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みずほフィナンシャルグループに対し、金融庁が検査の最中に「業務改善命令」の異例

9/24 5:01 配信

東洋経済オンライン

 検査は途中だが行政処分を出す――。

 今年に入ってからシステム障害が続発しているみずほフィナンシャルグループに対し、当局が異例の措置をとった。

 9月22日、金融庁はみずほ銀行とみずほフィナンシャルグループに対して業務改善命令を出した。年内をめどに、みずほが行うシステム更改や更新の計画について、必要性や緊急性を再検証・見直すよう求めている。それでも実施が必要な案件は、顧客対応などを含めた管理体制の確保が求められる。

 これらの計画について、10月29日までにみずほが金融庁に提出することになっており、「報告された計画や内容に対して必要な確認や検証をし、言うべき部分があれば指摘、やり取りをしていく」(金融庁)。計画の実施やシステムを運営する主体は、あくまでみずほだが、金融庁がこれまで以上に目を光らせる。

■トラブル続発で検査が長引く

一般的に業務改善命令は、検査で全容を把握し、原因の究明が完了した後に出される。が、みずほの場合、システムトラブルを受けた金融庁による検査がまだ続いている最中に処分が出ることになった。

 本来、みずほへの行政処分はもっと早く出ていたはずだった。ATMや外貨送金取引のストップなど、2月から3月にかけて立て続けに起こった4回の障害の後、みずほは外部の専門家を招いて第三者委員会を設置。6月の調査報告書を受けて再発防止策を公表していた。そして、金融庁も8月ごろには業務改善命令を出すとされていた。

 しかし、8月、9月に3回のシステム障害が発生。今年に入ってから発生した障害は計7回になった。実施中の再発防止策にも疑問符が付き、「(防止策が)十分かどうかについてしっかりと洗い直していく必要がある」(藤原弘治頭取)という状況に逆戻りした。金融庁から追加の報告徴求命令が出され、検査も延長されることになった。

みずほは、8月20日に全国の店舗窓口での取引ができなくなった障害について、機器の故障であることは分かっているものの、なぜバックアップが機能しなかったのかなど詳細な原因を特定できていない。

 第三者委員会の報告書ではみずほの基幹系システム「MINORI(みのり)」について、「システムとして巨大であるがゆえにその全体像を完全に把握するのは容易ではなく、不測の障害がシステムの別の箇所に影響して大きな影響を及ぼす可能性がある」と指摘している。再発防止策を講じてもなお障害が続く以上、金融庁の検査が長引くのは避けられない。

 しかも、検査が終了するまでに、新たな障害が起こる可能性も否定できない。そこで今回、障害につながりうる更改や更新作業に対して行政処分を出し、トラブル発生のリスクをできるだけ抑えようとした。異例の措置は金融庁の危機感を示すものといえるだろう。

■本丸はガバナンスの改善

 実際、最も広範に被害が出た2月28日の大規模なATM障害は、定期預金のデータ移行作業が波及して発生した。月末の取引集中日に作業を行ったために、メモリーの容量不足が起こった。

 このとき、他の銀行やシステム関係者は「なぜシステムに負荷のかかる月末に、データの移行作業を行ったのか」と疑問を呈した。みずほの判断の甘さが招いたといえる障害だった。システム更新についての判断を金融庁が逐一チェックすれば、今後、障害発生の可能性を減らすことはできる。

 あくまでこれは臨時措置に過ぎない。金融庁がいつまでも監視の目を光らせるわけにはいかないからだ。システムの運営を正常化させるには、ITガバナンス体制の不備を究明し、みずほ自身が早急な改善を進める必要がある。

 金融庁も「システム面やガバナンス面の全般的な検証は継続する。その結果を踏まえて、改めて必要な行政対応について検討する」としている。つまり、検査終了後に本格的な処分が下る可能性が高い。

 今後の焦点は坂井辰史社長を含む経営陣の責任問題だ。坂井社長は会見で、「システム障害の原因究明と再発防止体制を築くことが私の責任」と繰り返しているが、先行きは不透明だ。2011年のシステム障害の際には、西堀利頭取が引責辞任した。経営の根幹ともいうべき巨大システムをどんな体制でハンドリングしていくのか。その答えを出すには、まだまだ時間がかかりそうだ。

東洋経済オンライン

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最終更新:9/24(金) 9:16

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