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ドイツ銀行の稼ぎ頭、シンガポールで年間数十億ドル儲ける「謎」の男

10/23 0:14 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 収益力の弱いドイツ銀行の稼ぎ頭は、フランクフルト本部から約1万キロ離れたシンガポールにいる。50代前半のチェタンクマル・シャー氏はメディアに登場することを好まない控えめな性格だが、アジアの富豪からインドネシアの複合企業まで多様な顧客を相手に複雑な金融取引を監督するチームを率いながら、ディストレスト債取引も手掛けている。

ウォール街での知名度は高くないかもしれないが、シャー氏のグローバルファイナンシング・クレジットトレーディング・グループは年間で推定30億ユーロ(約4000億円)を稼ぎ出していると、事情に詳しい関係者が明らかにした。この額は投資銀行部門全体の収入の3分の1に相当する。英国の議員に転じたサジド・ジャビド氏やソフトバンクグループの副社長となったラジーブ・ミスラ氏など、債券取引のベテランと働いた経験があるシャー氏のチームは、いまや大半の四半期において行内最高の収入を上げていると、関係者は匿名を条件に語った。

ドイツ銀行は数年前から変動の大きい事業の撤退に努めているが、それができていない状況を、シャー氏の重要性が浮き彫りにする。コスト削減で大なたを振るったクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は、収入拡大を目指してクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)トレーディング業務を復活させ、ベースメタル取引の再開も検討しているとされる。規制当局はすでに、同行がレバレッジド・ローンでとっているリスクについて懸念を表明している。

シャー氏の指揮の下、ドイツ銀は世界有数のクレジット・トレーディング・バンクという地位を固めた。同氏のチームが手がける事業には、長らくドイツ銀の強みであり続けているディストレスト債トレーディングのほか、金融危機後に多くのライバル行が手を引いた貸し出し事業も含まれ、これが成長分野としての役割を果たしてきた。

ドイツ銀の元共同CEOで現在はキャンター・フィッツジェラルドの社長を務めるアンシュー・ジェイン氏は、かつて10年以上共に働いたシャー氏について、「ドイツ銀行が文字通りゼロからマーケット事業をつくり上げるのに寄与したパイオニアの1人」だと表現。「数十年にわたって極めて優れたリスク管理を続けている実績もある」と述べた。

ジェイン氏のほか、同氏と共同でCEOを務めたユルゲン・フィッチェン氏、その後任のジョン・クライアン氏ら最高幹部の退職が相次ぎドイツ銀が混乱する中でも、シャー氏は安定している。クレジットチーム在籍の15年余りでCEOは6人代わったが、同氏は直近の6年にわたり責任者または共同責任者を務めている。

チームの活躍にもかかわらず、シャー氏は脚光を浴びることを好まない。この記事のためコメントや写真撮影を求めたが、同氏はいずれも拒んだ。リンクトインのプロフィルさえ作っていない。10年間机を並べて働いたバンカーにも、同氏は「謎」であり続けている。

インド生まれのシャー氏は、名門のインド経営大学院で成績優秀者3人に選ばれ、卒業時にメダルを授与された。ドイツ銀には1994年に加わり、ムンバイでインドの金利や国債のトレーディングを振り出しに、グローバル・クレジット・トレーディングの責任者に上り詰めた。

原題:Deutsche Bank’s Top Money Maker Reaps Billions From Singapore(抜粋)

(c)2021 Bloomberg L.P.

Bloomberg

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最終更新:10/23(土) 0:14

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