IDでもっと便利に新規取得

ログイン

偏差値35から合格した東大生が「勉強は絶対に漢字から手を付けるべき」と言い切る理由

6/19 12:01 配信

東洋経済オンライン

東京大学に入学するためには、いったいどんな勉強をすればいいのか。東大は入試科目が多いうえに、高得点を求められるわけですが、「どの科目にも必要で、最初に必ず身につけておくべきスキルがある」と言うのが、原作漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当で、TBS系ドラマ「日曜劇場『ドラゴン桜』」の脚本監修も行う現役東大生の西岡壱誠氏です。『7日間で突然! 頭が良くなる超勉強法』の制作にも協力した西岡氏が、そのスキルについて解説します。

■勉強ができないのは「言葉を知らない」から

 みなさん、日曜劇場「ドラゴン桜」を観ていただいていますでしょうか。「ドラゴン桜」は偏差値が低いところから1年で東大を目指すという一発逆転のストーリーなわけですが、最近そのドラマに触発された方から、こんなご連絡をよくいただきます。

 「自分も東大を目指したいのだが、何から始めればいいのだろうか」

 「自分は勉強でつまずいてしまった人間なわけだが、もう一度勉強し直すなら、何をしたらいいのだろうか」

 僕自身も、偏差値35から東大を目指し、2浪してなんとか合格することができた人間です。そういう経験をしてきているからこそ、多くの人が勉強のどの部分でつまずいているのか、そしてどうすれば偏差値35から東大に合格できるのか、日々考えつつ、日曜劇場『ドラゴン桜』の勉強法を監修させていただいています。

 今日はそんな僕が、偏差値35から東大に合格するために最初に手を付けるべきことをお話ししたいと思います。

 結論から先に言いますと、答えは「語彙力」です。ハッキリ言って、勉強ができない理由のほとんどは、言葉を知らないからです。言葉の力がない状態で勉強したって、絶対にうまくいくわけはないのです。

 「数学ができない」「英語が読めない」「教科書の内容が頭に入ってこない」「本が読めない」「理解度はない」など多くの勉強の悩みが存在すると思いますが、そのほとんどは「言葉」に起因する悩みです。

 みなさんに質問ですが、「累積」とはどう言う意味でしょうか。

 これは、「積もり積もって、積み重なっていくこと」です。「累積赤字」とか「疲労が累積する」というように使うわけですが、この言葉を知らなければ、数学ができなくなります。数学では「これらの数字を累積した結果をグラフに書きなさい」というような問題が出題されることがあります。どんなに勉強しようと意気込んでも、累積の意味がわからなければ問題が解けるわけはありませんよね。

 または、「興る」という漢字の読みはわかりますか。これは「おこる」で、新しいものや勢いが盛んになるもの。教科書ではどの科目でもよく出てくる言葉で、日本史や世界史では「新しい王朝が興った」なんて使われ方をします。これが読めていないときは、そうした教科書の文言も理解できないということになります。

■語彙力を身につけるには漢字の勉強をすればいい

 偏差値が低くて、勉強してもなかなか成績が上がらないのは、そもそも言葉がわかってない、意味がわかってない場合が非常に多いのです。英単語をまったく知らない状態で英語の文章を読める人はいないと思いますが、それとまったく同じように、日本語を知らないのに日本語の教科書が読めるわけがないのです。

 でも、語彙力はどのように身につければいいのでしょうか。この答えは非常にシンプルで、漢字の勉強をすればいいのです。実は日本語は、ある程度漢字がわかっていれば、なんとなく意味が理解できるのです。

 例えば、「交易」という言葉を知らなくても、「交」という漢字は「交流」とか「交際」という言葉で使いますよね?  何かを交わらせているんだろうな、ということはわかるはずです。そこから、何かを交換するみたいな意味を類推することはできるはずです。

 漢字が組み合わさった熟語は、その漢字を知っていればなんとなく理解できるのです。語彙力がある人というのは、漢字力が身についている人だと言っても差し支えないのです。

 だからこそ、最初に勉強するべきものは「漢字」なのです。それも、ただ漢字を覚えるのではなく、その漢字を使った複数の熟語を思い浮かべてみる勉強をするのです。

 「交」という言葉を使った熟語なら、交易・交流・交換・交渉とさまざまな漢字があります。これらとの組み合わせの中で、言葉のイメージや、どんな場面で使う漢字なのかを理解していくのです。

 「交」であればどれも、2人以上の人が何かをし、お互いの何かを差し出し合う時に使う言葉なのかもしれない、とイメージします。そうすれば、漢字力を高めつつ、語彙力を大きく向上させることができるのです。

 ちなみに、日曜劇場『ドラゴン桜』のドラマ内では、東大専科はこの問題を解くことで語彙力を上げていました。

 これは、東大輩出者数が全国トップクラスの灘中学の入試問題で頻出の問題形式です。上下左右にその漢字とリンクする漢字が書かれており、中には何が入るか、という問題ですね。真ん中が空いている独特の形から、巷では「和同開珎」なんて呼ばれています。

 僕は、この問題形式こそが語彙力をつける究極の勉強法と考えています。1つの漢字だけでなく、ほかの漢字をリンクした勉強ができるからです。

■意味ごとに分類できるようになる

 この問題の解答は「空」です。「空」には大きく分けて3つの意味があります。

 1つ目は、いわゆる「そら」。頭上に広がっている場所であるskyという意味です。天に広がる青い「青空」、夏の日差しが眩しい「夏空」がこれに当てはまりますね。

 2つ目は「内容がないこと、虚しいこと」という意味です。「から」「くう」と読むとわかりやすいはずですね。ものを入れ込む空間が白いままで残っていることを指して「空白」が当てはまります。

 最後は「うそ」。本来存在していないものが、本物かのように存在していることを指します。本来存在しないはずの音が聞こえてしまうから「空耳」が当てはまります。

 では「空」を使った熟語・ことわざは、ほかにどのようなものがあるでしょう。雨空・空港・空母・空心・空室・空気・空間・空席・えせ者の空笑・他人の空似・泣き出しそうな空模様……。

 これらは、さっきの3つの意味で分類できます。「雨空」は1つ目の意味で、「空室」は2つ目、「他人の空似」は3つ目ですね。

 どうでしょう。「空」を使った漢字の語彙はもう身に付きましたよね? 「えせ者の空笑」という言葉を聞いたことがなかったとしても、「3つ目の意味で、うそっぽい笑顔なんじゃないか?」と想像がつくはずです。「商人の空値」と聞いても「ああ、うその値段だな」とわかるはずです。

 または、こんな問題もあります。

 これの答えは「心」です。「心」を英訳するとheartやmindとなり、「外からは見えない精神的なもの」のイメージがあることがわかります。それに加えて、「大切なもの、物事の【真ん中】に来るもの」という意味もあります。「中心」なんかがそうですね。

■言葉の意味がつかめれば、推測できるようになる

 そこから考えると、はじめて物事に取りかかるときの【精神】の状態だから「初心」、表に出さず・自分の中に密かに抱いている精神的な思いだから「下心」、外からの刺激に応じて自分の中に下地としてある感情が揺れ動いている状態を指して「心地」、経験などを通して獲得した大切なこと・学んだことの【真ん中】を指して「心得」というふうに当てはめることができますね。

 これがわかれば、ほかの「心」を使った単語も理解できるようになります。例えば「心根」とかも、「その人の【真ん中】にあるもの」というように判断できますよね。

 いかがでしょうか。このようにして語彙力をどんどん身につけていけば、本や教科書で語られていることがどんどん理解できるようになります。

 勉強には、ステップがあります。難しい勉強とか難しい問題を前にして「解けない!」と嘆いていても、いつまでたっても頭は良くなりません。

 しかしこのように、きちんと「語彙力」という名の基礎を積み上げるというステップを経れば、成績はグッと上がり、頭はどんどん良くなります。みなさんぜひ、まずは語彙力を高める訓練をしてもらえればと思います。

東洋経済オンライン

関連ニュース

最終更新:6/19(土) 15:17

東洋経済オンライン

投資信託ランキング

Yahoo!ファイナンスから投資信託の取引が可能に

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング