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有楽町駅「大人の街の玄関口」が秘める未来予想図 相鉄から直通運転・高架道路廃止でどう変わる?

9/25 6:31 配信

東洋経済オンライン

 有楽町駅は1910年の開業の長い歴史を持つ。東京駅より古いが、最初から通勤輸送のための駅であり、そのまま大きな変化もなく110年以上、続いている。

■ヒット曲で高級感が定着

 今の有楽町のイメージは、東側の銀座方面へと続く商業地と、西側の日比谷方面へと続くオフィス街、そして劇場や映画館が多いエンターテインメントの街といったところ。北側には総合文化施設の東京国際フォーラムもあり、最寄り駅の1つだ。有楽町駅から徒歩圏内にある「銀座」「日比谷」あるいは「丸の内」などのブランド力も強く、地下鉄が密集する地域でもあるから、山手線有楽町駅の印象は相対的に低い。

 戦後の復興期を経て、大型商業ビルとして1957年に完成したのが読売会館だ。これに入居したのが、そごうの東京進出第1号店である有楽町そごう(現在のビックカメラ有楽町店)である。そして、この店のコマーシャルソングとして作られたのが、フランク永井の『有楽町で逢いましょう』なのだ。そごうによる「有楽町高級化キャンペーン」の一環である。

 この曲が大ヒットしたおかげで、有楽町が一気に著名になったと言ってもよいだろう。その功績から歌碑も建てられているが、場所はなぜか読売新聞ともそごうとも縁がない、数寄屋橋側に近い有楽町マリオンの前。企業キャンペーンの域を越え、街全体のイメージソングとなったためと解しておこう。

 続いては1965年に東京交通会館がオープン。隣接地も同時に再開発計画が進められたが、こちらは権利関係などから着工が遅れに遅れ、有楽町イトシアとしてオープンしたのは2007年になった。

 なかなか一筋縄には行かない再開発計画は、2018年に東京ミッドタウン日比谷が完成。その隣接地にあった東宝ツインタワービルが2019年12月に閉館し2023年オープン予定の新ビルへと建て替えられ、「TOKYO2020」閉幕後、駅の北東側にある東京スポーツスクエアが今後、どうなるか見通しがつけば、一段落というところだ。

■有楽町は「おしゃれ」な街

 家電量販店も若者向けのマルイもあるが、令和の世の有楽町のイメージは「高級」「おしゃれ」でよいと思う。それこそ『有楽町で逢いましょう』以来の戦略が、企業の垣根を越えて実を結んでいる。その分、遊んだり、ショッピングを楽しむには、お金が掛かる街でもある。帝国劇場、日生劇場、東京宝塚劇場も、日本で言う「商業演劇」の劇場であり、チケット代に価値を感じないと縁遠い存在になってしまうところである。

 統一料金の映画なら、庶民感覚で楽しめる。戦前からの伝統で映画館は再開発ビルにも多数入居しており、なかんずく東宝グループの東京における本拠地でもある。その中心は「ゴジラスクエア」だ。有楽町へ行けば、好みの映画が見られる環境は、もっとアピールしていい。ただ、演劇も映画も大手エンターテインメント産業の傘下にあり、若者が集まり新しい文化が生まれる下北沢などとは様相が違う。

 飲食店も、JRの煉瓦積みの高架橋下などには気軽な店がそれなりに集まっており、雑然とした雰囲気もあるが、やはり洗練された店が多い印象。ただ、相対的に東京交通会館や東京高速道路の下の銀座インズなどのショッピング街が、昭和中期のオープン当初の面影を残しており、懐かしさを感じる。東京では最後の1軒であった東京交通会館の回転レストランが、2020年12月に回転を止めてしまったのが惜しい。

 こうして見回してみると、全世界的に著名な銀座に隣接しているとはいえ、有楽町は有楽町で、池袋や渋谷の立ち位置にも近い副都心としての機能を持ち合わせている街だと改めて思う。ただ、乗り入れている鉄道がJR東日本以外は東京メトロ、東京都交通局(日比谷駅)だけで、大手私鉄の路線が入っていない分、開発事業やPRの面で損をしている。

 次なる機会は、相模鉄道と東急目黒線、そして都営地下鉄三田線の相互直通運転が始まる時だろう。2022年度下期が予定されている。これによって、日比谷駅まで相鉄の電車が直通してくる。

 小田急電鉄は、代々木上原―登戸間の複々線化が完成し、東京メトロ千代田線との直通運転が強化された際、世田谷区内と六本木・赤坂方面との結びつきをアピールした。当然、相鉄も、都内の集客力があるエリアとの結びつきをアピールするであろう。

 小田急も千代田線日比谷、東武スカイツリーラインは日比谷線日比谷、西武・東武は有楽町線有楽町へ直通してきている。コロナ禍が納まった後、利用促進策の1つとして有楽町エリアに着目した施策もよいかもしれない。関東には鉄道路線がない、阪急阪神東宝グループとの連携が見られると面白いのだが。

■空中回廊整備の構想

 ほぼ完成を迎え、再開発を控えたほかの駅前の未来図であるかのような有楽町だが、今後、注目される変化としては、東京高速道路の廃止と跡の利用がある。

 この道路は首都高速道路の路線ではなく一般自動車道で、東京高速道路株式会社によって運営されている。高架道路の下が銀座インズや西銀座デパートなどのショッピング街で、テナントからの賃貸料収入によって、この道路だけ(汐留―白魚橋間)を利用する場合は無料で通行できる。

 現在、首都高速道路都心環状線の日本橋付近の地下化に関連し、西銀座から京橋にかけて新たな道路トンネルを建設し、東京高速道路を廃止、今は通れない大型車を通行可能とする計画がある。ただ道路が廃止されても、テナントへの影響が大きいため構造物自体は残る。そもそも不動産賃貸業としては健全経営だ。そのため東京都は、道路跡地を緑地化し歩行者専用の「空中回廊」とする構想を立てている。

 この構想が実現すると、近くに日比谷公園はあるものの緑に乏しい有楽町駅前の、銀座地区との境にグリーンベルトが出現する。完成は2030~2040年代が想定されていて、楽しみなところだが、まだかなり先の話ではある。しばらくは、おしゃれで高級な有楽町であり続けるだろう。

東洋経済オンライン

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最終更新:9/25(土) 6:31

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