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9年ぶり新型「プジョー308」が守るフランス車の伝統とは? 大胆な中に宿るエスプリ=フランスの精神

5/22 6:31 配信

東洋経済オンライン

 4月13日に日本導入を発表し、注文受け付けを開始したプジョーの新型「308」は、トヨタ「カローラ」やフォルクスワーゲン「ゴルフ」などをライバルとする、Cセグメントの車種だ。ハッチバックとステーションワゴンのSWがあり、発表会ではまずハッチバックが公開された。

 308という名前の車種は、プジョーにとってこれで3代目になる。第2世代となる先代で、プラットフォームが新世代のEMP2(エフィシェント・モジュラー・プラットフォーム2)に切り替わり、日本ではガソリンに加えディーゼルエンジンが投入された。

 新型はプラットフォームこそEMP2を継承するものの、パワーユニットは1.2リッター直列3気筒ガソリンターボと1.5リッター直列4気筒ディーゼルターボに加え、1.6リッターガソリンターボにモーターを組み合わせたPHEV(プラグインハイブリッド)も加わる。

■革新のシトロエン、保守本流のプジョー

 ハッチバックのボディサイズは、全長4420mm×全幅1850mm×全高1475mmと、先代と比べて3方向ともに拡大された。2680mmのホイールベースも長くなっている。

 プロポーションは先代に似ており、正統派の2ボックスと呼べる。同じステランティスグループに属するシトロエンのCセグメント車種、「C4」がリアウインドウを大きく寝かせたファストバックスタイルなのとは、対照的だ。

 先代308が安定した販売成績を挙げていたことを受け、ステランティス内でも革新派をアピールするシトロエンに対し、保守本流のプジョーというブランドの色分けを鮮明にしたというイメージが伝わってくる。

 デザインも新しいフェーズに入った。まず紹介すべきは、昨年発表された新しいロゴマークを最初に装着したプジョーであることだ。

 従来のロゴマークは、ライオンの全身を図案化し、クロームメッキで仕上げられていた。それに比べると、黒地の盾の中に細いシルバーのラインでライオンの顔を描いた新しいロゴマークは、落ち着きが増したように感じる。また、フロントマスクの造形も新しい。

 SUVの「3008」と同じように、グリルの左右が延びてヘッドランプとの一体感が強まり、モダンな雰囲気になったし、ライオンの牙を思わせるウインカー兼デイタイムランニングランプが、引き立つようになった。

 この意匠変更には、ADAS(先進運転支援機構)の進化も関係している。ADAS用センサーを収めるには、グリル中央に黒いパネルを据え、中に収めるのがいい。こうしたトレンドを踏まえての、ロゴマーク一新とも考えられる。

 グリルの処理はベーシックな「アリュール」と「GT」で異なっており、LEDを用いたヘッドランプも、GTではフロントウインドウに内蔵したカメラからの情報をもとに、配光をきめ細かく調節するマトリックスタイプとなっている。

 サイドでは、安定した台形のシルエットは変わらないものの、前後のフェンダーやサイドシルにエッジの利いたキャラクターラインが入り、ダイナミックになった。

 サイドウインドウは、下端のラインが側面衝突対策のためもあり上昇したのに対し、上端はリアに向かってなだらかなカーブを描くようになり、ここでも動的な雰囲気をプラスしている。ただし、リアドアの開口形状は先代や1クラス下の「208」同様、スクエアに近いため、後席へのアクセスは相変わらず良好だった。

 上下に薄いリアコンビランプを黒いバーでつないで高い位置に置き、ナンバープレートをバンパーに取り付けた後ろ姿は、208に似ている。

 こちらもグレードによりLEDの光り方が違い、アリュールでは水平となるテールランプの3本線が、GTでは3D効果を持たせた斜めのラインになる。

 イメージカラーにグリーンを起用したことも、新型308の特徴だろう。「オリビングリーン」と呼ばれるその色は、環境に優しいクルマであることをアピールしつつ、他と違う独自性をアピールするために選ばれたそうだ。

 スポーツカーならともかく、実用車でこの色をメインに据えるというのは勇気がいることだが、目的は達成できていると感じるし、308の祖先にあたる「304」や「306」にもこれに近い色はあったので、プジョーらしいとも思っている。

■クールなGTか?  温かいアリュールか? 

 インテリアもエッジの利いた形状となっていて、モダンでクールな雰囲気だ。アリュールではインパネやドアトリムの一部にファブリックを貼ることで、フランス車らしいソフトな雰囲気も加えている。

 小径のステアリングとその上からメーターを見るレイアウトは、最近のプジョーではすっかりおなじみだ。3D効果を持つデジタルディスプレイも、208や3008などに採用例がある。

 最近になって急に採用例が増えたデジタルメーターだが、プジョーのそれは多くの機能を詰め込みつつ、3D効果のおかげで表示にメリハリをつけてあるので識別しやすい。実際に体感すれば、違いがわかるはずだ。

 センターのデジタルディスプレイは、グレードにより異なる。アリュールはディスプレイの下の斜めのパネルにエアコンのダイヤルやスイッチを置くのに対し、GTはここもタッチパネルとなる。表記は日本語でボタンも大きく扱いやすい。

 デジタル化を進めるとともに機能を充実させたGTを選ぶか、シンプルで温かみのある仕立てにフランス車らしさを感じてアリュールにするか、悩む人が出そうだ。

 センターコンソールの収納スペースが豊富なのは、プジョーの良き伝統どおり。ATセレクターがシトロエンC4と同じスライド式スイッチになったことも、スペース効率に貢献している。

 シートは、アリュールがファブリック、GTは合成皮革とアルカンターラのコンビで、ステッチの色もアリュールは爽やかなライトブルー、GTはイメージカラーに近いライトグリーンとして、キャラクターの違いを表現している。

 リアシートは身長170cmの筆者が前後に座った場合、ひざの前に15cmぐらいの余裕が残り、頭上空間も十分。ニースペースが30mm拡大したという説明にも同意できるし、座面が20mm低められた違和感はない。

■ワゴンのホイールベースにも伝統が

 発表会には展示されなかったが、ステーションワゴンのSWについても触れておこう。プジョーも他の多くのブランド同様、近年はSUVのラインナップを充実させているが、新型308は304時代から続くワゴンを引き続き用意する。

 SWの特徴は、ホイールベースがハッチバックの2680mmに対して、2730mmとやや長いことだ。フランス車は、昔からワゴンのホイールベースを長めにとる傾向があった。現在のミニバンのような3列シートの車種をワゴンボディで用意していたためで、プジョーは第2次世界大戦前から、こうした作りを伝統としてきた。

 先代308もこのパッケージングを受け継いでいた。おかげでリアシート足元の空間はハッチバックより広く、新型308SWもこのメリットを継承していると思われる。

 同様の作りは、308のライバルであるルノー「メガーヌ」も以前から取り入れており、ゴルフも現行型でハッチバックとワゴンの「ゴルフヴァリアント」のホイールベースを違えてきた。フランス車の流儀をドイツ車が取り入れた格好だ。

 ホイールベースの伸延にともない、SWの全長はハッチバックの4420mmから4655mmに。荷室ももちろん広くなっており、ハッチバックの412リッターに対して608リッターを誇っている。

 スタイリングは、フロントまわりこそハッチバックと共通だが、リアは低い開口部を実現するために、ナンバープレートがゲートに移され、リアコンビランプ間の黒いバーがなくなるなどの違いが見られる。

 ボディサイドではハッチバック同様、フェンダーやサイドシルのキャラクターラインが明確になり、サイドウインドウは先代と比べると下端が上がった一方で、上端は後半をスロープさせた。ハッチバック同様、ダイナミックさを増したという印象で、実車を見るのが楽しみだ。

東洋経済オンライン

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最終更新:5/22(日) 6:31

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