IDでもっと便利に新規取得

ログイン

なぜか横浜駅の1つ手前で折り返す「横浜線」の謎 看板に偽りあり?とくに朝夕に乗り入れ少ない

6/15 4:31 配信

東洋経済オンライン

JR横浜線は「横浜」と名乗るのに、なぜかすべての列車が横浜駅を通るわけではない。2021年1月16日付記事(目的駅の手前で終着、「ムカつく行き先」選手権)という記事で、横浜を目前として1駅手前で足止めされてしまう東神奈川行きがあることに触れたが、横浜へ向かう利用者が多いにもかかわらず、このような不便を強いられるのはなぜだろうか? 

■横浜の1駅隣で分岐する横浜線

 横浜線は横浜の1駅隣の東神奈川から八王子を結ぶ路線で、横浜から郊外への通勤・通学の移動をはじめ、東京の都心から放射状に延びる路線と交差・接続する役割もある。

 京浜東北線と横浜線は線路がつながっていて、横浜線から京浜東北線に直通する列車も数多く走っている。だが、その多くは日中の運転で、朝夕のラッシュになると直通する列車が少なくなってしまう。

 その場合、横浜線方面から横浜へ向かうには、東神奈川で接続する京浜東北線などに乗り換えるか、横浜線から京浜東北線に直通する列車に乗らなければならない。横浜から横浜線を利用する客から見れば、肝心な時間に乗りたい列車が少なくなってしまうのが不満なのだ。

 横浜に直通する横浜線の列車は、京浜東北線の線路を走っていて、いわば京浜東北線の線路を間借りしている状態にある。ラッシュの時間帯では、京浜東北線でも列車の本数を増やさなければならないから、京浜東北線の列車が優先される形で横浜線からの直通列車の本数が少なくなる。逆に、横浜線の直通を優先させれば、今度は京浜東北線が横浜に行かない列車ばかりとなってしまう。

 大都市の1駅隣で分岐する路線は、横浜線に限った話ではない。北海道では札沼線(学園都市線)が札幌の1駅隣の桑園から分岐しているほか、広島から発着している可部線は隣の横川から分岐、九州の篠栗線は博多の隣にある吉塚から分岐している。これ以外にも事例があって枚挙にいとまがないが、こうした路線では列車が直通しているのが基本だ。分岐点で折り返してしまうのは、横浜線のほかに東京メトロ東西線の例もあり、船橋に行かずに1駅手前の西船橋が終点なのだが、特に横浜線の場合は横浜と名乗るだけに、「看板に偽りあり」と見なされるのだろう。

 大都市の中心から分岐すれば便利だが、そのために莫大な費用と手間をかけて線路を敷くよりは、既存の線路を利用して市街地から離れた場所で分岐したほうが負担は少ない。現在は分岐点ですら市街化しているのでわかりづらいが、昔からある知恵が逆にあだとなっている。

■横浜直通の計画があった

 横浜への直通に制約がある横浜線だが、実は横浜方面に直通する線路が建設される計画があった。現在の「みなとみらい線」だ。

 みなとみらい線は、みなとみらい地区への公共交通機関として建設された。現在のルートに決定される以前は、東神奈川から横浜を経由してみなとみらい地区を結ぶという計画で、東神奈川から横浜線と直通運転を行うというものだった。この計画があった頃は、横浜線が国鉄からJRに移行する時期で、みなとみらい線の建設を急いだ都合で直通先を横浜線から東急東横線に改め、現在のルートになった経緯がある。

 みなとみらい線が横浜線と直通運転を行っていれば、東神奈川の乗り換えがなくなって便利になったのでは? とも思うだろう。だが、みなとみらい線の横浜駅として計画されていた場所は横浜駅東口にあるバスターミナルの辺りで、横浜駅で乗り降りするだけならよいが、乗り換えは相当不便を強いられる結果になっていたのかもしれない。しかも、東神奈川と横浜の1駅がみなとみらい線となることで、みなとみらい線の運賃が加算されるので運賃が割高となっていたのではないか? と考えると、みなとみらい線との直通が実現しなくて正解だったのかもしれない。

 筆者も通勤で横浜線を利用していた時代があるが、筆者の場合は東神奈川で横浜には向かわず、京浜東北線の逆方向に乗り換えて蒲田に向かうという通勤ルートだった。直通の有無にかかわらず東神奈川での乗り換えが必要だったが、横浜線が東神奈川で折り返していたお陰で、うまく行けば東神奈川始発の横浜線で座って帰ることもできた。横浜方面からの利用でも然りで、東神奈川始発の列車を使えば座っていくこともできる。「運悪く」京浜東北線から横浜線に直通する列車が来ると座れず、この場合は直通列車が迷惑な存在なのだが、多くの利用者にとっては座れることよりも、乗り換えがないことが優先されるのかもしれない。

 横浜に直通する横浜線の列車は、京浜東北線の線路を間借りしている都合で直通列車の本数を増やすことが難しいと先に触れた。だが、それは本当だろうか。

 京浜東北線の時刻表を見ると、大幅に列車本数を増やしているのはラッシュのピークの1~2時間程度だ。それ以外は日中の列車本数プラスアルファで、限界というほどでもない。一方で横浜線の時刻表を見ると、横浜へ直通している列車は日中の設定が圧倒的に多く、早朝や夜間は少ない。ラッシュの時間帯に横浜線の列車をすべて直通させるのは困難だが、早朝・夜間は列車の本数が少ないはずで、横浜に直通する列車を増やすことはできるのではないだろうか。

 横浜へ直通している横浜線の列車では、横浜を通り越して1つ先の桜木町で折り返している列車が多い。横浜の京浜東北線の線路には列車を折り返しさせる設備がなく、横浜線用の線路やホームを設けられるような敷地の余裕がない。京浜東北線は、横浜から先で路線の名前が根岸線と変わるが、根岸線で列車の折り返しが可能な駅は、先の桜木町に加え、磯子と終点の大船だけだ。横浜線からの直通列車も桜木町行きのほか、磯子行きや大船行きもあり、京浜東北線の列車にも桜木町・磯子・大船行きが設定されている。

■横浜乗り入れのメリットとデメリットをどう判断するか

 日中に限ると、横浜線からの直通列車が桜木町で折り返しているほか、京浜東北線の列車が磯子と大船で折り返すことで輸送力を調整している。全部の列車が大船に行ってしまうとガラガラな列車ばかりとなり、列車運行に無駄なコストを費やしてしまうが、こうして折り返しの場所を集約することで運行コストの適正化とともに、運行管理が単純化されている。

 ところが、日中以外では京浜東北線にも桜木町行きが走るほか、横浜線からの直通列車にも磯子行きや大船行きが設定され、列車運行が複雑になっている。時間帯によっては京浜東北線の桜木町行きが頻繁に設定されていて、横浜線からの直通列車が走れる余地がない。京浜東北線の桜木町行きを磯子行きに延長すれば解決するが、横浜線からの直通列車を増やすことともに、列車の運行距離が長くなることでコストが増してしまう。JRから見れば、利便性を改善する動機づけがないとも言えるのかもしれない。

 あらためて考えてみると、やり方次第では横浜線の「1つ手前の折返し」を軽減することができそうだ。だが、JRから見ればコストアップになるうえに、運行管理上の負担が増える結果となるのだが、どうやって折り合いをつけるかが課題となるのだろう。

東洋経済オンライン

関連ニュース

最終更新:6/15(火) 4:31

東洋経済オンライン

投資信託ランキング

Yahoo!ファイナンスから投資信託の取引が可能に

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング