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「iPhone 13」の選び方と使って実感した超進化~ディスプレーが「まったく新しいモノ」になった

9/21 22:01 配信

東洋経済オンライン

 アップルが9月14日、オンラインイベントで発表した最新のiPhoneの先行レビューをお届けする。2007年に登場してから14年が経過するスマートフォンのスタンダードとなったiPhoneは、2021年にどのような提案をしたのか。また、我々はどのようiPhoneを選べばよいのか、細かく見ていこう。

■画面サイズと新色は? 

 2020年のiPhoneはニュースが多かった。iPhone 6が登場した2014年から実に6年ぶりの大幅な意匠変更を伴うデザイン刷新と、5Gへの対応を果たし、現在も前年同期比約50%の売上高向上を伴う、iPhoneへの買い換え、乗り換え需要を大きく喚起している最中だ。

 2021年モデルはシリーズを通じて、2020年モデルのデザインや外観を踏襲し、5.4インチ、6.1インチ、6.7インチという3種類のサイズもそのまま採用した。5G対応も含め、昨年のiPhoneの第2世代という位置づけと捉えることができる。

 リサイクル100%アルミニウムを用いたiPhoneのスタンダードモデルに5色、医療グレードのステンレススチールを用いたProモデルに4色を揃えている。特にスタンダードモデルはピンク、ミッドナイト、スターライトという新しいカラーを加え、またブルーやレッドのカラーも変更している。

 今回初めて採用されたスターライトは、これまでのシルバーからの置き換えだ。真っ白な背面に、やや淡いシャンパンゴールドにも見えるカラーがつけられているモデルで、今までの白っぽいアルミそのままの色より高級感が漂う。

 またProモデルの特別な色は、2020年のパシフィックブルーから、2021年はシエラブルーへと変更された。昨年よりも青は薄く、やや緑が強まった、森の夜の始まりを感じさせるカラーだ。

 ディスプレーのサイズは変わらないが、ディスプレーは新しいモノになっている。iPhone 13シリーズは、標準輝度800ニトと、昨年の650ニトから明るくなった。iPhone 13 Proシリーズは標準1000ニトで、昨年の800ニトからやはり向上し、屋外の日の光の下でより見やすくなった。

 iPhone 13 Proシリーズにはもう1つ、ディスプレーの変更点がある。「Pro Motion」といわれるiPad Proに採用された可変リフレッシュレートの仕組みだ。

 アップルのデバイスは通常、60Hz(1秒間に60回書き換え)で動作している。ProMotionのディスプレーでは、これを最大120Hzに引き上げることができる。動きの速いゲームをプレーする場合、より滑らかな表現が可能になる。しかし画面を書き換えれば、それだけディスプレーの消費電力は上がる。

 ウェブサイトや電子書籍など、文字をじっくり読んでいるときは画面が動かない。また待ち受け画面でも、120Hzの激しい動きは不要だ。

 そうしたときは最低10Hzにまでリフレッシュレートを落として電池を節約する。また操作が始まると、指の動きに合わせて自動的にリフレッシュレートを上げる制御を行う、賢いディスプレーだ。

 実際に触れてみると、ロック解除からホーム画面のスクロールやアプリの立ち上げや画面遷移だけでも、滑らかさが向上していることに気づかされる。

 iPhone 13 ProからiPhone 12 Proに戻ってみると、確かに画面がカクカク動いているように感じ、元に戻れなくなってしまう。それほどに、ProMotion搭載のiPhone 13 Proの画面は気持ちよく動く。

■全画面デザインの欠点が縮小

 また2017年に登場したiPhone X以来、画面上部に「ノッチ」と言われる切り欠きがあり、ここに顔認証などを実現するセンサーを備えたTrueDepthカメラが収まっている。今やすっかりiPhoneのデザインの特徴になっているが、冷静に考えればデザイン上の欠陥だ。

 アップルもそのことに気づいているようで、2021年モデルのiPhoneでは、受話スピーカーを端末上部のエッジギリギリに移動させることで、ノッチの幅を短くしたのだ。そのかわり、やや高さは増している。

 新しいノッチ周辺のデザインで、使っていて大きくメリットを感じたのは、通話のしやすさだ。

 これまで画面のやや内側に受話スピーカーがあったため、無意識に耳に当てると、スピーカーがずれて聞き取りにくく、位置を修正する、と言う場面が何度かあった。

 エッジにスピーカーが移動したことで、端末の端を耳の穴に当てればよくなり、無造作に電話を耳に当てても外れにくくなった。ちょっとしたことだが、iPhone 13シリーズの電話としてのユーザビリティ向上は、iPhoneが引き続き電話としての使いやすさを追求している点に気づかされる。

 また、ノッチの小型化で最も恩恵を受けるのは、iPhone 13 miniだ。端末のサイズにかかわらず、TureDepthカメラのユニットのサイズが同じであったため、5.4インチディスプレーのモデルでは画面上部の大半がノッチに覆われてしまっていた。

 iPhone 13 miniでは、画面上部の左右の画面領域が広くなり、より大きく時計や電池残量、電波ピクトなどを表示できるようになった。明らかに視認性が向上しており、小型モデルのファンにはうれしい進化だ。

 そのiPhone 13 miniだが、超小型の5G端末ゆえに、バッテリー持続時間に不満が集まり、需要が高まると予測した日本だけでなく、世界的にも販売があまり伸びなかった。アップルはそこを1年で修正し、iPhone 13 miniでは1.5時間寿命を拡大させ、安心して選びやすくしている。

 バッテリー寿命の拡大は、電池の実装とともに、省電力性を高めたA15 Bionicの存在感が大きい。そのためiPhone 13 miniのみならず、シリーズ全体でもバッテリーが1.5~2.5時間長くなった。

 A15 Bionicはアップル設計、台湾のTSMC製造の5nmプロセスのチップで、CPUは6コア、GPUは4コアもしくは5コア、機械学習処理を行うニューラルエンジンは16コア搭載され、その他にも画像処理エンジンやビデオ処理アクセラレータなど、iPhoneに必要な処理を担う機能が盛りこまれている。

 手元のiPhone 13シリーズをGeekbench 5で計測したところ、シングルコアのスコアは1700以上で、Mac向けM1チップに匹敵する。マルチコアのスコアは4750となり、昨年のiPhone 12シリーズに搭載されていたA14 Bionicから約20%向上したことがわかる。

 グラフィックスは、5コアを搭載するiPhone 13 Proで、13840だった。昨年のiPhone 12 Proでは9200前後だったことから、約1.5倍の性能にまで引き上げられた。

■夜に強い大型センサー

 iPhone 13シリーズが登場しても、5G対応のiPhone 12とiPhone 12 miniは値下げされてラインナップに残る。2021年に販売されるiPhoneのうち、iPhone SEとiPhone 11を除く8モデル中6モデルが5G対応を果たし、特に値下げされたiPhone 12シリーズは、5Gへの乗り換え、Androidからの買い換えの需要を狙う戦略モデルとなる。

 iPhone 13とiPhone 12は、デザインと5Gという大きな2つの特徴が共通であるがゆえに、iPhone 13シリーズは最新モデルとして、iPhone 12と明確な差別化をしなければならない。

 1つは、ラインナップ全体で、ストレージ容量が倍増している点が挙げられる。そしてその増えたストレージで何をするのか? といわれれば、強化されたカメラでの撮影だ。

 昨年、iPhone 12 Pro Maxにのみ、大型センサーとセンサーシフト式手ぶれ補正を採用し、暗所性能とビデオ性能を飛躍的に高めた。そのセンサーシフト式手ぶれ補正をiPhone 13 mini、iPhone 13の広角カメラにも導入したのだ。

 さらに、iPhone 13 Proシリーズには共通で、iPhone 13よりもさらにセンサーサイズを大きくしたセンサーシフト式手ぶれ補正を広角カメラに備えた。iPhone 13 Proで2.2倍、もともとセンサーが拡大されたPro Maxでも1.5倍、より多くの光を取り込むことができるようになった。

 iPhone 13 Proでは、望遠カメラが3倍の77mmとなり、より遠くまで光学ズームで見通せるようになっている。逆に超広角カメラには手ぶれ補正とオートフォーカスが備わり、微細なモノを撮影できる「マクロ」モードが備わった。コケ好きな筆者としては、ますますiPhoneの活用範囲が拡がる。

 画像処理エンジンも刷新され、Smart HDR 4が利用できるようになった。それまでHDR撮影はオン・オフを切り替えられたが、iPhone 13シリーズではその切り替えすら用意されなくなった。コンピュテーショナルフォトグラフィーがiPhoneカメラの標準であると、位置づけられた。

 また、新たな撮影機能として、フォトグラフィックスタイルが用意された。「鮮やか」「リッチなコントラスト」「暖かい」「冷たい」を選択することができ、自分で色合いの好みを微調整もできる。写真全体の雰囲気を設定できるが、肌のトーンは維持する処理を、シャッターの瞬間に瞬時に行ってくれる。

■シネマティックは流行る! 

 昨年までは静止画の品質が毎年段違いによくなっていたが、今年の注目はビデオだ。新たに用意されたのは、「シネマティックモード」。簡単に言えば、ビデオのポートレートモードであり、被写体にフォーカスを合わせて背景をぼかす表現を実現する仕掛けだ。

 筆者は普段、フジフィルムX-T4というミラーレス一眼に、16mm/f1.4という明るい広角単焦点レンズを組み合わせて、被写体を浮かび上がらせる浅いフォーカスの写真やビデオを撮影している。しかも15cmまで近寄れる、マクロ撮影やそうした効果が得られるレンズは価格が高く、カメラ本体とレンズで、現在でも35万円コースだ。

 シネマティックモードは、機械学習処理を伴いながら、被写体くっきり、背景が柔らかにボケる映像を撮影することができる。しかも、ボケていても超広角カメラやLiDARスキャナ、TrueDepthカメラなどで被写体は捉えているため、前景と背景のフォーカスの切り替えや、フレームインしてくる人を自動的に捉えるなど、今まで手動で加えてきたフォーカスを用いた画面効果を、自動的に実現するのだ。

 仕組みについて難しく説明してしまったが、撮影したシネマティックモードのビデオは明らかに今までのスマホビデオとは異なる被写体の迫力を切り取ることができ、かつ編集しなくても映像に撮影者の‟意図”が込められる。15秒撮影して、そのままSNSに共有しても様になるのだ。

 ただ撮影するだけで、映像作品になる。確かに、シネマティックモードの名前に納得できる。

 アップルは、既に実現している自社のカーボンニュートラルに加えて、2030年までに全てのサプライヤーについてカーボンニュートラル化することを宣言し、取り組みを開始している。iPhoneに関わるあらゆるプロセスから、二酸化炭素排出の排除に動き出しているのだ。

 2020年は、iPhoneの箱が大幅に小さくなった。これも、輸送用の航空機で倍のiPhoneを運搬できるようにすることで、燃料費を削減するための取り組みだ。

 2021年モデルのiPhoneでは、箱のビニール包装を廃止し、それだけで600トンものプラスティックを削減した。さらに、iPhoneの側面に見られるアンテナのためのパーツは、ペットボトルを原材料に再生されたプラスティックが用いられている。これは業界初の試みだという。

 金やタングステン、その他のレアアースなども100%リサイクル材料を用いており、アップルは過去のiPhoneから、現在のiPhoneの材料を採掘するサイクルがより推し進められている形だ。

 iPhone製造のために削り出されたアルミニウムを再資源化し、iPadやMacのフレームへ再利用するサイクルも回り出しており、iPhoneのみならず、アップル製品全体で、資源循環の仕組みが強化されていることがわかる。

■ライフスタイルに合わせた選択とは

 iPhone 13シリーズの、新しいデザインや機能について解説してきた。今回もっとも注目すべきは、大きな飛躍を遂げている6.1インチモデルのiPhone 13 Proだ。

 センサーが2段階拡大したカメラ性能の強化でiPhone 13 Pro Maxと差がなくなった点や、明るくなった画面、ProMotionによる病みつきになるほどの滑らかな表示、バッテリー持続時間強化といった機能の優位性が充実しながら、6.1インチと最上位モデルよりも取り回しやすいサイズに収まっている点が評価できる。

 長らく最大サイズのiPhoneを選んできた筆者も、今年はiPhoneを6.1インチモデルにして、読書などには同時に発売されるiPad miniを利用しようか、と考えているほどだ。

 ただ、シリーズ全体の競争力強化も目立つ。

 新しいセンサーシフト式手ぶれ補正を備える広角カメラやA15 BionicはiPhone 13 mini、iPhone 13にも採用されており、前述のシネマティックモードでのビデオ撮影やフォトグラフィックスタイルは、Proモデルと同様に楽しむことができる。

 バッテリー持続時間はiPhone 13で2.5時間、iPhone 13 miniで1.5時間伸びており、5.4インチの小型・軽量モデルやシンプルな6.1インチを選んでも、2021年のiPhoneの体験を十分楽しめるはずだ。

東洋経済オンライン

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最終更新:9/21(火) 22:01

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