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超一流の営業マンが、「おいしい話」に絶対に近寄らない理由

9/25 6:01 配信

ダイヤモンド・オンライン

 プルデンシャル生命保険で「前人未到」の圧倒的な業績を残した「伝説の営業マン」である金沢景敏さん。営業マンになった当初はたいへん苦労しましたが、あることをきっかけに「売ろう」とするのをやめた結果、自然にお客様から次々と「あなたからサービスを買いたい」と連絡が入るようになりました。どうすれば、そのような営業スタイルを作り上げることができるのか? 本連載では、金沢さんの初著作『超★営業思考』を抜粋しながら、その「秘密」をお伝えしてまいります。

● 「やり方」がわからないときは、 まず成功者のマネをする

 どうやって、経営者とのコネクションをつくるか?

 これが、生命保険の営業マンである僕にとって最大の課題でした。

 ただ、当初、その方法は皆目わかりませんでした。こういうときには、成功している人のマネをするのが早道ですから、僕は、いろいろな企業の経営者とコネクションをつくることに成功している営業マンのやり方から学ぶことにしました。

 彼らには、ひとつの「定石」があります。

 税理士と組むのです。ほとんどの会社には顧問税理士がいて、“お金まわり”の意思決定に関して、社長に対して強い「影響力」をもっています。

 例えば、税理士が「資金繰りや相続対策もかねて保険に入りましょう。ついては、信頼できる営業マンを紹介しますよ」と言えば、多くの社長は「その営業マンから話を聞いてみよう」と考えるはずです。このように、税理士の「影響力」を借りることで、社長とのコネクションをつくっていくわけです(もちろん、営業マンは税理士に紹介料を支払います)。これを、保険業界では「税理士マーケット」というのですが、これは、たしかにきわめて合理的な営業手法だと思います。

 だから、僕は、早速これを試してみました。

 いろいろな税理士に会いに行って、「誰か社長さんを紹介してもらえませんか?」と依頼。実際に紹介していただけたこともありました。だけど、このときに、税理士と組むことに対して、ものすごく大きな違和感を覚えたのです。

● 自分が「正しい」と思うことしか、 やってはいけない

 いや、はじめから違和感を感じていました。

 というのは、紹介していただく社長に、初めて会いにいくときに、「会社の決算対策のために、このプランでいきたい。保険料はこのくらいがいいと思う」と、かなり高額の保険料を税理士が口にしたからです。

 「えー、それはおかしいやろ」と思いました。

 だって、保険の営業をするのは僕です。その僕が、依頼主である社長さん本人に会う前に、おすすめするプランを“決め打ち”するのは明らかにおかしい。じっくりと社長の話を伺ったうえで、そのニーズに応えるプランを提案するのが僕の仕事です。だから、そのときは「まぁ、とにかくお会いしましょう」とはぐらかしました。

 そして、実際に社長の話を聞くと、税理士が提案する保険料は、その会社にとってリスクがあると思いました。

 というのは、たしかに、その会社の売上・利益は上がっていましたが、キャッシュが少なかったからです。その会社は製造業だったので、キャッシュの「出」と「入」のタイムラグがすごくある。しかも、在庫も抱えなければならないから、実際にキャッシュが入ってくるタイミングも完全にはわからない。

 だから、税理士が提案するような高額の保険料を、そのタイミングで出してもらうのは、一時的な決算に対する効果は大きいかもしれませんが、それゆえに経営上のリスクを負わせるのは間違っていると思ったのです。

 社長にも、そのことを率直に伝えました。

 すると、社長も同意され、最終的には、税理士が口にした保険料よりも減額した金額で契約することで話はまとまりました。

 しかし、それに、税理士は強い不満をもっていました。社長との面会が終わったあとに、税理士にこんなふうに文句を言われたのです。

 「どうして、金額を下げたんですか? あなたの話はよくわかるけれど、あの会社のキャッシュフローを見ているのは私です。ちゃんと見てるんだから、私が言った金額でやってくれ」

 そして、その後の一言が、僕には衝撃的でした。

 彼は、こう言ったのです。

 「そうじゃないと、私の取り分が減るじゃないですか」

 こんなことを言う税理士は、まずいないと思います。たまたま、僕がそういう税理士と組んでしまったということです。しかし、このときの違和感は僕にとって決定的でした。反射的に「この税理士と組むのはやめよう」と思いました。

 「目の前」のお客様にとってよいサービスをすることで、お互いにプラスになるようにするのが営業マンの仕事です。

 だけど、自分の利益のために、「目の前」のお客様から「もっと大きなものを取ろう」という発想は、僕のなかではありえない。そして、自分が「正しい」と思うことしかやらない、というのが僕のなかの鉄則。だから、僕は、その場で、税理士に「この話は断ります」と伝えたのです。

● 仲介者に頼ると、 生殺与奪権を握られる

 そして、結局、僕は「税理士マーケット」には近づかないことにしました。

 もちろん、何度も言いますが、あのような思考の税理士はきわめて稀だと思います。それに、僕の周りにいる「税理士マーケット」を得意とする営業マンにも、あのような思考で仕事をしている人は皆無です。誰もが、お客様にとってよいサービスをすることを真剣に考えてやっています。

 だけど、僕には向いていないと思ったのです。

 なぜなら、「紹介者」のほうが、「紹介してもらう人」よりも立場は強いからです。つまり、「税理士マーケット」で仕事をする限り、主導権を握るのは税理士だということです。まずこれが、“我の強い”タイプである僕には向いてない。自分の仕事は、あくまでも自分の舵取りで進めていきたいと思ったのです。

 それに、下手をすると、税理士がお客様になってしまいかねないとも思いました。

 有力な税理士と組むことができれば、それだけ大きな契約をお預かりする機会が増えるでしょう。正直、それは喉から手が出るほどほしいものです。でも、だからこそ危ない。

 有力な税理士と組むことによってもたらされる「味」を覚えてしまったら、その税理士との関係を良好なものにするために、本当のお客様であるはずの社長ではなく、その税理士をお客様として扱うようになってしまいかねません。僕は「自分の弱さ」をよく知っているだけに、そうなってしまうのが怖かったのです。

 だから、僕は、営業活動で税理士とは組まないと決めました。

 世の中の税理士さんたちを信用しないからではありません。実際、僕は立派な税理士さんをたくさん知っています。そうではなく、「自分の弱さ」を知っているからこそ、あえて「税理士マーケット」からは距離を置こうと決めたのです。

 そして、この決断は正しかったと思っています。

 自力で経営者などの富裕層とのコネクションを築いていくのには、それなりの工夫と努力が求められましたが、それができるようになったときには、社会的な影響力をもつお客様との間に、税理士など第三者の介在しない強固な「二者間関係」が生まれるからです(もちろん、紹介料を支払う必要もありません)。

 これが、営業マンとしての「強さ」を生み出してくれます。第三者を通してお客様と関係値を築く場合、仲介者との関係性を傷つけたら、その先にいるお客様との関係性も失うことになってしまいますから、いわば、仲介者に生殺与奪権を握られているようなものだからです。

 しかし、数多くの有力なお客様と、一対一の人間同士の信頼関係を築くことができれば、それを第三者に壊されることはありません。そこに生まれる「強さ」を手に入れることには、大汗をかくだけの大きな価値があるのです(詳しくは、『超★営業思考』に書いてありますので、ぜひお読みください)。

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最終更新:9/25(土) 6:01

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