個人投資家の皆さんは株式を買う銘柄を選ぶうえで、何を基準に選ぶでしょうか。
配当利回りや優待の内容、バリュエーションの水準など、様々かと思います。
なかには、「優待さえもらえていれば、株価はあまり気にしない」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
株式投資のリターンは、株価変動、配当金、優待の全てが影響します。
どんなに優待内容が魅力的で、配当金を多くもらえていても、株価が大きく下落してしまえば、その分リターンは減少してしまいます。
この記事では、日本電産 <6594> の株式投資に関して、「1年前に100株買っていたら、本当のリターンはいくらだったのか」について検証してみます。
まずは、配当金からリターンを紹介していきます。
1. 日本電産の配当金はいくらだったのか
日本電産の株式を1年前の2021年5月10日に終値(12,490円)で購入した場合、受け取る配当金は2022年3月期の中間・期末配当となります。
ちなみに配当金のリターン計算に関して、権利が確定した時点でリターンを計上したと想定します。
日本電産の2022年3月期の中間配当は30円、期末配当は35円でした。
この場合、日本電産の配当金のリターンは100株ベースで6,500円となります。
なお、日本電産は配当金について、増配基調を維持している銘柄となります。
2. 日本電産の株主優待はどのくらいの利益と計算できるのか
日本電産は、毎年3月31日または9月30日現在で株を保有している投資家に優待を提供しています。
100株を1年間保有した株主が受け取れる優待は、以下となります。
2.1 3月の株主優待(1株以上保有の全ての株主)
・日本電産サンキョーオルゴール記念館すわのねの無料入館リーフレット
・来館時5,000円以上の商品を買った場合、10%の割り引き
サンキョーオルゴール記念館すわのねについて、入館料は大人1000円(小中学生500円)ですので、まず入館料1,000円が無料となります。
加えて、5,000円の商品を購入した時の割引額は500円であるので、今回受け取る株主優待の経済価値は1,500円と計算できます。
よって、優待のリターンは1,500円と想定します。
3. 日本電産の株式投資のトータル・リターンはいくらとなったのか
1年前の2021年5月10日の終値は12,490円で、1年後の2022年5月10日の終値は8,315円でした。
100株買った場合の株価変動に伴うリターンは、-417,500円と計算できます。
40万円以上の損失となってしまいました。
配当金のリターンが6,500円、株主優待のリターンは1,500円なので、株価変動、配当金、優待の全てを加味した総合的なリターンは-409,500 円(年率-32.8%)となりました。
4. 日本電産の2022年3月期の業績
最後に、日本電産の2022年3月期の業績を振り返ります。
売上高は1,918,174百万円(前期比18.5%増)、営業利益は171,487百万円(同7.2%増)となりました。
2割近い増収について、家電向けコンプレッサや空調機器向けモータ、欧米での搬送用ロボット向けモータ及びギアのほか、新たに参入した機器装置製品の販売が好調だったことが大きく寄与しました。
5. まとめにかえて
1年前に日本電産の株式を100株買った人の総合的なリターンは-32.8%と計算されました。
優待や配当金がありながらも、40万円以上の損失となったキャピタルロスが大きな重しとなり、総合的なリターンも同様に40万円以上のマイナスとなりました。
日本電産は、永守氏がCEOに復帰するなど、直近で大きな動きが見られた銘柄です。
業績や配当金、株価の動向など、今後も注意して見ていきたいです。
参考資料
・日本電産株式会社 株主・投資家情報
・日本電産株式会社 配当情報・株主還元
・日本電産株式会社 株主優待
LIMO
最終更新:5/17(火) 6:16
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