IDでもっと便利に新規取得

ログイン

『山下智久』を学者が「唯一無の存在」と絶賛する、驚きの理由

12/6 8:01 配信

マネー現代

(文 柿谷 浩一) 前回の「学者が絶賛…! 山下智久が「奇跡の俳優」と言われる驚愕のワケ」に引き続き、早稲田大学で大人気のポップカルチャー研究者である柿谷浩一氏が、アイドル、俳優、歌手の枠を超えて進化し続ける山下智久の「圧倒的な存在感」について論じた。

対比を生きる山下智久

 この写真集には、無数の「対比」が散りばめられている。表紙の帯写真を含めて、本を包む装丁デザインもシンプルな「白と黒」。中に入ると「モノクロ/カラー」写真が反復されて、そこでの主要テーマは、山下智久という生身の「人間/自然」。

 その中に「光/陰」「明/暗」「静/動」「温/寒」「全体/部分」「大/小」「直線/曲線」「屋内/屋外」「縦/横」「左/右」「柔らかさ/硬さ」、他にもカラー写真の原色の対照など、細かなコントラストが多く存在する。

 一枚あるいはひとつのパートで複数が交錯し、組み合わされることも少なくない(そうした点からすれば、どちらか一方に拠ったような分析は必ずしも有意義ではないのだが、それでも言っておくべきことはある。以下そのスタンスでの考察も含む)。

 大事なのは、なぜこれほど多くの「対比」で山下智久を切り取る必要があるのかだ。その意味と理由を少し考えてみたい。別章で書くことにも重なるが、彼はもともと二面性を強くはらんだ存在である。

 興味関心やチャンス、とりわけ夢の実現とそのためのスキルアップに対しては誰より〈アクティヴで情熱的〉だが、他方で〈冷静で知的なクールさ〉も併せ持つ。外からみえる肉体は徹底的に鍛えられ〈強く頑丈〉だが、その中身は誰より〈謙虚で思慮深くて繊細〉。

 最近の活動でいえば、語学力をつけ「日本語/英語」を使い「日本/海外」を横断し「役者/歌手」を極めるべく格闘している。さまざまな面で、彼は相反する〈二つ〉を往還し、時にそのギャップで人々を魅了してみせ、表現を差し出しいく。

 そのどちらもが山下智久であって、それを区分けすることは意味がなく、むしろ彼の全体を捉え損ねかねない。

 そう考えてくると、この写真集で無数の「対比」で照らされた彼は、何か一方の面や性格で自分を決めつけてほしくない、と主張しているようにも解釈できなくもない。もっと言えば、そうした既に決められた図式に収まらないために、既存ではない新しい“境界線”を見つけようとしているとも読み取れる。

 自己を縁取って支えているものが何で、他に新しい何がありうるのか。それは、自分の置かれた「立場・肩書き・状況・境遇・運命」を見つめ直し、拡張・更新してゆく冒険的な実践である。

 別でも少しふれるが、山下智久の身体のシルエットの数々を見ていると、彼という存在を象る「輪郭」であるはずのものが、彼の触れる自然や空間に溶け込んで揺らいだり、別の印象で立ち現れたりする経験を何度もする。

 独立してグローバルに展開を始めたいま、彼はまさに変わろうとしている。自身の理想や方向性のもと、これだと目指す変化もあるだろう。でも、それにこだわらない柔軟性を持つのも山下智久だ。

 どう変わるか分からないし、どうにでも変わりえる。周囲の環境や関わる人々によって、もたらされる変化も楽しむように受け入れていく。

 そこには、私達(大衆)から自分がどう見られイメージされるかも含まれる。そうしたあらゆる「変容」の可能性とそこへ向けた期待や希望が、写真集の《対比を生きる山下智久》には体現されているように感じるのだ。

 最新作『beautiful World』のサビも、「We can change everything」だった。このeverythingには彼自身も含まれるはずだ。主語はWe。同じ変化と希望を歌った『CHANGE』のサビで強調されていた「僕が変えよう」から進んで、皆が「好きなように」変えていって構わない、というメッセージにも聴きとれる。

 そうした意味で、写真集の対比は、彼の強靭な「自己確認」の意志と、自分自身を世界へ開いて、いま一度「再定義」しようとするビジョンが必要とした手段構成なのかもしれない。

 「剥き出し」に自分を皆(大衆)へ差し出す。それは想像以上に勇気がいること。〈変化〉にしなやかで、それでいて気概のある山下智久の像は、じつに刺激的だ。

マネー現代

関連ニュース

最終更新:12/6(月) 8:01

マネー現代

投資信託ランキング

Yahoo!ファイナンスから投資信託の取引が可能に

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング