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投資家300人に聞いた「法人化のタイミング」、家賃年収がいくらの時?《楽待新聞》

12/3 19:00 配信

不動産投資の楽待

不動産投資をするにあたって「法人化するべきかどうか」や、「法人化するべきタイミングはいつか」は関心の高いテーマの1つだろう。法人化した投資家は、いつ、どんなタイミングで法人を設立し、どのような点でメリットやデメリットを感じているのだろうか。楽待新聞編集部では、不動産投資家約330人にアンケートを実施。「法人化」の実情を探った。

※アンケート実施概要
調査時期:2021年11月15~22日
有効回答数:334人

■「法人化している」は3割

そもそも法人化している不動産投資家の割合はどのくらいなのだろうか。

収益物件を保有している288人のうち、「法人化している」と答えた人は全体の35%だった。「法人化していない」が65%と上回った。

では、投資家はどんなタイミングで法人化しているのだろうか。法人化している人を対象に、家賃年収がいくらのタイミングで法人化したかを尋ねたところ、法人化している人の3割は「最初の物件を購入する前」と回答した。

物件購入後に法人化したタイミングをみると、家賃年収が「400万~700万円」が17%、「100万~400万円」と「700万~1000万円」がそれぞれ9%、「100万円未満」が5%だった。家賃収入が1000万円以下の段階で法人化した人が約4割となった。ただ、家賃収入が1000万円を超えてから法人化する人も約3割いる。「1000万~1500万円」は13%で、「2000万円以上」も11%となっている。

■所得税と法人税の関係

不動産投資家が法人化する大きな理由の1つとして「節税」が挙げられる。個人の所得税は所得が大きくなればなるほど税率が高くなる「超過累進税率」だ。所得税の税率は、5%から45%の7段階に区分されている。課税所得が4000万円を超えるまで段階的に引き上げられ、最大で45%の税率がかかる。

個人の所得税率が所得金額に応じて高くなるのに対して、法人税は所得が800万円を超えると税率が一定で、最大で23%ほど。これは個人の所得税でいうと、所得が「695万円以上900万円未満」の時と同じ税率だ。個人所得が900万円以上になると、所得税率は33%に跳ね上がる。

サラリーマンなどで給与収入がある場合、家賃収入が加わることで所得税率が上がる可能性もある。このような場合には、不動産投資の所得を法人に移すことで、低い税率に抑えることができる。

アンケートでも法人化の理由として、節税を挙げる声が多かった。「サラリーマンの年収が1000万円を超えているので、法人化しないと税金が多い」、「個人事業の賃貸業が大きくなり、税額負担を勘案した」といった回答が寄せられた。

法人化は、所得税だけでなく相続税の節税になるという側面もある。家賃収入をすべて法人の収入とすることにより、個人の財産が増えるのを抑制し、相続税も抑えられる。

■実際のメリット・デメリットは
法人化することで、ほかにはどんなメリットがあるのだろうか。また、デメリットとしてはどんなことが挙げられるのだろうか。投資家たちが実感した法人化のメリットやデメリットについて、アンケートから一例を見てみよう。

●法人化して感じたメリット 

・旅費、車の維持費などの経費を計上しやすい(40代/茨城県/9棟54室)

・家族に役員報酬を支払える(40代/福岡県/3棟、区分3戸)

・創業融資も受けることができたので資金調達で有利だった(40代/東京都/1棟、区分3戸)

・信用が上がり、融資が受けやすくなった(50代/東京都/アパート1棟、区分1戸)

・個人に比べ、健康保険料を抑えられる(60代/大阪府/1棟、区分1戸)

・短期保有でも売却時の税金が安い(60代/茨城県/11棟、戸建て9戸)

・赤字を繰り越せる期間が最大10年と、個人事業主より長い(40代/東京都/3棟、戸建て1戸)

税金面以外では、「経費計上のしやすさ」を挙げる回答が目立った。また、健康保険料の違いを挙げる人も。サラリーマンを辞めるなどして専業大家になった場合、家族の人数や収入によっては、国民健康保険に加入するよりも、法人化して社会保険に加入した方が保険料が安くなるためだ。

法人化のメリットを実感している投資家も多いが、デメリットを感じている部分もあるようだ。

●法人化して感じたデメリット

・税務処理や会計処理が複雑になり、税理士に頼まないといけないので、経費が余分にかかる(50代/愛知県/4棟)

・確定申告の手続きが大変(50代/東京都/3棟、区分7戸)

・引越しのたびに法人登記を変更する必要がある(30代/新潟県/4棟、テナントビル1棟、戸建て6戸)

・まだ1期目で売上も小さいのでメリットを感じられないこと(30代/岩手県/木造アパート1棟、区分10戸)

法人化のデメリットとしては、税務処理などが複雑になることや、税理士などの専門家に支払う費用の増加を挙げる声が圧倒的に多い。法人化に伴い事務処理のコストは増えたにもかかわらず、期待した節税効果が得られないケースもあるようだ。不動産投資の規模などによっては「法人化してはみたものの、特にメリットがない」ということもありそうだ。

■法人の種類は「合同会社」が多数派

不動産投資家が法人化する場合、法人の種類は何を選んでいるのだろうか。株式会社よりも設立しやすい合同会社などの選択肢もある。

アンケートでは「株式会社」が40%、「合同会社」が47%と、合同会社を選んだ人の方が多かった。このほか、会社法が施行される2006年までは設立できた「有限会社」も9%あった。そのほかに、複数の法人を持っていて、それぞれ違う種類の法人にしているケースもある。

どのような基準で法人の種類を決めているのだろうか。株式会社と合同会社を選んだ人の理由を見てみよう。

●株式会社を選んだ理由

・銀行からの融資が受けやすいと思ったから(50代/愛知県/4棟)

・相続を含めた事業継承の容易さや選択肢の多さから(40代/茨城県/9棟54室)

・株式を年間110万円の範囲内で子供に贈与するため(50代/長野県/7棟54室)

●合同会社を選んだ理由

・合同会社は設立費用が安いから(40代/福島県/2棟、戸建て1戸)

・起業までに時間が無かったため(60代/千葉県/2棟25室)

・株式会社は設立費用が高く、報告書などの作成が面倒だから(50代/宮城県/6棟124室、区分6戸)

合同会社を選んだ人の多くは、設立費用の安さをその理由に挙げた。また、株式会社は決算内容を官報などに載せて広く一般の人に知らせる義務があるのに対し、合同会社にはそうした義務はなく、その分の費用もかからない。こうした手軽さから合同会社を選ぶ人も多い。

一方、株式会社は、合同会社などに比べて社会的な信用力が高いと考えて選ぶ人が多い。また、子供などへの相続を見据えて、株式会社を選ぶ人もいる。株式会社の場合、株主が死亡すると株式は相続人が相続する。合同会社の場合、定款で相続について定めた場合を除き、出資者が死亡すると合同会社を退社したことになり、出資金は相続されない。出資者が一人しかいない場合、合同会社は解散して清算される。

■法人名にまつわるエピソード

最後に、不動産投資家はどのように法人名を決めたのか。アンケートの回答から、不動産投資家らしいエピソードをいくつか紹介しよう。

●法人名の由来

・最初に購入した記念すべき物件の名称を付けた(50代/東京都/3棟、区分7戸)

・両親が建てた一番大きな物件名から取った。物件がなくなっても、事業のルーツを子や孫の代にまで伝えていきたい(40代/茨城県/9棟54室)

・関係する人みんなと繋がり三方よしになりたいという思いを込めた(30代/埼玉県/アパート1棟、戸建て1戸)

・実家の小売店の名前をつけた。店を継ぐことは出来なかったけど、名前だけは継ぐことができた。親は喜んでくれた(50代/千葉県/7棟)

・祖母がアパート経営をやっていたので、そのアパートの名前をドイツ語にした(40代/東京都/3棟、戸建て1戸)

・入居者が安心して過ごせる借家となるようにとの意味を込めた(50代/広島県/8棟、戸建て2戸)

思い入れのある物件から名前をとったり、不動投資をする上での思いを込めたり、法人名にこだわったという人も。このほか、自分の名前や家族の名前から付けたという人も多かった。



関心を持つ不動産投資家も多い「法人化」だが、今回のアンケートでは、すでに法人化している人よりも、まだ法人化していない人の方が多い結果となった。また、すでに法人化している人は、節税や融資など複数のメリットを実感している一方、専門家に決算事務などを依頼するコスト増などをデメリットと感じている人も多い。

これから法人化しようと考えている人は、自身の不動産投資の現状や今後の見通し、法人化する目的などを今一度整理した上で、法人化のタイミングや法人の種類について、ベストな選択をしてほしい。

不動産投資の楽待

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最終更新:12/3(金) 19:00

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