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大学教授になるには?元大学教授が語る!社会人大学院という選択肢も

5/29 7:21 配信

LIMO

大学教授になるには、博士号を取得するのが王道です。大学卒業後に大学院へ進学するのはコストもリスクも大きいですが、就職して社会人大学院に通うという手段もあります(経済評論家、元大学教授 塚崎公義)。

【大学教授になるには】博士号があると圧倒的に有利

一般に、大学教授は「人間の価値は論文の質と量で決まる」と考えています。そして、彼等の合議体である教授会が新しい教授の採用を事実上決めるので、大学教授になるためには論文執筆履歴が決定的に重要です。査読論文(査読という審査をパスした論文だけを掲載する雑誌に載った論文)が重要ですが、それと並んで博士論文も重要です。

博士論文を書くには、大学卒業後に修士課程と博士課程に計5年間通う必要があり、金銭的にも労力的にも精神的にも苦労するわけですから、この経験をした人は「同じ釜の飯を食った仲間」と見なされるのでしょう。

最近、各大学の博士課程の定員が増えていることから、博士号取得者も増えています。一方で、教員の募集はそれほど増えていませんし、文系の博士は企業に就職することが難しいので、博士号取得者は皆が大学教員を目指すため、大学教員の倍率が上がっています。

したがって、博士号を持たずに大学教員になる事は容易ではありません。後述のように、不可能ではありませんが、原則として博士号が必要だと考えておいた方が良いでしょう。

【大学教授になるには】博士課程に進学するのはコストとリスクが大

王道は、大学を卒業してから修士課程、博士課程に通って博士号を取得することですが、それにはコストがかかります。同期が5年間会社員等として稼いでいる時に自分は授業料を支払っているわけですから。

しかも、博士号が取得できるとは限りませんし、取得できても就職できるとは限りません。上記のように、博士号を持ったライバルたちが大勢いて少ない大学教員ポストを争っているわけですから。

博士号を取得出来なかった場合や、出来ても大学教員のポストが見つからない間は、アルバイトをして食い繋ぐ必要があります。それがいつまで続くかわかりませんし、奨学金の返済負担も重いでしょう。

大学教授は、なってしまえば素晴らしい身分なので、コストとリスクをものともせずに突き進む、というのも十分あり得る選択肢だとは思いますが、コストとリスクが大きすぎて避けたい、という人は、社会人大学院という選択肢もあります。

【大学教授になるには】企業人になって社会人大学院に通うという選択肢も

大学卒業と同時に企業人となり、出世を目指すけれども、出世できる見込みが薄れたら大学院に通って大学教授への転身を目指す、という選択肢は、リスクが小さい事が大きなメリットだと言えるでしょう。

コスト的にも、企業人として働いて給料をもらって貯蓄をし、しかも働きながら夜間の大学院に通うのであれば、それほど辛くないはずです。出世の可能性が低い人は、仕事がそれほど忙しく無いのが普通でしょうから、その意味でも辛さも限定的でしょう。

もっとも、大勢の若い博士号取得者がライバルとして争っているところに中年あるいは初老の博士号新規取得者が挑んでも、教授のポストを得るのは容易ではないでしょう。高望みをせず、地方の大学に単身赴任するくらいの覚悟は必要でしょうね。

もうひとつ、大学卒業後に就職はするけれど、忙しく無い職場を選んでおいて、ただちに社会人大学院に通う、という選択肢もあります。この場合には、忙しく無い職場と言っても若手はそれなりに忙しいでしょうから、労力面でのキツさは十分に覚悟しておく必要があるでしょう。

もっとも、初任給であっても収入はありますし、日本の企業は終身雇用ですから、博士号が取得できなくても大学教員のポストが手に入らなくても、食べる事に困る可能性は格段に小さいわけですから、これも是非検討してみたい選択肢ですね。

【大学教授になるには】博士号が無くても絶対無理とは限らない

博士号がなくても、絶対に無理だというわけではありません。最近は文部科学省が実務家教員を増やそうとしているようですから、トライしてみるチャンスはあるでしょう。

文部科学省の官僚や、マスコミの人などは、比較的採用されやすいようですし、マスコミの登場頻度の高い評論家なども比較的採用されやすいようです。大学にとって利用価値が高そうだ、という事なのでしょうか。

それ以外でも、貿易関係や観光関係の仕事をしている人が貿易論や観光論の教員となる可能性は皆無ではありません。もっとも、論文が全くない場合には、容易では無いでしょう。過大な期待は禁物です。

【大学教授になるには】教員採用は良い意味でのコネも重要

大学教員の採用に於いては、コネが役に立つ場合も多いようです。コネと言っても、偉い人の子だから能力が乏しくても採用する、というのではなく、候補者の性格が知れている人の方が安心だから、良い人を採用するためにコネを使う、という事なので、特に問題はありません。

大学教員を本当に公募で選ぶと、基本的に論文審査が中心となります。面接を行う場合もありますが、1回だけ30分の面接をしたとしても、候補者の性格が見抜けるわけではありませんし、まして教授会のメンバーに候補者の性格を見抜く能力があると期待するのも無理な話でしょう。

大学には、ときどきトンデモ教授がいて、教授会を混乱させたり学生と問題を起こしたりします。そうした事態を避けるためには、教授会のメンバーが「この候補は知っているが、マトモな人だ」と一言発言してくれると大変助かるわけです。

候補者としては、それを知った上で、なるべく多くの大学教授に顔を売っておきましょう。学会の大御所であったりワンマン理事長であったりすればベストですが、そうでなくても数多くの教授たちに自分が教授志望である事を知ってもらっておきましょう。もしかすると、「君、うちを受けてみないか」などという話が来るかも知れませんし。

本稿は、以上です。なお、本稿は近日発売予定の拙著『大学の常識は、世間の非常識』の内容の一部をご紹介したものであり、内容はすべて筆者の個人的な見解です。筆者が大学で感じた違和感が綴ってありますが、海外旅行の旅行記のように、「違いの説明」であって、批判ではありません。

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最終更新:5/29(日) 7:21

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