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婚活中38歳女性が2年間の不倫で心が冷めた瞬間~気がついたら親友や妹にも先を越され

9/16 16:01 配信

東洋経済オンライン

不倫はいけないことだと、誰もがわかっている。政治家やタレントなど、それで職を追われたり、いっとき仕事を干されたりする人たちもいる。一般社会でもしかりだ。それでも不倫をする人たちが後をたたないのは、出会いがあり相手を好きになってしまうと、その気持ちがあるうちは別れることができないからだろう。
仲人として婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声と共にお届けしていく連載。今回は、「2年間の不倫に終止符を打ち、新たな婚活に乗り出した38歳女性」の軌跡と決意を綴る。

■婚活パーティで出会った年下の男性

 入会面談にやってきた清美(38歳、仮名)は、ふんわりとしたロングヘアの巻き髪が似合う美人だった。都内の会社でOLをしているという。

 「実は、婚活パーティで出会った男性と2年間お付き合いをしていました。付き合い出してわかったことなんですけど、彼、結婚していたんです。でも、彼のことをものすごく好きになっていたので、別れることができませんでした」

 彼の名は孝徳(仮名)。婚活パーティでの出会いだったので当然独身だと思い、付き合いがスタートした。

 「そのパーティは入り口で身分証明書を提示して、参加するんですね。彼は私の2つ下だったんです」

 スリム体型で、服もおしゃれ。特別ハンサムというわけではなかったが、雰囲気が垢抜けていた。女性と話すことに不慣れな男性が多いなかで、ずば抜けてコミュニケーション力があり、フリータイムには清美の分の飲み物を持ってきてくれた。そして、結果発表で2人は見事にマッチングした。

 「会場を一緒に出たら食事に誘われたので、近くのレストランに行ったんです。メイン通りから細い路地を何本か入った、隠れ家風のイタリアンでした。そこで本名を明かして、LINE交換をしました。エスコートも上手だし、おしゃれな店も知ってる。最初は“遊び人かな“とちょっと警戒したんですけど、名刺をもらったら誰もが知っている有名な会社だったんで、私も舞いあがっちゃって」

 その日から毎日LINEのやりとりをするようになり、どんどんひかれていったという。
翌週も翌々週もデートをした。まだコロナ前だったので、3回目のデートは深夜にまでおよび、結局、タクシーで孝徳のマンションに行った。彼は会社近くにワンルームマンションを借りていた。

 「その夜男女の関係になったら、ますます私の気持ちが入ってしまいました。それに自分の家に私を呼ぶくらいだから、そのときは結婚しているなんて疑いもしなかったんです」

■最初に年齢詐称がバレた

 清美も一人暮らしだったので、次第にお互いの家を行き来するような付き合いになった。しかし、どちらかといえば清美の家で過ごすことが多かった。

 「家には寝に帰っているようなもので、料理はまったくしない」という彼の家の冷蔵庫には、お茶とビールくらいしか入っておらず、キッチン用品も調味料もなかった。

 あるとき、土曜出社していた孝徳が清美の家に帰ってきて、「1日中外にいて大汗をかいた」と、シャワーを浴び始めた。床に脱ぎ捨てられたジャケットをハンガーにかけようとしたとき、ポケットから2つ折りのカードケースが落ちた。拾い上げたときに免許証が見えた。免許証の顔写真の写り具合が見たくて、何気なく引き抜いた。

 「免許証の写真って、だいたいヘンな顔で写っているじゃないですか。どんな写り具合か見て、笑いのネタにしようと思ったんですね。案の定、指名手配中の犯人みたいな顔をしてたんで、吹き出しちゃったんです。で、そのとき生年月日がふと目に入って……。私より2つ下のはずが4つ上だったんです」

 笑っていた顔が凍りつき、免許証をテーブルの上にバンと置いて、孝徳がバスルームから出てくるのを待った。怒りが込み上げてきたが、同時にザワザワと嫌な予感もした。何も知らず、パンツ一丁でバスタオルで髪を拭きながら出てきた孝徳に、「これは何?」と、免許証を突きつけた。呑気そうにしていた顔が一瞬で固まった。

 「えっ?」

 「私の2つ下って、4つも上じゃない?  どういうこと?」

 「ご、ごめん。どっかのタイミングで言わなきゃって思っていたんだけど、なんだか言いそびれちゃって」

 婚活パーティは、入り口で身分証を提示してから参加するのがルールになっていた。彼はその日、会社の後輩から借りてきた保険証を提示したのだという。保険証には写真がないから、後輩のものかどうか受付の人は見分けがつかない。また実際のところ、孝徳は34歳で通るくらい若く見えた。

 「40のオジさんが婚活パーティに行ってもモテないと思ったし、そもそもあのパーティは30代限定だったから」

 その発言を聞いて、清美は怒り心頭に発した。そして、年齢を詐称していたのだから他にも何か隠しているのではないか、問いただした。

 「ほかに嘘をついていることはない?  今正直に白状すれば許すよ」

 すると、観念したような面持ちでボソリと言った。

 「実は、結婚しているんだ」

 「え、何よ、それ?」

 清美は思わず泣き出してしまった。すると、孝徳はオロオロしながら話し出した。

 「ごめん、本当にごめん。でも、これだけは信じてほしい。僕は清美に本気だし、妻とは今別居していて、離婚調停中なんだよ」

 妻との間には子どもがいて、妻の実家で暮らしていることもわかった。
夫婦仲が良かった結婚当初は、都内に広めのマンションを借りていた。だが子どもが生まれると、家事や育児を1人で背負っていた妻との関係がだんだんギクシャクし始め、妻は子どもを連れて実家に帰った。そこで孝徳は、ウィークデーは都内で過ごし、週末やまとまった休暇が取れるときは、妻と子どもの元に帰っていた。

 ところが、そんな生活をするようになってから2人の気持ちはますますすれ違っていき、離婚の話し合いに入るようになった。都内のマンションは解約し、会社の近くに今のワンルームを借り直したのだという。

 そんなこれまでの経緯を話し、孝徳は続けた。

 「離婚したら、清美との結婚をちゃんと考えたいと思っているよ」

 そして、泣きじゃくっている清美を抱きしめ、涙を親指で拭ってキスをしてきたという。そこからなし崩し的に、2人でベッドに行った。

 ここまで話すと、清美は私に言った。

 「今思えば、結婚していることがわかった時点で、別れればよかったんですよね。でも、好きな気持ちが先行しちゃっていた。あと、とにかくコミュ力があって口のうまい人だったので、いつも言いくるめられちゃうというか。マンションを解約してワンルームに住んでいるのも離婚の準備をしていることの表れだし、心のどこかで、“離婚したら結婚できるんじゃないか“って思っていたんですね」

■不倫を終わらせた2つのきっかけ

 ところが、「離婚調停をしている」という話だったのに、一向に離婚する気配がないまま2年が過ぎようとしていた。

 そんなとき、清美の親友の一人の美江(仮名)から「結婚することになった」という連絡がきた。親友のなかで独身は清美だけになってしまう。グループラインで、美江はこんなことを書いてきた。

 「結婚式もやりたかったし、“コロナが落ち着いたら結婚しよう“って言ってたの。でも、落ち着きそうにもないし、ステイホームだった時期に彼が隣にいてくれて本当に感謝したし、とりあえず籍だけ入れることにした」

 美江が彼と付き合い出したのは、清美が孝徳に出会って半年後のことだ。「彼氏ができた」という清美に触発されて、美江も婚活パーティに積極的に参加するようになり、そこで出会ったのが、婚約者だった。後発の美江に先を越され、ゴールインされてしまった。

 時期を同じくして、実家の母から、妹の理子(仮名)が「できちゃった結婚をすることになった」と聞かされた。

 母が清美に言った。

 「まあ、今の時代だからできちゃった結婚でもいいんだけれど、親戚とかに言うのは、ちょっと恥ずかしいわねぇ。ただ、理子も幸せそうだし、旦那さんになる男性がこの間、ウチにあいさつにきてくれたんだけど、固い会社に勤めていて、真面目そうないい人だったわ。それで、お母さんもお父さんも安心したのよ。で、清美はどうなの?  前に付き合っている男の人がいるって言っていたじゃない?  その人とは結婚できそうなの?」

 孝徳のことをまだ独身だと思っていたときに、母に「結婚を前提に付き合う人ができた」という話をしていた。だが、その後既婚者だとわかり、後ろめたさもあって、孝徳の話は母の前ではしなくなっていた。

■薄っぺらい関係を2年も続けて…

 ここまでの経緯を話すと、清美は私に言った。

 「冷静になってよくよく考えてみたら、離婚調停が本当に行われているかどうかもわからないですよね。あと“別居が長ければ離婚が認められる”ってよく言われているじゃないですか。それで、ネットで調べてみたんですけど、それって何年別居していればよいとかいう、正式な年数の決まりごとはないみたいで。仮に、奥さんが興信所に依頼して彼の身の回りのことを調べて、私と不倫しているのがわかったら、私が奥さんから慰謝料を請求されるかもしれないなって。そして、何より……」

 ここまで言うと、一息おいて、こう続けた。

 「そもそも婚活パーティに、『40のオジサンじゃ、モテない』と思って後輩の保険証を借りて参加する。それが、彼の人間性なんですよね。服もオシャレで、会話も行動も刺激的で、流行のスポットもたくさん知っていて、お付き合い自体は楽しかった。でも、友達や妹が結婚していくのを目の当たりにして、私はなんてチャラチャラした薄っぺらい関係を2年も続けてきたんだろうと、思っちゃったんですよね」

 そして、先月、彼に別れ話をした。「離婚すると言ってまったく離婚しないアナタと付き合っていたら、私の人生の時間がムダになる」と告げたそうだ。食い下がる孝徳に、「じゃあ、3日以内に離婚して!」と言うと、それ以上は何も言わなくなったという。

 「私ももう40が見えている。1日でも早く結婚して、子どもを授かりたい。今が一番大事な時期だし、不倫をズルズル続けていたら、一生後悔すると思ったんです」

 結婚から一番遠い場所にいる女性は、付き合っている男性がいない女性ではない。結婚を言い出さない男性と付き合っている女性だ。不倫もしかり。

 恋人がいない女性は、清美の友人の美江のように、いい出会いがあれば結婚できる。しかし、結婚を言い出さない男性や、妻子持ちの男性と付き合っている女性は、寂しくないし、“いつかは彼と結婚できるのではないか“というわずかな希望にすがって、時間を無駄に費やしてしまう。

 結婚は、“決断“である。今、結婚を決断できない男性は永遠に結婚を決断できないし、今離婚ができない男性は永遠に離婚しないのだ。

 清美の潔い決断と再出発を、サポートしていきたい。

東洋経済オンライン

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最終更新:9/16(木) 16:31

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