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アップルによる和解はNFTにどう影響するか

9/16 6:00 配信

CoinDesk Japan

アップルは8月下旬、2019年に開発者たちが起こした集団訴訟で和解をした。そのニュースが報じられた時、暗号資産(仮想通貨)関連のツイッター界隈は沈黙した。


しかし、この和解の重要性をしっかり理解した人たちは、アメリカの超巨大テック企業が開発者に譲歩の姿勢を示したことが、ブロックチェーン業界の様々なセクター、とりわけNFT(非代替性トークン)に対して影響を持つことを認識していた。


NFTは、ゲーマーやコレクターに自らのデジタルアイテムの固有性や保有を証明するものである。アーティストのBeepleが今年3月、オークションでデジタルアート作品を驚きの6930万ドルで売却したことを覚えている読者もいるかもしれない。それ以来、NFTセクターは爆発的に人気を博し、有名人から慈善団体、メディアまでもがこの流行に乗っかろうとしている。


暗号資産は、メインストリームでは効率的で受け入れられる支払い手段として理解されているが、NFTの方は新しい領域を構築し続けている。


「暗号資産が『実世界』で一般的な支払い手段となるかどうかに関わらず、NFTやブロックチェーン基盤のスタジオを通じて、ゲームの世界ではますます使われるようになっている」と、ベンチャーキャピタリストのマシュー・ボール(Mathew Ball)氏は6月に語っていた。


ボール氏は、大半の暗号資産ゲームやNFTプラットフォームがもっぱらブラウザベースで、iOSアプリに組み込まれていない理由は、アップルの小規模開発者に対する制限のせいだと主張している。

小規模開発者への規制緩和

アップルは8月26日、集団訴訟の和解の一環として、App Storeでの小規模開発者に対する制限を緩和することに同意。1億ドルで小規模開発者支援のための資金を設立し、開発者がApp Store外部での支払い方法へと消費者を導くことを許可すると約束した。外部での支払い方法を使えば、アップルがiOSアプリでのオンライン購入に対して課している最大30%の手数料を回避することができる。


この和解が成立するには、カリフォルニア州北部地区連邦地裁のイボンヌ・ゴンサレス・ロジャーズ判事の承認が必要である。


和解が順調に成立すれば、アップルは、ユーザーの許可があれば、App Storeが集めたデータを使って、世界中の開発者がアプリ内から代わりの支払い方法について直接知らせることができるようにする。


開発者が支払わなければならない手数料や、アプリ内で代替の支払い方法なしでアップルの支払いオプションを使うことを義務付けるアップルのルールは、ビデオゲーム「フォートナイト(Fortnite)」の開発元エピック・ゲームズ(Epic Games)がアップルを相手取って起こした別件の裁判の大きな争点ともなっている。


エピック・ゲームズとアップルの裁判は、今回アップルが和解に同意した裁判と同じ判事が担当しており、独占禁止関連の重要な裁判と考えられている。


今回の和解案は、年間収益が100万ドル未満の小規模開発者の懸念の核心を突くものだ。また、数多くの独占禁止の係争の中でアップルが初めて見せた譲歩でもあった。


App Storeを通じてサインアップしたユーザーから収集した連絡先情報を開発者が使うことに対して厳しいルールを持つApp Storeの慣習を、アップルは擁護している。


アップルは声明の中で、和解案作成を助けた「開発者からのフィードバックに感謝する」と述べ、App Storeを「経済的な偉業」と称賛する一方で、「現在進行中の司法審査プロセスを尊重する」と語った。


和解が成立すれば、開発者はアップルのiOSアプリ外部でユーザーと支払いオプションを共有し、サブスクリプション価格とアプリ内での購入について詳しく説明することができるようになる。

NFT業界への影響

小規模開発者への制限が緩和されることで、NFTベースのアプリもApp Storeへ登場しやすくなる。NFTやブロックチェーンベースのプロジェクトの開発者は、テクノロジーに精通した大量のユーザーにアプリを届ける場所を突然獲得することになり、彼らにとっても今回の和解は大きな勝利だ。


「これはNFT業界にとって画期的な和解だ」と、MyMetaverseのCEOで、NFT大手Enjinのマーケティング顧問も務めるサイモン・ケルトネゴロ(Simon Kertonegoro)氏は語る。「近い将来、NFTはインターネットの至るところで、ウェブサイト、ゲーム、アプリ、分散型マーケットプレースを通じて販売されることになるだろう。そうなればユーザーは、購入したNFTをiOSアプリへとつなげて、アプリ内で便利に使いたいと思うだろう」


ケルトネゴロ氏をはじめ、アップルの今回の和解は、同社が「完全にNFTをサポートする」エコシステムになることに向けた「大きなステップ」だと考えるNFT支持者は増えている。


「App Store外部でユーザーから直接支払いを受けることができるように開発者に許可することは、NFT業界にとって大きな勝利だ」と、ブロガーでブロックチェーンとNFT投資家のマティーン・ソウダガー(Mateen Soudagar)氏は述べる。


「世界中のデバイスユーザーの多くがモバイルベースであることは間違いない。現行のゲーム、マーケットプレース、コレクション品プロジェクト、その他のウェブ3.0/NFTベースのプロジェクトを新たに、膨大なデジタルネイティブユーザー層に提供できるようになることは、業界にとって素晴らしいことだ」(ソウダガー氏)


ソウダガー氏は、今回の和解がNFT業界に大きな影響をもたらすと考えており、NFT業界は来年には、まったく新しい形態となるかもしれないと話す。


「NFT業界は大きく異なったものになると見込んでいる。(中略)そしてモバイルへの拡大は、そこに向けたきっかけとなるのは間違いない」


|翻訳・編集:山口晶子、佐藤茂|画像:Vytautas Kielaitis / Shutterstock.com|原文:What Apple Settling App Store Lawsuit Means for Crypto NFTs

CoinDesk Japan

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最終更新:9/16(木) 6:00

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