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インフレ・円安で含み益2億、それでも「売却」しないワケ《楽待新聞》

6/28 19:00 配信

不動産投資の楽待

こんにちは、石原博光です。

今回は、僕の不動産投資の今の状況や、自宅のあるアメリカ・カリフォルニア州の街、ベーカーズフィールドを中心に、アメリカの現在の様子をお伝えしていこうと思います。

■遠隔で日本の物件管理、「パートナー」との付き合い方

改めてご説明しますと、僕は現在、日本に3棟43室、アメリカに自宅と、5戸の賃貸物件を保有しています。日本の物件は43室中40室が埋まっている状態です。空室となっている3室は先日リフォームが完了したので、すぐに満室に返り咲けるように、管理会社さんに頑張ってもらっているところです。

新型コロナウイルスのこともあって、3年近く日本に帰国していません。それでも、多くのご協力を得て、遠隔でも入居者をつけてもらえる仕組みができていることは、大変ありがたいと思っています。賃貸経営における大切なパートナーですから、良い信頼関係を築けるように、努力は怠らないようにしています。

管理業務は煩雑で、面倒なことも多いです。例えば、先日は退去清算金の督促の手紙を出してもらう機会がありました。こうした業務は、一般的には管理費に含まれる範囲ですが、僕の場合、「貴重なお時間を頂戴したので」という感じで、別途少しお支払いするようにしています。また、お支払いする際には端数を大きく丸めて多めに、しかも迅速に払う、ということもずっと心掛けてやっています。これは、リフォームをしてくれた職人さんに対しても行っています。

昔の僕は、正直、こんな対応はしていませんでした。やはり20年近く賃貸業に携わってきて、いろいろと勉強させていただき、良い大家さんになれるようにがんばっていきたいな、と思っています。

■「インフレの国」の現状

日本でも報道される機会があるかと思いますが、インフレの国・アメリカでは近年さらに激しい物価の高騰が起きています。

身近なところで感じるのは、庭に設置しているスプリンクラーのヘッド。これはよく劣化するので、ちょくちょく交換するんですが、僕が渡米した当初(2014年)は1ドル未満で購入できていたものが、最近は1つ8~9ドル程度になっています。木材の値段もかなりあがっている印象です。劣化したウッドフェンスの交換もよく行うんですが、以前と比べて3~4倍程度価格が上がっている印象です。

そして当然のことながら、物件の価格も引き続き上昇傾向にあります。

僕は2012年から、アメリカでは自宅も含めて7戸を購入しました。そのうちの1つは、6年間保有して売却したのですが、インフレの波に乗ったこともあり、4000万円投資して、7000万円以上で売却できました(為替差益による利益も含まれます)。

保有中の5件の貸家も、近隣の似たような物件の売買事例などを確認して計算したところ、投資総額7254万円に対して、含み益で約2億2177万円(1ドル=134円)となりました。単純計算で約3倍。ドルの価値だけで計算しても、約2倍になっています。

■ワンルームでも家賃月額45万円!

ちなみに、物価に合わせて家賃も値上がりの傾向にあります。こちらの賃貸借契約は基本的には1年間のリース契約になっていて、1年ごとに契約をまき直す形をとっています。その際、最近では10%程度は家賃を上げています(カリフォルニア州において、既存入居者に対する家賃増額の上限が5%+インフレ率となっています)。また、退去が発生した際は、家賃を30~40%程度上げて募集しても、すぐ決まるのが現状です。

僕の物件は戸建てですが、現在は1戸あたり2000ドル前後(約27万円)で貸しています。戸建てで27万円というと、日本人の感覚からすると結構高額に思えてしまいますが、実は、僕の住む街では普通の家賃帯です。カリフォルニア州全体で言えば、かなり安い金額ですね。ロサンゼルスなどの都心部だと「スタジオタイプ」、いわゆるワンルームの家賃が約3400ドル(約45万円)というのもザラです。もう少し広くなると、月60万~70万円というものも普通になりますから、驚きです。

ちなみに、家賃も高いのですが、働く人たちのお給料も増えています。2000年の平均時給は14ドルだったのですが、現在の平均は30ドル前後だそうです。わずか20年足らずで倍近くに上がっていますね。実は今、アメリカの失業率は約3.6%。コロナ流行前の2019年よりも低い数字になっています。仕事がいくらでもある状態なのです。

■インフレ抑制で利上げも、不動産市況は

インフレの動きを抑制しようと、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを実行しています。これを受けて、住宅ローン金利も大きく上がりました。2021年の30年固定金利がおおよそ2%台だったんですが、これはアメリカでは歴史的な低さとされる水準でした。それが、2022年6月のデータでは5.89%(平均)と、かなり上がっています。

ただ、これで不動産市況も大きく冷え込んでしまうのかとも思ったのですが、僕の周囲では、今はまだそういった状況にはありません。

確かに、僕がリアルターとして活動する中でも、物件の取引自体は昨年に比べて少し落ち着いている印象はあります。

これにはいくつか理由があって、1つは今申し上げたような金利上昇の影響。もう1つは物件の在庫が非常に少なくなってしまっていることです。物件の価格が高騰を続けている中で、手ごろな価格帯の物件はもうほとんど売り物がなくなっています。資材の高騰や、人材不足と人件費の高騰を背景に、新規住宅着工件数は減少傾向にあり、供給が追い付いていないのです。

その一方で、相変わらず高価格帯の物件は、高値を更新しながらどんどん売れていっていると感じます。

実際、アメリカの不動産ポータルサイト「Zillow」によると、1987年からアメリカの住宅価格は平均4.6%ずつ上昇してきたそうです(ちなみに、これを複利で計算すると、10年目で価格は1.57倍に、20年目で2.46倍、30年目で3.85倍になります)。

ところが、2022年3月のデータでは、前年からの12カ月間で住宅価格が19.2%の成長だったという数字が出ています。異常事態ですね。

今後についてZillowは、来年3月までの1年間で14.9%の成長になるだろうという予測を立てています。別の不動産データ調査会社「CoreLogic」は、今年の価格成長は11.2%と分析していて、2023年からの1年間については4.2%程度の成長にとどまるだろうと推測しているようです。

■物件価格高騰の中で、売却は

このような物件価格の高騰の中です。先にもお伝えした通り、僕の物件も約2億円の含み益がある状態ですから、「物件を売らないんですか?」と質問されることもあります。ですが、今のところは売却を考えてはいません。それは、無借金の強みもありますが、この先も市場が成長するだろうと考えているからです。

確かに、今の市場は読みにくいですし、この先何が起こるかはわかりません。これまでもサブプライムローン問題などを発端とした不況は経験しているわけですし、今後も大きな調整局面は来るでしょう。

それでもなお、長い目では物件価格の上昇は今後も続いていくだろうから、やはり持ち続けていて良いのでは、というのが僕の考えです。

あとは、今売却して利益を確定させたとしても、物件価格の高騰が続いている今は、次に投資するものがない、というのも1つですね。

物件は持ち続けていれば安定して家賃収入を得ることができますし、リーマンショック以降は一貫して家賃も上昇を続けている状態です。調整局面を繰り返しつつも、パフォーマンスで言えば、インフレの国では利回りも成長するし、物件を持っていたほうが稼げるんじゃないかな、と思います。

ただ、これは僕が郊外で投資しているからかもしれないですね。大都市圏では利回りが1%もないこともありますから、売却して現金を得て、2、3%出るような金融商品を買っておいた方がよいかもしれないです。



日本とアメリカで大家をしていますが、管理会社のおかげで本当に手がかかりません。当初は、国をまたいで経営していけるのか不安もありましたが、「為せばなる」に尽きると思います。

またカリフォルニアで行っている不動産仲介業は、コロナの副産物として、当地を訪れずに購入する流れができて、引き続き日本の投資家たちのお手伝いをしています。もともとアメリカは情報公開が進んでいて、バーチャルツアーや専門家によるインスペクションサービス、電子署名も普及しているからこそ、こうした時代の変化にもすんなりと対応できたのかもしれません。

インフレの国では資産だけでなく利回りも成長することを身をもって学びました。

そんな当地の実情や僕の近況をお伝えしましたが、お楽しみいただけたら幸いです。世界は混沌としておりますが、今が特別ではなく、歴史を見れば常に変化していくものと捉えています。そしてありがたいことに、こうした状況にあっても不動産投資で生活を安定させることは十分に可能です。

ご自身の夢を実現させることはもちろん、家族や周囲を幸せにしていく、さらにはさまざまに対応した住環境の提供を通して、社会に貢献していく生き方もできます。僕も日々、不動産の素晴らしさに感謝の念は尽きません。

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おまけ・石原さんのアメリカこぼれ話
このバレル型サウナ(乾式でロウリュに対応)は、ネットで購入して組み立てたものです。
朝食の前にジョギングとワークアウトを行い、庭とプールを掃除してサウナを嗜むのが日課となっています。そして夕方には子供と一緒に泳いでいるので、絵に描いたような健康的な生活かもしれません(笑)。念願だったサウナを手に入れるために、家族の説得に3年半かかりました。アパートを購入する時よりもハードルは高かったので、喜びも大きいです。

不動産投資の楽待

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最終更新:6/28(火) 19:00

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