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65歳以降「リタイア夫婦の貯蓄額」にみる平均額。図解で見る「老後2000万円問題」の落とし穴と老後対策とは

6/25 9:51 配信

LIMO

65歳と聞くとリタイアし、老後を過ごすイメージかもしれませんね。働き続ける仕組みは整いつつありますが、65歳前後をリタイア時期と定め、年金生活に入る方も多いでしょう。

今回はリタイア夫婦の貯蓄額にみる平均と現実を確認します。

あわせて資産形成の必要性に触れながら、資産形成には運用と期間が必要といわれている理由についてもお伝えしたいと思います。

リタイア後、そもそも「老後資金」はどのくらい必要なの?

2019年に金融庁のレポートに端を発した「老後2000万円問題」という言葉を一度は耳にしたという方も多いでしょう。

標準的な夫婦が、老後を30年暮らした場合、年金以外に2000万円の老後資金が必要という試算が出たことで注目を集めました。

高齢無職夫婦世帯の月の収入が20万9189円で、支出が26万3718円。

月に約5万5000円の赤字となり、老後を30年と仮定すると約2000万円足りないという計算です(※2017年の「家計調査」を元にした試算です)。

「2000万円問題」の落とし穴。老後の「経費」は結構かかる!

実は、この「老後2000万円問題」には、いくつか落とし穴があります。そのうちの「住居費」と「介護費用」について触れましょう。

住居費
一つ目は「住居費が低く設定されている」という点です。

この試算の元となった家計調査の結果では、持家世帯を前提として住居費が1万円台に設定されています。住宅ローンの返済金額は含まれていないため、ローンの支払いが退職後も続く世帯は、返済金額を考慮していく必要があります。

また、自宅を購入せず賃貸住宅に住む予定の方も、家賃が生涯かかることを考え、貯蓄の準備をおこなう必要があるでしょう。

介護費用
もう一つは「介護費用が含まれていない」という点です。

LIFULL介護のデータをもとに計算すると、5年間(平均的な入居期間)に必要となる費用(1人分)のトータルは、有料老人ホームの場合で約2000万円、サービス付き高齢者向け住宅で1000万円強でした(以下詳細)。

【有料老人ホームの場合】

 ・入居時費用:594万円
 ・月額費用:23万7000円
5年間費用の合計:2016万円

【サービス付き高齢者向け住宅の場合】

 ・入居時費用:19万8000円
 ・月額費用:16万8000円
5年間費用の合計:1027万8000円

※2022年6月21日時点

夫婦で入居した場合には、二人分として2000万円~4000万円ほどかかることになりますね。これを老後資金に上乗せして準備していく必要があります。

ずっと健康状態が続く場合や、身の回りの世話をしてくれる家族や親族がいる場合は、費用負担は少なくなるでしょう。

ただし、核家族世帯が進み、100年生きるといわれている今、介護が必要となる可能性は誰しもがあると考え準備しておきたいですね。

次は、今のシニア世代がどのくらいの老後資金を準備できているのかを確認していきます。

65歳以上「リタイア夫婦」みんなの貯蓄、平均と現実

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)詳細結果-(二人以上の世帯)」から、65歳以上・無職世帯の貯蓄額と、貯蓄額ごとの分布を確認します。

65歳以上・無職世帯(二人以上世帯)の現在貯蓄高
 ・平均2342万円
平均は2000万円を超えましたね。

世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高も確認します。

世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布(二人以上の世帯)
平均値2376万円・貯蓄保有世帯の中央値1588万円

 ・100万円未満:8.3%
 ・100万~200万円:3.3%
 ・200万~300万円:3.2%
 ・300万~400万円:3.6%
 ・400万~500万円:2.8%
 ・500万~600万円:3.5%
 ・600万~700万円:2.9%
 ・700万~800万円:3.1%
 ・800万~900万円:3.5%
 ・900万~1000万円:2.9%
 ・1000万~1200万円:5.3%
 ・1200万~1400万円:5.0%
 ・1400万~1600万円:4.4%
 ・1600万~1800万円:3.8%
 ・1800万~2000万円:2.9%
 ・2000万~2500万円:8.0%
 ・2500万~3000万円:6.4%
 ・3000万~4000万円:9.2%
 ・4000万円以上:17.7%
貯蓄額2000万円を超える世帯は合計41.3%となり、およそ2世帯のうち1世帯は2000万円を準備できていないということになります。

前述の住居費と介護費用をふまえると3000万を用意しておきたいところですが、貯蓄額3000万を超える世帯は合計26.9%と決して多い割合ではないでしょう。

まとまった資金をつくるには一朝一夕で準備できる金額ではありません。現役時代のうちから時間を味方につけて、資産形成をしていきましょう。

そして、資産形成の方法は運用です。積立で貯蓄をしているといっても預け先が銀行預金だという方も多いでしょう。しかし、今は銀行預金で増える時代ではありません。

では、具体的に時間と運用の効果を見ていきましょう。

「老後のお金」準備のスタート、あなたは何歳から?

まずは運用に関わる利回りから比較していきましょう。ここでは銀行の預金金利0.003%と、運用の利回りを仮に3%とした場合の比較で考えます。

今回の目安を3%とした理由ですが、国の年金である公的年金の運用利回りの結果から考えています。公的年金も運用されていることは周知の事実となりますね。

厚生労働省所管の独立行政法人である「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」は厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行う組織です。このGPIF ですが、2001年度以降、20年間の実質的な運用利回りが3.78%であったことを示しています。

このことから条件は以下の通りとして考えてみたいと思います。

条件
 ・毎月積立:3万円
 ・想定利回り:0.003%と3%を比較
 ・期間:30年
積立金額合計(元本):1080万円(計算式3万円×12カ月×30年=1080万円)

0.003%と3%で運用した場合
 ・0.003%の場合の最終積立金額の合計:1080万4848円
 ・3%の場合の最終積立金額の合計:1748万2107円
最終積立金額の合計の差:1748万2107円―1080万4848円=667万7259円
※金融庁「資産運用シミュレーション」で試算
※このシミュレーションでは運用に関わる費用や、税金を考慮していないため、実際の数値とは異なる可能性があります。

同じ金額を預けるにしても運用利回りが違うだけで、将来は約667万円と大きな差となります。

次は、時間を味方にといわれる「期間」で考えてみましょう。

前述の結果で3%の場合、最終積立金額の合計は1748万2107円でした。では、運用期間が半分の15年になった場合はどうなるかを見てみましょう。

3%で15年間運用した場合
積立金額合計(元本):540万円(計算式3万円×12カ月×15年=540万)

最終積立金額の合計:680万9181円

30年の場合と比較すると大きな差がありますね。

積立金額を15年の2倍の期間を続けたら、30年後の最終積立金額の合計が単純に倍となるわけではありません。長期間続けることで、複利効果も伴って増え方は2倍以上に膨れ上がることが分かります。

ちなみに複利とは元金だけでなく増えた利子にも利子がつくことです。その増え方は「雪だるま」に例えられることも多いですね。

以上のことから資産を育てるのには「期間」もとても大事だということが言えます。

さて今回は「老後に必要となるお金」を軸として、リタイア世帯の貯蓄事情なども確認しながらお話をしてきました。

必ずやってくる「老後のお金」の準備。あなたは何歳から資産形成を始め、老後を何歳からスタートしたいですか。

参考資料
 ・日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)
 ・厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
 ・金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
 ・LIFULL介護「老人ホームの費用相場」
 ・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-」3 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況
 ・日本銀行金融機構局「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について」
 ・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「年金積立金の運用目標」
 ・金融庁「資産運用シミュレーション」

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最終更新:6/25(土) 11:06

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