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通り魔に遭い「パニックになる人」と「そうでない人」には、意外な違いがあった…!

11/27 8:01 配信

マネー現代

(文 週刊現代) 恐怖に直面すると人間は判断力が鈍り、思いもしない行動を取るものだ。この瞬間にこそ、その人の本性が現れる。何も取り繕えない状況下で冷静さを失わずにいるためには、いったい何が必要なのか。

自分さえ助かればいい?

 「車両の中には過呼吸になって自力で歩けなくなっている人や、パニックに陥って泣いている人もいました。振り返ると、私はある程度冷静なほうだったのではないかと思います」

 こう語るのは東京都在住の吉田涼さん(34歳)だ。吉田さんは、10月31日に起きた京王線無差別刺傷事件で、服部恭太容疑者と同じ車両に乗り合わせていた。

 「恐怖で泣き叫ぶ人がいた半面、事態を飲み込んでどうすれば良いのか考えて対処しようとした人々もいました。先頭車両へ避難する途中、寝ている人や騒ぎに気が付いていない人に逃げるよう声をかけた人たちです。

 電車が国領駅のホームに着いてからも、私を含め数人が、窓からの脱出を怖がる女性や子供の避難を手助けしました」

 別の乗客が撮影した、事件発生時の車内を映した動画には、悲鳴を上げながら、ときに前の人を押しのけ、我先にと逃げ惑う人々の姿が記録されている。走行中の電車内という密閉空間で通り魔に遭遇した際の恐怖の大きさを物語っている。

 命が危険に晒される、極めて深刻な状況であるのは疑いない。多くの人が我を失い、他人のことなどお構いなし、誰かを押しのけ、踏みつけてでも、自分だけは助かろうとするのが当然だ。

 しかし、そうした極限の状況下でも、泣き喚いてパニックに陥る「子供の振る舞い」ではなく、冷静な判断力を残し、最善に近い「大人の行動」を咄嗟に取れる人がいる。

 いったい、何が緊急時の行動を分けるのか。吉田さんが振り返る。

 「一度は容疑者からナイフを取り上げるために向かっていこうかとも考えました。しかし、車内では火災が起きていたため、相手に向かっていくのは厳しいと瞬間的に思ったのです。それで、まずは女性や子供を守ることに集中しました。結果的には、この判断が良かったのだと思います」

 だが、車内にいた多くの人がそうだったように、実際には危機に直面したときに冷静さを保ちながら行動することは難しい。

 京都大学医学部教授で、精神生理学が専門の十一元三氏が解説する。

 「人体は危険に直面すると、交感神経を刺激するノルアドレナリンという物質を副腎から放出します。これは血圧や心拍数を上げて、体を興奮状態に導くホルモンです。同時に筋肉への酸素の供給量が増えます。

 また、脳の内側にある扁桃体という部分も活発化します。すると、脳内で思考を司る領域の働きが低下し、感情を司る領域が活性化する。強い恐怖を感じたときに正常な判断力が失われるのは、このような人体の機能があるからです」

 つまり、非常時に人間は、限りなく「本能」のみに突き動かされる状態になる。危機に瀕しては人の本性が現れ、まさしく人間としての真価が問われるということだ。

 咄嗟の反応が本能であるなら、どうしようもないのではないか……。

 実は、そうではない。極限状況で恐怖に打ち克ち、「大人の行動」を取ることができた人と、そうでない人の間には、確かに「違い」があったのだ。後編の「通り魔に遭遇したときに、一般人が絶対に「やってはいけない」意外なこと」で実際に命の危機に直面した経験のある人の証言を紹介していこう。

 『週刊現代』2021年11月27日号より

マネー現代

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最終更新:11/27(土) 8:01

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