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オミクロン変異株で世界はどうなる? 外為オンライン佐藤正和氏

11/30 11:08 配信

サーチナ

 新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン」の登場によって、それまでの金融マーケットのトレンドが一変している。為替市場は急激な円高に振れ、株式市場は大きく売られ、債券は買われた。オミクロン変異株の登場によって、12月相場はどうなるのか。外為オンラインアナリストの佐藤正和さん(写真)に12月の為替相場の動向をうかがった。
 
 ――「オミクロン株」が注目されていますが、為替市場への影響は?

 南アフリカ等で発見された新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」は、まだその存在が発表されて間もないために、ほとんどその実態がわかっていません。30数カ所の変異があり、従来のワクチンが効果を発揮できない可能性や1度感染した人でも再感染する可能性が指摘されていますが、その一方で症状が軽いという報告もあります。

 今回は政府の対応も早く、11月30日午前0時をもって外国人の入国を禁止する措置に踏み切りました。それだけ高い警戒感を持たれていますが、手強いパンデミックになるかどうかは、もう少し様子を見ないとわからないと思います。

 とはいえ、このニュースが世界中に流れた途端に、ニューヨーク株式市場は1000ドル以上下落し、為替市場も1ドル=114円台から一気に113円05銭まで円が買われました。恐怖指数といわれる「VIX指数」も10ポイント以上も上昇して28ポイント台をつけました。今のところ、オミクロン株の内容がはっきりしていないために、金融マーケットも戸惑いを見せている状況と言って良いでしょう。

 ――オミクロン株次第ではありますが、12月はどんな相場になるのでしょうか? 

 新型コロナウィルスのワクチン製造で先行したファイザーやモデルナは、いち早く新たな強敵に対してどの程度のワクチン効果があるのか、すでに検証に入っていると報道されています。たとえばモデルナは、感謝祭の25日の早い時間に数百人のスタッフを動員し、既存のワクチンが「オミクロン」株に有効かどうかを突き止める作業を始めたといわれています。

 仮に既存のワクチンの効果が低いとしても、オミクロン株に対抗できるワクチンを、来年の早い時期に供給できる見通しだとも示唆しています。すでに経験したことのある状況に対して、世界中が素早く対応しており、ひょっとしたらそんなに悲劇的になる必要は無いのかもしれません。

 とはいえ、金融マーケットは米国経済の回復を背景に、労働市場の復活やインフレに対する懸念で「リスクオン」の状況が続いてきました。12月は引き続き米国の雇用統計などの景気指標に注目が集まります。12月14日-15日に実施されるFOMC(米連邦公開市場委員会)にも注目が集まることになると思います。

 ――米国では2020年に3回の利上げがあるのではないかという予想も出ていますが?

 米大手投資銀行の「ゴールドマン・サックス」が、このまま順調に進めば米国の政策金利は、2022年6月の引き上げを皮切りに、9月、12月の計3回になるのではないかと予想しています。最もタカ派的な予想ですが、それだけアメリカの景気回復が進んでおり、インフレも一過性のものでは無いことを物語っているといって良いでしょう。ちなみに、11月30日には米上院議会で、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長とイエレン米財務長官の議会証言があり、そこでどんな証言がされるのかが注目されるところです。

 実際に、米国経済は順調に回復しており、たとえばFRBが重視している8月の「PCE(個人消費支出)デフレーター」は前年比4.3%に上昇しており、食糧とエネルギーを除く「PCEコアデフレータ―」も同3.6%。10月の「CPI(消費者物価指数)」でも前年同月比で6.2%となっており、FRBが目指していた2%のインフレ目標を大きく上回っています。

 また雇用市場の回復も堅調で、12月3日に発表される11月の雇用統計では非農業部門雇用者数は53万5000人増と予想されており、前回の53万1000人増とほぼ同水準で推移しています。これで、3ヶ月連続の50万人越えとなります。失業率も4.5%と改善する予想で、オミクロン株の影響を無視すれば、ゴールドマンサックスの予想もあながちとっぴなものではない、と言っていいかもしれません。

 ――円安が続いていた円相場ですが、オミクロン株ではどこまで円高に振れるのでしょうか?

 11月は円安が進みドル円相場は、1ドル=115円52銭まで円安が進みました。オミクロン報道によって、113円台まで急激に円高に振れましたが、仮にオミクロン株が予想を上回る感染力や重症度が高い場合、安全資産への投資として円が買われる可能性もあるとは思います。とはいええ、1ドル110円を割れるような円高に振れることは考えにくいのではないでしょうか。

 たとえば日銀の金融政策決定会合は、12月16日-17日にありますが、大きな変化は考えにくいと思います。ただ、オミクロン株が猛威をふるえば円買い材料になる確率が高く、世界的なパンデミックの進行状況では、ある程度の円高に振れる可能性はあると思います。

 ちなみに、現在の欧州は連日新型コロナウィルスの感染者数が多数出ており、再びロックダウンのニュースが流れるなど、寒い冬に入ったこともあって感染者数の増加が今後も予想されます。ECB(欧州中央銀行)は、来年3月には現在のPEPP(緊急買取制度)による債券購入プログラムの期限が来ますが、延長されることになるのではないでしょうか。

 ――12月相場の予想レンジを教えてください。

 毎年のことですが、12月の後半は欧米でクリスマス休暇に入る投資家が多くなるため、市場の流動性が少なくなり、変動幅の大きな値動きになる場合があります。とりわけ為替市場では、「フラッシュクラッシュ」と呼ばれる急激な市場変動が年末年始を中心に起こることが時々あります。あまり大きなポジションを抱えないほうがいいかもしれません。

 加えて、オミクロン株の出現で市場はボラティリティーの大きなマーケットになっている可能性が高く、月後半は特に注意を要する必要があるかもしれません。12月の市場レンジの予想は次の通りです。

・ドル円・・1ドル=112円-116円 
・ユーロ円・・1ユーロ=126円-132円 
・ユーロドル・・1ユーロ=1.10ドル-1.16ドル 
・英国ポンド円・・1ポンド=148円-155円 
・豪ドル円・・1豪ドル=80円-84円

 ――12月相場で注意する点を教えてください。 

 やはり、12月相場は全体的に乱高下しやすくなり、市場の急激な変動に備えることが大切だと思います。12月3日の米雇用統計や4日の米ISM製造業指数といった米国の景気指標の発表時にはニュースを注意深く見る必要があると思います。

 また年末年始は、市場流動性の縮小から思わぬ大きな価格変動があるかもしれません。ポジションを抑えて手堅い取引を心がけましょう。(文責:モーニングスター編集部)

サーチナ

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最終更新:11/30(火) 11:08

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