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子どもが言う「学校がダルい」はSOSかもしれない

9/22 18:01 配信

東洋経済オンライン

中学生の25人にひとりが不登校、小学生は5年で倍増と、いま日本の子どもと学校に大きな変化が起きています。子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、いったい親はどう対応するのがいいのか。
自身も経験者である不登校新聞編集長の石井志昂さんが伝えたいこととは?  石井氏の著書『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』からご紹介します。

■代表的な5つのSOS

 子どもに見られる代表的なSOSは、「体調不良」「食欲不振」「情緒不安定」「宿題が手に付かない」「不眠」の5つです。

 「体調不良」や「食欲不振」、そして、一日中イライラしている、頻繁に甘えてくる、すぐ泣くなどの「情緒不安定」は、いつもと違うなと気づきやすいと思います。

 とはいえ、この5つが代表的なSOSだと知らなければ、すぐに「SOSを発している」とは思わないのではないでしょうか。フリースクールでも、複数のスタッフが情報共有をするなかで「これって情緒不安定の兆候が出ているんじゃない?」といった結論にたどり着きます。

「宿題が手に付かない」は気づきにくいSOS
 なかでもとくに気づきにくいのは「宿題が手に付かない」です。「宿題ができなかった」とか「やろうと思ってもできなかった」と言われたら、どうでしょうか。多くの場合、「ちゃんとやらなきゃダメでしょ」と言って終わりではないでしょうか。

 宿題が手に付かないのは、やる気がないとか、さぼりたいからではありません。とても大きな不安があると、宿題を提出しなければいけないとわかっていても、ひと文字も書けなくなることがあります。名前を書くことすらできなくなってしまうのです。

 「宿題ができなかったから」と言って学校へ行かず、不登校になった事例として有名なのは、芸人の山田ルイ53世さんです。

 山田さんが不登校になったのは中学生のときでした。山田さんの場合は、中学受験をして、名門中学へ入ります。しかし、部活も勉強もがんばりすぎて疲れ切ってしまい、登校もできなくなってしまったそうです。

 さらに、その後は「ルーティーン地獄」とご本人が呼んでいるこだわりに苦しめられます。勉強をしようと思うと、まずは机の上の掃除を始め、それが終わると次に部屋の掃除。部屋の掃除が終わると、次は自分の体についたほこりが気になり、体をふき始めてしまう。

 このような症状を強迫症状と言いますが、不安要素が大きいと、何かをやろうと思っても、別のことが気になり始めてしまうことが往々にしてあります。

 宿題をやりたくないというのは、誰にでも経験があることなので、たまにはそんなこともあるだろうと見落としがちです。遊びに夢中で宿題をやりたくないだけならいいのですが、SOSと見分けることが難しいことも多々あります。

■スマホやゲームを取り上げても解決しない

 また「不眠」もわかりにくい場合があります。夜中までゲームをしていたり、スマホをいじっていたりする子に対して、そのせいで朝起きれないんだろうと思ってしまいがちです。

 けれど、何かしらの悩みや不安があって寝られず、スマホやゲームを手に取ってしまう子もいます。その場合は、スマホやゲームを取り上げるだけでは根本的な解決にはなりません。

 宿題が手に付かない、ずっとゲームをしたりスマホを手にしていたりする、というときは、子どもがどこか不安げにしている様子がないか、気にかけてあげてほしいと思います。

 子どもが何か悩んでいそうだな、つらそうだなと思ったら、率直に聞いて大丈夫です。「心配している」という気持ちを伝えて、「何か悩んでいるの?」「何か不安があるの?」と聞いてみてください。

 子どもが話し始めたら、向き合って話を聞いてあげてください。話すなかでケアされていきます。

 中学生以上の場合は、なかなか話したがらないかもしれませんが、食後は話しやすいタイミングのひとつです。まず一緒にご飯を食べて、そのままなんとなく世間話を続けるうちに、気持ちに余裕が出てくるでしょう。たわいのない話をしていると、気持ちが徐々に楽になっていくと思います。

 ひとつ気をつけたいのは、無理に勉強や将来の話をしようとはしない、ということです。子ども自身がその話に触れてきたら話を聞いてあげてください。

 子どもが不安や悩みを話し出さない場合は、「今日は話したくないのだろう」と割り切り、話し出すのを待ってあげてください。

 子どもが話さない場合は、子どもの様子を見て判断することになりますが、子どもによってSOSの表れ方は違います。年齢によっても違います。

 一番大事なのは親としての直感を信じることです。子どもの様子を見て、「いつもと違う」「何か変だ」と感じたら、その直感どおり何かが起きているはずです。

 ただし、不安な気持ちはあてになりません。子どもを心配するあまり、突拍子もないことまで予測して、不安を募らせてしまうものです。

 不安がどんどん膨らんでくるようなときは、「そんなもんだ」とやり過ごすか、誰かに話を聞いてもらうといいと思います。

■親を信頼しているからこそ愚痴を言う

 一方で、こちらから何も聞かなくても、子どもが「学校、ダルい」などと愚痴を言うこともあると思います。結論から言いますと、そういうときは「そうだよね、ダルいよね」とだけ答えればいいと思います。

 子どもは、自分の気持ちを整理したくて言っているだけです。子どもの言葉を繰り返すなどして、共感してあげてください。家事をしながら、話半分で聞いていいと思います。

 そのとき、気をつけておきたいことがあります。それは、保護者自身の学生時代の成功談を引き合いに出さないこと。「私はこうして乗り越えたよ!」といった、いわば武勇伝ですね。

 子どもが聞きたいのは、「学校ってつらいよね」という共感する言葉です。大人が「私も行きたくないとき、あったよ」と言うと、「そうなんだ、自分だけじゃないんだ」と気持ちに整理がついて、学校に行くものです。

 いろいろアドバイスをしたくなると思うのですが、最低限にしておきましょう。大人でも、愚痴を言ったときに、やたらとアドバイスされてしまって「話を聞いてもらうだけでよかったんだけど……」ということ、ありますよね。その心理と同じです。

 子どもが「学校、ダルい」と愚痴を言って気持ちの整理をするのは、実はとても大事なことで、相手が誰でもいいというわけではありません。一番信頼している人に聞いてほしいものなんです。

 だから、子どもがぐちぐち言い始めたら、信頼関係が成り立っていると思って、聞いてあげてほしいと思います。

 もし子どもが「学校を休みたい」と深刻に言ってきたときは、休ませてあげてください。子どもの年齢にかかわらず、保護者の方も仕事を休み、その日は子どもと一緒にいてあげるのがいいと思います。子どもが風邪をひいて学校を休むことになったら、その日は仕事を休んで子どものそばにいるのと同じで、保護者の方もそのほうが安心できると思います。

 そして、子どもがひとりで楽しんでいられるようなら、ひとりにしておき、子どもが話をしたそうであれば、聞き手になって耳を傾けてあげてください。

 子どもが学校を休みたいと言うときに、保護者の方からよく出てくるのが「もう少しがんばってみよう」という言葉で、似た言葉に「もう少し様子を見てみよう」があります。

 学校を休みたいと言う子どもは、強いストレスを受けています。子どもにとって初めてのことも多いだろうと思います。

 「もう少しがんばってみよう」と言われると、子どもはすごく苦しくなります。まわりの人が励ますつもりで言った言葉も、子どもを追い詰めてしまうのです。

■こまめに休むと深刻な事態になりにくい

 うまくガス抜きをさせてあげることが一番です。こまめに休んでいれば、ある日突然体が動かなくなって1年学校に行けない、長く引きこもる、という深刻な事態は起こりづらくなります。

 学校が大事というより、あなたが大事という心持ちで接し、「ときには休んでもいいから、手を抜きながらやればいいよ」と、休み方や力の抜き方を教えてあげてほしいと思います。そうすることで、その後も、子どもはうまく社会とつきあっていけるようになるのではないかと思います。

東洋経済オンライン

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最終更新:9/22(水) 18:01

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