住宅ローンを借りるときに気になる条件の一つが金利。でも金利だけ見ても利息や返済額がどれくらいになるか、なかなかわかりません。
そこでここでは住宅ローンの金利から、利息を含めた返済額を計算する方法をわかりやすく解説します。できるだけ低い金利で住宅ローンを借りるテクニックなども紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
【住宅ローンの計算】年利から月利を求める
住宅ローンの金利から返済額を計算するには、まず「月利」を求める必要があります。
金融機関のサイトに掲載されている金利は1年分の「年利」です。しかし返済は毎月行うため、「年利」を12で割り「月利」に直さなければいけません。
式:年利(%)÷12=月利(%)
銀行サイトに「金利1.2%」と掲示されていた場合
例:1.2%÷12=0.1%
【住宅ローン】月返済額の計算方法
次に毎月の返済額の計算に移りますが、住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つがあります。
それぞれで返済額や利息が変わるため、特徴と計算方法を分けて解説します。
住宅ローンの返済方法1. 元利均等返済の場合
元利均等返済とは、毎月の返済額が一定になる返済方法です。
金利が変わらなければ支払いが一定になるので、家計の計画を立てやすい返済方法です。ただし返済を始めた当初は返済額の内訳に占める利息の割合が大きく、返済残高がなかなか減らないという特徴があります。
元利均等返済の計算方法
月返済額={借入金額×月利×(1+月利)返済回数)}÷{(1+月利)返済回数-1}
元利均等返済の計算例
・借入金額:3000万円
・借入期間:35年(返済回数420回)
・金利:1.2%(月利0.1%=0.001)
・ボーナス払い:無し
{3000万円×0.001×(1+0.001)420)}÷{(1+0.001)420-1}
≒月返済額 8万7510円
35年間の支払総額:3675万4301円
うち利息分:675万4301円
元金均等返済は、電卓だけで計算しようとすると非常に手間がかかります。正確に計算をする意味でも、金融機関のサイトにある返済シミュレーションサービスの利用をおすすめします。
住宅ローンの返済方法2. 元金均等返済の場合
元金均等返済では借入金額を返済回数で割った元本に、支払い月直前の返済残高に月利をかけた利息を加えたものが月返済額になります。
支払開始直後は借入残高が多く利息も高めなため、初期の月返済額が大きい返済方法になります。ただし返済残高が減るのに合わせて利息も下がるため、月返済額は次第に減っていきます。
元金均等返済の計算方法
月返済額=(借入金額÷返済回数)+(直前の借入残高×月利)
元金均等返済の計算例
・借入金額:3000万円
・借入期間:35年(返済回数420回)
・金利:1.2%(月利0.1%=0.001)
・ボーナス払い:なし
1回目の返済額
(3000万円÷420)+(3000万円×0.001)
≒10万1428円
35年間の支払総額:3631万4845円
利息:631万4845円
【住宅ローン】2つの返済方法の違い
2つの返済方法をまとめると、次のようになります。
※金利が変わらなかった場合の試算
初期の月返済額の支払いが可能なら、返済総額の少ない元金均等返済がお得です。
しかし収入に対して返済額の割合が多いと、金融機関から融資をしてもらえない可能性があります。実際に選ぶ時は金融機関とよく相談しながら、どちらの返済方法にするか選ぶようにしましょう。
【住宅ローン】できるだけ低い金利で借りるには
返済方法以上に、住宅ローンの返済に影響を与えるのが金利です。金利はわずかな違いで、月返済額はもちろん支払い総額に大きな違いが現れます。次の表は金利の違いによる月返済額や、支払総額の違いを表したものです。
※金利が変わらなかった場合の試算
現在は低金利時代と言われていますが、そうした中でもいかに低い金利で借りるかが長期的な家計においては大切です。最後に、できるだけ低い金利で借りる方法を2つ紹介します。
【住宅ローン】低い金利で借りる方法1. 変動金利タイプを検討する
住宅ローンには「変動」「固定」「期間選択」の3つの金利タイプがあり、金利が低いことの多い「変動」を選ぶと返済額や利息を抑えられます。
ただし変動タイプはその名の通り借入期間中に金利が変わる可能性があるため、余力を持った月返済額にするなどの配慮が必要です。
※参考:みずほ銀行「みずほ住宅ローン金利一覧」
【住宅ローン】低い金利で借りる方法2. 提携金利を活用する
もう一つ金利を低く借入するのに知っておきたいのが、提携金利です。
これは特定の住宅会社と金融機関が提携し、その住宅会社で建てる人には特別に低い金利の住宅ローンを用意するものです。
この提携金利は建てる人の多いハウスメーカーや、一定規模以上の地域ビルダーなどに金融機関が持ちかけることが多く、よりたくさんのお客さんを紹介してもらうための施策です。
もちろん提携金利だけで家づくりを頼む相手を決めるべきではありませんが、もし気に入った住宅会社で使えるなら大いに活用すべきです。
このように住宅ローンは表面的な金利だけでなく、その他の条件も十分に理解して選んだ方がより有利な返済になります。
金融機関のサイトに掲示されている金利だけでなく、さまざまな角度からどんな住宅ローンを借りるか検討するようにしましょう。
参考資料
・住宅金融支援機構「返済額の試算」
・みずほ銀行「みずほ住宅ローン金利一覧」
LIMO
最終更新:5/22(日) 19:36
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