があるのではと思います。カミングアウトもされませんし、悩みが深い人ほど増毛やウィッグをすることにも続けることにもハードルがあるように感じます。その点、女性はメイクやファッションに近い感覚なので、気楽な方が多いのではないかと。

 ──悩む方にとっては、本当に深刻な問題なのだと思います。なぜ人は、そこまで髪の毛のことを気にしてしまうのだと思いますか。

 突き詰めると「自信を持ちたい」につながっていると思います。髪の毛が戻ると、気持ちが前向きになります。表情が変わる、姿勢が変わる、言葉だって変わる。「もう年だしね」が「まだこの年だからね」に変わり、行動範囲が広がり、人に会う機会が増える。その結果、本当に人生が変わります。ですので、髪の毛が思いどおりになることはとても重要なことだと、お客さまを見ていて思います。それをお手伝いするのはやりがいがあると感じています。

■ “ツヤ”と“テリ”は光の屈折率が違う!? 

 ──矢島さんの髪はツヤがあって、自分もそんな髪でいられたらと憧れます。そもそもツヤの正体はなんですか? 

 例えばプラスチックの表面は、紙と比べてつやつやしています。これと同じで、表面が整っているほうがつやっぽく見えます。つまり、キューティクルが整っていると、きれいなツヤが出ます。

 街や電車で見ていると“ツヤ”というより“テリ”だなという方がいます。何が違うのか気になってずっと見ていました。テリの人はオイルなどをつけているので、光の反射が違うんですよね。そういった知見を生かして開発したのが、ヘアカラートリートメントの「LABOMO(ラボモ)」です。ナチュラルなツヤが出るように開発しました。

 ──さらっと商品に話が展開しましたが……、矢島さんはショップチャンネルに出演して、商品解説もしておられますね。拝見したところ芸能人顔負けのトーク力で驚きました。そもそも出演のきっかけは……? 

 ショップチャンネルのバイヤーさんが弊社の商品を見つけ、声をかけていただいたことがきっかけです。最初に声がかかったのは増毛パウダーでした。積極的に販売していた商品ではなく、店舗に通う会員さまが自ら悩みを打ち明けてくださったときに、初めて棚の奥から出すような商品でしたので、社内でも意見が分かれまして、受諾までに2年ほどかかりました。

 出演するにはオーディションを受ける必要がありました。厳しめの面接で、ダメかと思ったのですが一応受かりまして、ゲストとして2010年から出演しています。放映が1回失敗しただけでチャンスを失うかもしれないくらいにシビアなものですが、なんとか続けさせてもらっています。

 ──日頃、商品開発も担当しているとのことですが、どの程度、関わっているのですか? 

 LABOMOでは細かいところまで関わり、決定させてもらっています。パッケージのデザインや、中身の色味や質感など、オーダーして作ってもらっています。自分の髪でももちろん試します。製造工場に行ったり、通販用に説明書と商品をセットアップする倉庫にも行ったりと、完成までほぼすべてに携わらせてもらっています。

■きれいな髪でいるために大事なことは…

 ──矢島さんは子どもの頃から、髪の毛についてかなり熱心に探求してきたと聞きました。長年の研究の成果といいますか、結局のところ、髪のコンディション維持にとって大事なことはなんだと思いますか? 

 「健康な生活をすること」「正しいお手入れをすること」の2つに尽きると思います。「髪にいい食べ物は何ですか?」とよく聞かれますが、ある特定の食品だけでよくなることはありません。いろんな食品が必要ですし、巡らせるためには運動も必要です。ストレスはよくないので気分転換も必要ですし、質のいい睡眠も必要です……と、いろいろなことになってしまいます。ですので、一言でいうと「健康な生活」に集約されるかと思います。

 ──「正しいお手入れ」とは、具体的にどんなことが大事なのでしょうか?  矢島さんはどのようなヘアケアをしていますか。

 もちろんシャンプーやトリートメントも大事ですが、そのあとのブラシや、枕カバー、タオルも大事です。肩より長い髪なら洋服も影響します。

 ブラシは豚や馬の毛がいいとよく言われます。ただ、ツヤ出しにはいいのですが、やりすぎると枝毛になります。ですので、あまりにも密なブラシはおすすめしません。むかし、ルーネットというブラシに出会ったときには感動しました。ずっと愛用していましたが製造終了になってしまいまして、そのときは本当に悲しかったです。

 私はお風呂で1時間以上かけてヘアケアをしていますが、おそらく皆さんはマネできないだろうと思いますので、1分でできる頭皮マッサージのやり方を教えます。ぜひやってください。

50代というキャリアの成熟期に、自分が好きなことで、自分好みの商品を開発できるなんてうらやましい。ゆくゆくはブラシやドライヤーも自分で作りたいと夢を語っていました。
矢島さんは自分のことをちょっと変わった性格だといいます。普通の人が見逃すようなことを突き詰めるところがあり、周囲の人に「その差はわかりません」と言われることもあるんだとか。変わっているというか、本連載を担当していると、そういう人は結構いますよ……と思ったのでありました。

東洋経済オンライン

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最終更新:6/30(木) 10:01

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