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航空宇宙・防衛関連銘柄に投資するETFから選ぶ、売上高成長率が高い銘柄3選

6/16 11:18 配信

The Motley Fool

「アメリカ・ファースト(米国第一)主義」を掲げたトランプ政権は兵器の近代化を目指し、最新鋭のステルス戦闘機やミサイル防衛システムを強化する一方で、GDP世界第2位の中国も中国共産党創立100年を成功裏に収めるための実力を誇示すべく、東シナ海の軍事活動を活発化させる等、昨今は経済や貿易を超えた軍事的な米中摩擦が加速しています。

実際に、コロナ禍の2020年に世界経済がマイナス成長の一方で、総軍事費は1兆9,810億ドルと前年比プラス2.6%で過去最高を記録しており、また冷戦終結の宣言後の30年間で4割増加となり、上位5カ国が世界全体の6割超を占める等、軍拡競争にしのぎを削っています。



出所:ストックホルム国際平和研究所「World military spending, by region」

特に、近年は米中を筆頭に軍事闘争の舞台が無法地帯の宇宙へシフトしつつあり、今年2月には米航空宇宙局(NASA)の探査機が火星着陸に成功、また中国も同5月に無人探査機の着陸と撮影を達成する等、宇宙探査をはじめとするビジネス拡大の機運が高まっています。

政府宇宙関連投資の国別割合(2019年)と主要事業



上位5カ国
シェア
概要


米国
71%
トランプ前大統領が宇宙軍(スペースフォース)創設を宣言し、NASAが有月面探査計画「アルテミス」を予定


中国
13%
30年には国家航天局(CNSA)主導で、火星からのサンプルリターンを実現し、米国に並ぶ「宇宙強国」を目指す


EU
9%
欧州宇宙機関(ESA)が月面での有人宇宙活動を支える月衛星の通信ネットワークを作る計画「ムーンライト」を予定


日本
3%
29年にトヨタ自動車と宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが開発する日本の探査車「ルナ・クルーザー」が宇宙飛行士向けの月面走行を実現予定


ロシア
2%
ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスは中国と共同で、月探査の研究拠点「国際月科学ステーション」を30年までに建設予定



出所:Euroconsult、日経新聞の各種資料を基に筆者作成

そこで、今回は将来的に1兆ドルの市場規模が予想される「航空宇宙・防衛関連産業」をテーマに、その関連銘柄に投資するETFの中でも運用資産残高が最大級の「ITA(iShares U.S. Aerospace & Defense ETF)」を対象に、その構成銘柄をご紹介致します。



出所:BryceTech「2019 Global Space Economy at a Glance」を基に筆者作成

まず現状では、「高速大容量」「低遅延」「低コスト」といった衛星によるインターネット通信を見据えて、高度100Km圏を中心とした低軌道の「近い宇宙」が宇宙経済の中心とされていますが、調査会社ブライス・スペース・アンド・テクノロジーによると、世界の宇宙スタートアップへの投資額は世界屈指の起業家を筆頭に、19年に過去最高の57億ドルと前年比で6割増加と月や火星への有人飛行をターゲットに市場規模が拡大傾向にあります。

主な宇宙分野に投資する起業家



創業者
ベンチャー企業
創業年
プロジェクト
ビジョン


ジェフ・ベゾス
Blue Origin
2000年
Kuiper
2024年を目途に女性を月面に着陸、将来的には月を重工業地域に、地球を居住区化


イーロン・マスク
SpaceX
2002年
Starlink
2026年までに人類を火星に着陸、将来的には火星への移住を計画


リチャード・ブランソン
Virgin Galactic HD
2004年
SpaceShipTwo
2021年中に無重力体験を楽しめる宇宙旅行の商用化



出所:各社HPを基に筆者作成

実際に、金融危機前の2000年代中盤から投資対象として宇宙ビジネスを扱うテーマ型ETFが存在しており、中でも米最大の資産運用会社ブラックロックの「ITA」は人気の「iシェアーズ」ブランドで、運用開始以来15年間でトータルリターンは5倍を超え、機関投資家が運用の参考にするS&P500種株価指数を圧倒するパフォーマンスを記録しています。



Symbol
Total Assets ($M)
YTD Return
1 Year Return
Expense Ratio
Inception
Index


ITA
3,017.3
18.51%
26.60%
0.42%
2006/5/1
Dow Jones U.S. Select Aerospace & Defense Index


PPA
754.5
14.07%
28.19%
0.59%
2005/10/26
SPADE Defense Index


ARKX
630.9
2.85%
N/A
0.75%
2021/3/30
N/A


UFO
129.0
19.54%
46.29%
0.75%
2019/4/11
S-Network Space Index


ROKT
24.8
11.18%
32.33%
0.45%
2018/10/22
S&P Kensho

Final Frontiers Index



出所:ETF.com.「Aerospace & Defense ETF Overview」を基に筆者作成

それでは、今回は「ITA」を分析対象に、その構成銘柄上位20銘柄から過去3年間平均の売上高成長率が最も高い3銘柄をご紹介致します。
【優秀銘柄】~ITA~






3-Year Average

Growth Rate
TTM
TTM
As of May 31, 2021



Ticker
Market Cap ($)
Revenue
Operating Margin
FCFM
Trailing Return

(1-year)


1
LHX
45.77B
37.87%
11.20%
13.97%
6.27%


2
TDG
36.34B
13.35%
30.40%
19.48%
35.17%


3
NOC
60.37B
12.56%
10.60%
10.39%
8.10%


4
LMT
107.76B
8.61%
13.30%
8.88%
-3.76%


5
GD
54.12B
6.98%
10.70%
9.36%
17.54%


6
TDY
19.74B
5.83%
16.50%
19.26%
11.09%


7
RTX
134.56B
-1.84%
1.70%
2.78%
23.23%


8
TXT
15.43B
-6.38%
4.80%
8.71%
73.51%


9
BA
144.61B
-14.60%
-20.70%
-33.05%
9.66%


10
HWM
15.19B
-25.97%
14.20%
0.85%
101.52%



出所:morningstar.com「Key Ratios」を基に作成

*FCFM:フリーキャッシュフロー・マージン

*時価総額は2021/6/11時点のデータを参照。
L3ハリス・テクノロジーズ
年間チャート

コメント
偵察システム等のセキュリティー関連製品に強みを持つ「L3テクノロジーズ」と航空電子工学が専門の「Harris」が2019年に合併して生まれた同社は、空、陸、海、宇宙、サイバーの各領域で先進的な防衛技術と商業技術を提供しており、約4割のエンジニア・科学者含む従業員48,000人及び、世界100カ国以上の顧客と契約を持つグローバル防衛関連企業です。

そのルーツは1895年まで遡り、宝石業を営んでいたハリス兄弟が世界初の印刷機用自動送り装置の発明を機に、「The Harris Automatic Press Company」を起業し、1929年の世界初となる練習航空機の開発を皮切りに、人口衛星等に搭載されているマイクロ波放射計や第二次世界対戦でも活躍した爆撃照準器から偵察機といった現代の航空宇宙・防衛産業の土台となる数々の技術の発達に大きく貢献してきました。

主な事業セグメントは軍事向けISR(情報・監視・偵察活動)プラットフォームを提供する「IMS」、航空電子機器の「SAS」、地上・空中通信システムの「CS」、軍事及び民間向け飛行機の「AS」の4部門構成であり、各事業の売上げシェアは約2~3割程度かつ、二桁台の営業利益率を確保する等、分散と収益性のバランスの取れたビジネスモデルが強みです。

20年通期の業績は売上高と純利益いずれも減収減益で失速した一方で、フリーキャッシュフローは同28%増と収益率は改善傾向にあり、また前年比20%の増配と同5割増となる自社株買いを通して、積極的な株主還元政策を実行しており、今期のガイダンス予想では事業セグメント全てで増収かつ、ESPは約10%の増益と先行きに強気な経営姿勢を見せています。
トランスダイムグループ
年間チャート

コメント
1993年創業の同社は傘下に50社を擁する持株会社であり、民間及び、軍用向け航空機部品の設計、製造、供給を手掛けるメーカーとして、その高度に設計された各種製品やシステム系統は現在運航されている多くの民間・軍用機に使用されており、また補修部品市場が中心となるため、販売収入の約50%が経常収益として1機あたりの寿命に相当する平均約30年間見込め、更にそれらの約8割が業界唯一のサプライヤーとしての独占的な地位にあります。

経営目標として意識されているのは、公開市場の流動性を備えたプライベート・エクイティ(未公開株)の様な大きなリターンを株主に提供する事を謳っており、具体的な事業戦略では、収益性の高い新規ビジネス開拓、生産性とコストの改善、高度な技術を付加価値製品の提供という価値観を念頭に、アフターサービス市場で独占的に航空宇宙事業を営む企業を買収する事で、社内外の双方向から競争優位性を高めて市場のリーダーを目指しています。

製品ポートフォリオ別にはエンジン等の動力系統の「パワー&コントロール分野」、機体及び、キャビンのシステム系統の「エアフレーム」、ヘッドセット等を手掛ける「非航空事業」があり、事業セグメントとしては、売上げ全体の5割超を占める民間企業向けのOEM(顧客ブランドの委託生産)とアフターサービス事業がコロナ禍でいずれも約4割の減収(YTD)となる中、他方の防衛事業が唯一の増収を維持しており、ここまで健闘しています。

直近の21年第2Q決算では、売上高が前年同期比17%減かつ、純利益が同67%減との民間部門の低迷に加え、一時的な借り換え費用、支払利息、コロナ禍での構造改革費用の増加を反映する形で大幅な減収減益となるも、スタインCEOによると、民間航空業界ではコロナワクチンの普及による航空交通量の増加に伴い、第二四半期の部品予約状況も前期比で大幅に改善傾向にあり、年後半の需要回復に向けて、準備は万全と景況感には楽観的な構えです。
ノースロップ・グラマン
年間チャート

コメント
1939年創業の同社(NYSE:NOC)、はグローバル防衛関連会社として、軍用装備品の売上げで世界第4位であり、総売上高の8割超が米国防情報局(米政府)からの収入である一方で、海外向けには複数の戦闘機で情報を結びつける「データリンク」やセンサーの強みを活かし、米防衛最大手のロッキード・マーチンと連携して、日本政府(防衛省)が目標とする2035年配備予定の次期戦闘機の日米開発チームに参画する等、国外案件でもその存在感を示しています。

主なセグメントはF35戦闘機の機体及び、自動操縦等の設計を担う「AS」、戦闘機向けのセンサーやプロセッサー開発の「MS」、長距離ミサイル製造とITサービスの「DS」、衛星等の宇宙開発全般を手掛ける「SS」の4部門がそれぞれ売上げ構成の2割強を占める分散型事業ポートフォリオを構築しており、またコンサルティング会社のアスタミューゼによると、近年はデブリ除去・宇宙環境問題の分野で競合他社のレイセオンと並んで、技術が総合的に優位な「リーデイングプレーヤー」のトップ10にノミネートされています。

業績面では20年通期に売上高が前年比で8.7%増かつ、純利益が同41%増で主要4部門全てにおいて増収増益を確保しており、期末の総受注残高が810億ドルと過去最高を達成と収益基盤を強固にすると同時に、10%の増配により17年連続の増配を継続が好感され、株価はコロナショック前の水準を回復して、上場来高値更新へ間近に迫る勢いを見せています。

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最終更新:6/16(水) 11:18

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