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退職金と企業年金「受け取り時期」が違う場合の退職所得控除はどう計算するか?短期退職手当とは

6/17 19:02 配信

LIMO

企業年金を一時金で受け取る際は退職金として扱われるため、退職所得金額を算出する必要があります。

定年退職時に受け取る退職金制度が別に設けられており、企業年金との受取時期が異なる場合、退職所得金額を計算する際の退職所得控除額の計算はどのように行うのでしょうか。

今回は令和4年1月より改正された内容も含め、退職所得控除額の計算方法について解説します。

退職所得控除額の計算方法

退職金を受け取った際の退職所得金額は、受け取った退職金から勤続年数に応じた退職所得控除額を差し引き、その額を2で除して求めます。

退職所得控除額の計算方法は勤続年数が20年を超えている場合は、「800万円+(70万円×(勤続年数-20))」となり、勤続年数が20年以下の場合は、「40万円×勤続年数」(最低金額80万円)と決められています。

短期退職手当とは?令和4年1月施行の法改正を確認

令和3年度の所得税改正により、勤続年数が5年以下(役員などを除く)の人の退職所得金額の計算方法が改正されています。

具体的には、勤続年数が5年以下の人に支払われる退職手当については「短期退職手当」に位置づけられ、受け取った退職金額から退職所得控除額を差し引いた額のうち、300万円を超える部分についてはその額を2で除すことはせず、退職金額から退職所得控除額を引いたものを退職所得金額として取り扱います。

計算方法としては以下のとおりです。

 ・退職金額-退職所得控除額=300万円以下の場合:退職所得金額=300万円÷2=150万円
 ・退職金額-退職所得控除額=300万円超の場合:退職所得金額=150万円+(退職金額-(300万円+退職所得控除額)
勤続年数5年以下で、退職金500万円を受け取った場合をシミュレーション
 ・退職所得控除額=40万円×5年=200万円
 ・退職所得金額=500万円-200万円≧300万円なので、最終的な退職所得金額は以下の計算によって求める。
 ・退職所得金額=150万円+(500万円-(300万円+200万円))=150万円
なお、勤続年数の計算においては、1年未満の端数は切り上げますので、4年と1カ月勤続していたとしても、5年とみなされ、受け取った退職金は「短期退職手当」として扱われます。

退職金の受取時期が異なる2つのケースでシミュレーション

では、退職金の受取時期が異なる場合の退職所得控除額および退職所得金額はどのようにして求めるのでしょうか。

退職金の受取時期が異なるケース1. 同じ年に2回退職金を受け取る

受取時期が異なっていても、それが同じ年だった場合、退職金額を合算して退職所得金額を求めます。その際の退職所得控除額を求める計算で利用する勤続年数は、最も長い勤続年数を用います。

例えば、33年間勤続した会社から退職金を受け取り、同じ年に、企業型確定拠出年金の一時金(加入期間15年間、加入開始から前回の退職金を受け取るまでの期間:10年)を受け取った場合は、退職金と企業型確定拠出年金の一時金額を合算し、退職所得控除額については33年を用いて計算します。

退職金の受取時期が異なるケース2. 1回目の受け取りと2回目の受け取りの間が1年以上空いている

受け取る退職金(退職一時金)の種類によって異なりますが、確定拠出年金の一時金の場合は20年以内、それ以外の退職金もしくは退職一時金の場合は5年以内に別の退職金を受け取っていた場合にはその重複期間における退職所得控除を使うことはできなくなる点に注意が必要です。

例えば、上と同じように33年間勤続した会社から2000万円の退職金を受け取り、その7年後に企業型確定拠出年金の一時金300万円を受け取った場合の退職所得控除額および退職所得金額の計算方法は以下のとおりです。

退職金の計算:最初に受け取った2000万円
 ・退職所得控除額=800万円+(70万円×(33年-20年))=1710万円
 ・退職所得金額=2000万円-1710万円=290万円÷2=145万円
企業型確定拠出年金の一時金の計算:7年後に受け取った300万円
 ・企業型確定拠出年金の加入期間に応じた退職所得控除額=40万円×15年=600万円
 ・重複期間(企業型確定拠出年金の加入開始から前回の退職金を受け取るまでの期間:10年)に応じた退職所得控除額=40万円×10年400万円
 ・最終的な退職所得控除額=600万円-400万円=200万円
 ・退職所得金額=300万円-200万円=100万円÷2=50万円
このように、2回目に受け取った退職所得金額の計算においては、重複期間を考慮する必要があります。

また、最初に受け取った退職金において退職所得控除額が多く、最終的に引き切れなかった部分が残っている場合は、その部分を考慮した「みなし勤続年数」との重複期間を算出したうえで、最終的な退職所得控除額および退職所得金額を算出します。

【退職金の受け取り時期】令和4年1月および4月からの制度改正に注意

退職金を複数回に分けて受け取った際の退職所得控除額の計算においては、重複期間を考慮する必要があることを忘れないようにしましょう。

また、考慮が必要な期間については、令和4年4月1日以降に受け取る分については、確定拠出年金(iDeCoも含む)の場合は20年間、それ以外の退職金については5年間です。

退職金の種類によって、考慮しなければならない期間が異なることも覚えておく必要があります。

あわせて、令和4年1月から勤続年数が5年未満の場合の「短期退職手当」の取り扱いが新設されたことについてもしっかりと理解しておきましょう。

参考資料
 ・国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」(2021年9月1日現在法令等)
 ・税務署「令和3年度 所得税の改正のあらまし」
 ・国税庁「No.2740 勤続年数が5年以下の者に対する退職手当等(短期退職手当等)」(令和4年1月1日以後)
 ・国税庁「No.2735 同じ年に2か所以上から退職手当等が支払われるとき」(2021年9月1日現在法令等)

LIMO

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最終更新:6/17(金) 19:02

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