(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は7月に利上げを開始し9月末までにはマイナス金利を脱却する公算が大きいとの見方をラガルド総裁が23日示した。
総裁はブログ投稿で「資産購入プログラム(APP)での純購入は7-9月(第3四半期)の非常に早い段階で終わると考えている。これにより、フォワードガイダンスに沿って7月の会合で金利を引き上げることが可能になる。現在の見通しに基づくと、7ー9月期末までにマイナス金利を脱却できる可能性が高い」と説明した。
ユーロ圏のインフレ率がECB目標の4倍近い中で、政策委員会では7月利上げの機運が高まっている。中銀預金金利は現在マイナス0.5%のため、ラガルド総裁の発言は7月と9月の会合双方で0.25ポイントずつの利上げがあることを示唆する。
政策委員会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は先週、0.5ポイント利上げの可能性にも言及したが、ラガルド総裁は政策正常化は漸進的と繰り返しており、この日もこの考えを示した。
「利上げに伴う経済とインフレ見通しへの影響を見極めながら一歩ずつ進めるのが賢明だということだ」と指摘した。
総裁のコメント後、ユーロは一時0.7%高の1ユーロ=1.0635ドルを付けた。
総裁はまた、金融政策効果がユーロ圏全体に浸透するようにECBは「新たな手段を設計し駆使することができる」とも主張。利上げによりユーロ圏内の債券市場が分断化する懸念が浮上している。
原題:ECB Likely to End Negative Rates by End-September, Lagarde Says(抜粋)
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最終更新:5/23(月) 18:09
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