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年齢性別問わず人気急上昇、原付二種が売れる訳。活況のバイク業界をけん引、小排気量の魅力とは?

5/24 6:01 配信

東洋経済オンライン

 最近よく見かけるようになったのが原付二種(第二種原動機付自転車)のバイクだ。排気量が50ccを超え125cc以下までのモデルであるが、街中はもちろん、郊外でもツーリングをするライダーにかなり頻繁に出会うようになってきた。販売台数も好調のようで、複数の2輪車販売店などからは、毎月かなりの台数が売れているという声を聞く。

 いわば、近年の2輪業界活況の牽引役ともいえるジャンルだけに、バイク関連の一大イベント「第49回 東京モーターサイクルショー(2022年3月25~27日・東京ビッグサイト)」にも、原付二種の新型モデルが数多く出展されていた。とくにホンダでは、「スーパーカブ110」「クロスカブ110」「ダックス125」など、1960年代などに人気を博した往年の名車を復刻したモデルを展示。市場から多くの注目を浴びていた。

 新型モデル以外でも、国内外の2輪車メーカーでは、スクーターからスポーツモデル、レジャーモデルなど、さまざまなタイプがラインナップされ、原付二種モデルは今まさに百花繚乱といった感が強い。かつては原付一種ほど目立たず、かなり地味な存在だった原付二種のバイクが、なぜ今これほど脚光を浴びているのだろうか。ここでは、2022年の新型モデルなどを紹介しつつ、その人気の秘密に迫ってみる。

■原付二種とは

 原付二種とは、排気量50cc超~125cc以下のバイクを指すことは前述のとおりだ。排気量50cc以下の原付一種と同様に、原動機付自転車に属するが、運転するには最低でも小型限定普通二輪免許の取得が必要。ただし、スクーターのみに乗る場合は、AT小型限定普通二輪免許でも運転可能だ。原付一種に乗ることができる原付免許は、学科試験のみで取得できるほか、普通自動車免許などを取得すると付帯される点とは異なる。免許のハードルの高さだけでみれば、50cc以下の原付一種のほうが手軽だ。

 ただし、原付一種は、片側3車線以上の道路にある交差点で2段階右折が必要で、最高速度は30km/h以下。対する原付二種は、2段階右折は不要で、速度規制がなければ最高速度は60km/h以下。どちらも高速道路を走行できないことは同じだが、一般道を走るうえでの条件はかなり違う。原付二種のほうが、公道を走るうえでの規制が少ないことも、近年人気が高い理由のひとつだといえる。

■原付二種の増加データ

 日本自動車工業会が発表した2輪車の出荷台数データによれば、2021年度の原付二種は12万5674台。2011年度では9万5702台であったから、10年前と比べて約31%の増加率だ。また、2021年度は、2輪車全体の出荷台数が37万8720台であったから全体の約33%を占める。2011年度では、2輪車全体の出荷台数は40万5533台で、原付二種の比率は約23%だったことを考えると、全体に占める割合もほぼ10ポイント増加したことになる。

 一方、原付一種の出荷台数は、2011年度の25万7045台から2021年度は12万7736台と、10年間で50%以上の減少率だ。2輪車全体に占める割合も、10年前は約63%あったが、10年後の2021年度では約33%と約半分になった。出荷台数が年々減少する原付一種と対象的に、原付二種は、徐々に存在感を増しているといえる。

 2輪車は、コロナ禍の影響が出た2020年以降、密を避ける移動手段として注目され、販売台数は増加傾向だといわれる。実際に、同じく日本自動車工業会が公表する2輪車全体の出荷台数データでは、コロナ前の2019年度が33万1207台、コロナ禍直後の2020年には32万8346台とやや減少するが、前述したとおり、2021年度には37万8720台と5万台以上の増加となり、2019年度を凌ぐ台数となっている。また、2022年度も、1月から3月までの出荷台数は9万8685台で、対前年比で約14%の伸びをみせているので、依然として好調だ。

 2輪車業界が好調である背景には、以前から市場を支える40代以上のベテランライダーなどに加え、10~20代の新規参入も増えたことが指摘されている。例えば、運転免許教習所では、2輪免許取得を希望する若い世代が急増したことで、予約が取れない状況になっているという。また、街中でも最近は若い世代のライダーをよく見かけるようになった。そして、そうした若い世代が手軽に乗ることができるほか、サラリーマンなどの中高年世代が通勤など普段の足としても使いやすいことで、人気が高まっているのが原付二種のバイクなのだ。

 しかも価格が比較的リーズナブル。最近は、250ccのバイクでも90万円台のモデルもあるし、逆に50ccのスクーターでも20万円前後とかなり価格が高騰している。一方、原付二種は、ほとんどのモデルが30万円台から40万円台だ。また、原付一種のように2段階右折などの制約も少ないことなどが、大きな支持を受けている要因だといえる。

■販売モデルから最近の傾向を見る

 原付二種が注目されはじめたのは、おそらく2010年に発売されたホンダの「PCX」からだろう。ホンダがタイで生産する排気量125ccのスクーターで、発売当時53km/L(60km/h定地走行テスト値)という優れた燃費性能で話題となり、大ヒットしたモデルだ。主に通勤・通学など、普段の足として購入するユーザーがメインだった。

 PCXの成功により、他メーカーでも続々と125ccのスクーターを発売し、原付二種は一気に注目を集める。一方で、スクーター以外のモデルについても、例えば、スズキがフルカウルのロードスポーツ「GSX-R125 ABS」やネイキッドモデルの「GSX-S150 ABS」などをラインナップ。さらに最近は、ホンダのビジネスバイク「スーパーカブ」シリーズが大ヒットしている。

 例えば、東京モーターサイクルショーで披露された新型のスーパーカブ110などは、ホンダが1950年代に発売し、世界的に大ヒットしたモデルの後継機種だ。2009年に発売された同モデルは、初代を彷彿とさせる「昭和レトロ」な雰囲気が人気を呼び、若者からベテランまで、幅広い層に大きな注目を集めている。今回発表された新型は、空冷OHC単気筒エンジンを最新の排出ガス規制に対応させ、燃費性能を向上。前後キャストホイールやチューブレスタイヤを新採用するなどのアップデートを行っている(税込み価格30万2500円)。

 ホンダでは、ほかにもスーパーカブ110をベースにアウトドア的なテイストのスタイルや装備を持つクロスカブ110(税込み価格36万3000円)、125cc版の「スーパーカブC125(税込み価格44万円)」、そのアウトドア版の「CT125・ハンターカブ(税込み価格44万円)」など、充実のラインナップを揃え、いずれも高い人気を誇る。

 これらモデルは、日常の足だけでなく、ツーリングなどレジャー用途に使うライダーも多いことが特徴だ。高速道路こそ走行できないものの、一般道をのんびりと走り、郊外の景色を楽しんだり、後席のキャリア(荷台)に荷物を積載しキャンプなどのアウトドアに出かけたりなど、さまざまな用途で使えることが人気の秘密だ。

 ほかにも東京モーターサイクルショーでは、1960年代後半から1970年代に人気を得た50ccや70ccのレジャーバイク「ダックスホンダ」を復刻させた「ダックス125(税込み価格44万円)」も出展。ホンダは、2018年に同様のレジャーバイク「モンキー」を復活させた「モンキー125(税込み価格44万円)」も発売し大ヒットしたが、ダックス125はそうした復刻レジャーモデルの第2弾となる。

■時代の移り変わりを感じる原付バイクの流行

 最近国内で販売されている110ccや125ccといった排気量のバイクは、2輪車が大きなセールスを記録している東南アジアやインドなどに向けて作られたモデルが多い。生産もアジアなど現地で行っているモデルがかなりあり、日本だけでなく、欧州などにも輸出されている、いわばグローバルモデルだ。ほぼ日本だけの販売となる原付一種のスクーターなどと比べると、世界的に販売できることで、大きな売上高も見込める。メーカーが国内でもラインナップを充実させやすい背景はそこにもある。

 余談だが、筆者がバイクに乗りはじめた1980年代初頭では、原付といえば50ccのスクーターやスポーツモデルが花形で、125ccなどの原付二種は、中途半端な排気量である感が強かった。まずは16歳で原付免許を取得し、手軽に乗れる50ccのバイクに乗る。

 そして、当時でいうところの中型限定二輪免許(現在の普通自動二輪免許)を取得し、250ccや400ccといった軽二輪にステップアップするのが王道で、125ccのバイクに乗るライダーはあまりいなかったためだ。それが今では、初心者からベテランまで、多くの層が原付二種に乗ることを考えると、時代の大きな変化を感じる。いずれにしろ、2輪車業界の躍進を牽引するこのジャンルは、今後もさまざまなモデルが市場投入されるなど、より充実ぶりを見せることは間違いないだろう。

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最終更新:5/24(火) 6:01

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