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「夢を育てよ」#7 “旅する鈴木”は、映像作品をつくりながら世界一周する旅人夫婦。その行動力の原点は「想いを大切にする」子育てだった!vol.2

6/14 11:30 配信

SODATTE

前回の記事では、世界一周の旅に出た理由やその魅力、世界を旅するなかでどのように価値観が変わってきたのかを伺いました。今回は、お金の考え方の変化や、行動力の原点となった子ども時代について、そして山を開墾するという新たな挑戦を始めた理由について伺います。

●“旅する鈴木”プロフィール

鈴木陵生(すずき りょうせい)さん
映像作家、写真家、旅人。1979年生まれ。劇団での役者経験を経て映像業界へ。映像プロダクションにて映像クリエイターを務めた後、カナダに拠点を移しミュージックビデオ、映画などの演出、技術スタッフなどを経験。2008年に帰国し、映像作家として演出、撮影、編集を数多く手がける。2011年より世界一周の旅に出発。妻と二人、旅をしながら自主サイト「旅する鈴木」にて映像を発表し続けている。現在は映像作家として活動しながら、千葉県いすみ市の山をウキウキ開墾中。そろそろ旅に行きたい。

鈴木聡子(すずき さとこ)さん
ヨガインストラクター、旅人。1978年生まれ。20代のころに始めたヨガに魅了されてヨガインストラクターの道に入る。ピラティス、骨盤など数々のボディメンテナンスの資格を取得し、都内各地のフィットネスクラブ、ヨガ教室でレッスンを担当。2011年、夫と共に世界一周の旅に出発。世界各地のヨガ事情を見て回りながら、各地で現地の人へヨガのレッスンを行なったり、絶景の中でヨガをしている。現在はヨガインストラクターとして活動しながら、千葉県いすみ市の山をワクワク開墾中。そろそろ旅に行きたい。

●「30代半ばから貯金をしよう」と思い始めた

―― お二人で旅を始めたころは「ゼロになる勇気」があったとのことでしたが、お金についての考えは変わりましたか?

陵生 40歳を過ぎて「NISAやiDeCo(イデコ)を始めたほうがいいかな」と思い始めましたね。「貯金はしていこう」と考えています。そこは30代とは違いますね。二人とも仕事の内容としては肉体労働で、しかも個人事業主なので、さすがに先のことを考えないとまずいな……と。実は5・6年前から「貯金をしなくちゃ」と思い始めていて。やりたいことをやるには、お金が必要。お金があれば、やりたいことが早く大きく実現できる。何にも考えていない僕たちも、実はちょっとずつ成長しているんですよ(笑)。夢を育てるために備えは必要です。旅をするのも、山を開墾するのもやはりお金がかかりますから。ここについては「なんでもあり!」ではないですね(笑)。

自分の道は自分で決めてきた

●「あんた日本向いとらんわ」と言われ続けて

―― 夢に向かって、一度はゼロになる覚悟で踏み出した陵生さんですが、自分の生き方の原点はどこにあると思いますか?

陵生 小さいころから母に「あんた日本向いとらんわ、どっか行きゃぁぁあー」と名古屋弁で言われ続けてきたんです。それも、わりと厳しい言い方で(笑)。母自身は外の世界への憧れがあるのですが、あまり一歩踏み出せないタイプだと思うんですね。今も「一人では新幹線に乗れない」と言うくらいですから。だからなのか、自分にできないことを僕がしているのは、すごく喜んでくれていますね。

―― どうして、「日本は向いていない」と言われていたのでしょうか?(笑)

陵生 「あんたは自己顕示欲が強い! 協調性もない!」とよく言われていました。目立ちたがりというか……だからですかね。「周りに合わせておとなしくする」みたいなことが苦手だったんですよ。今もその部分は変わっていないと思います。高校卒業式翌日に上京して役者を目指したり……。映像の道へ進んだのも、役者兼監督もいいなと思っていたからなんです。

―― そう言われていたとき、自分ではどう受け止めていたのですか?

陵生 当時は、母の言うことはあまり気にしていなかったですね。でも、何度も言われることで、自分のなかに刷り込まれて、だんだんと「そうなのかな」と思うようになったのかもしれません。

●私の好きなことを応援してくれた

―― 聡子さんは子ども時代はどんなふうに育てられてきたのでしょうか?

聡子 子どものころは「好きなことをしなさい」という感じで、自由に育ててもらいましたね。高校2年生で、一年間ニュージーランドに留学するときも、両親とも「行ってらっしゃい!」という感じで応援してくれました。

―― 高校2年生で、一年間も海外で過ごすことに不安はありませんでしたか?

聡子 自分が決めたことや好きなことは、集中してがんばるタイプだったんです。小学校高学年のころにピアノを習っていて、先生が選んだ曲は弾けるようになるまで3カ月くらいかかっていたのですけど、自分で選んだ曲はうれしくて次の週に合格しちゃう(笑)。両親は、そういう性格を知っていたから、好きにさせてくれたんでしょう(笑)。

―― ある意味ちゃんと自己主張していたのですね(笑)。10代のころに夢はありましたか?

聡子 10代は、とにかく身体を動かすのが好きで、「将来は身体を動かすことをしたい」という漠然とした夢がありました。でも、スキーで転んでじん帯を切ってしまい諦めていました。そこから、20代でヨガに出合い、「ケガをしていても、身体を動かすことができる運動がある」と知って、衝撃でしたね。それで、ヨガを極めていこうと思ったんです。

●子どもの想いを大切にしてくれた

―― お二人の話を聞いていて感じたのですけど、親御さんの育て方には、「否定しない」というか、「枠にはめない」というか、「子どもの想いを尊重する」という共通点があったのではないでしょうか?

陵生 それは間違いないですね。高校を卒業してすぐに東京の劇団に入るときも、親が背中を押してくれました。転機となる重要なことは相談しましたが、ほとんど自分で決めました。何かしなさい、それはしちゃダメと言われたことはない気がします。

―― 先ほどの「日本は向いていない」という言葉も、目立ちたがりの性格を良い方向に伸ばしてくれたのでしょうか?

陵生 たしかに。そうかもしれませんね。今思えば、「親の愛情だったのかな」と思います(笑)。

聡子 私も、やりたいことは自分で決めてきましたね。留学も自分で決めたし……。高校進学のときくらいですかね。「あなたは自由な校風の私立がお勧めだよ」とやさしく教えてもらって、「たしかにそうかも」と思い、高校を決めました。両親はずっと私の想いを大切にしてくれていましたね。

現在、旅する鈴木は開墾中

●千葉県いすみ市に山を買った!

―― コロナ禍で海外に出られなくなってからの、旅する鈴木としての活動を教えてください。

陵生 2020年の春から中央アジアを旅する予定だったんですけど、コロナ禍で行けなくなってしまって。実はコロナになる前に千葉県いすみ市に山を買っていたんです。なので、今は「旅の代わりに山をやらなきゃ!」と思っています(笑)。

―― どうして、山を買うことになったのでしょうか(笑)。

陵生 アルゼンチンやスペインで、オリーブの魅力に気付かされる機会がありました。それで自宅のバルコニーでオリーブを育て始めたんです。そして、できた実を絞ってオリーブオイルを作ったんですけど、それはもう美味しくて。しかも、翌日はとても身体の調子が良い。そんなこんなで、大小合わせてオリーブの木が100本近くになってしまい、どこかに地植えしたいなと思って土地を探し始めて、今に至ります。オリーブの山にしたい!

―― 旅と暮らしは続いているのですね。お二人の生き方が一つの表現のようですごく面白いです。

聡子 山を買うと、「すごい!」と言われるんですけど、ちょっと考え方を変えることで、それほどお金をかけずに実現できるんです。これからは「誰でもこういう暮らしができる」ということを、もっと発信していきたいですね。

陵生 将来的には開墾してスペースを広げて、そこを無料開放したいんですよ。自由に、木を切っていいし、焚火していい。そんな好きにできる場所って、なかなか無いじゃないですか。今も夢がどんどん広がっています。

●楽しいことを考え続ける

―― そういった次々と新しい挑戦を続けていく行動力は、どこから生まれてくるのでしょうか?

陵生 自分の「やりたい!」という素直な想いですね! 先日、トルコにいる友人から「トルコのオリーブ畑が安く買える」という話が舞いこんできました。石造りの家が付いてくる物件があるらしいんですよ。毎年通って、地元の村の人たちと仲良くなれれば、老後の行き先が一つできてしまうかもしれない(笑)。こんなふうに考えていければ、ずっと楽しいことが続いていきそうじゃないですか。

聡子 海外で出会った人たちからは、自由な生き方の大切さを感じることが多かったですね。多くの人が、自分の人生を、自分の力で生きているという印象を受けました。

陵生 「山を買った!」と言うとみんなに笑ってもらえた。トルコのオリーブ畑を買ったら、また笑ってもらえるでしょう。次に「なにしよう」と毎回考えるのですが、行動し始めたらまたすぐ次の目標が見つかるでしょうね。

●人生とは旅である

インタビューの最後に、「お二人にとって旅とはなんですか?」と質問したところ、「人生そのものだと思います」と答えてくれました。「旅も人生も自分で行きたい場所を決めて、そこに向かって進み、その先々でいろいろな出会いがあり、世界が広がっていく」のは同じとのこと。

「子どもの想いを大切にして自分で決めさせる」、そんなお二人の親御さんの子育てには、旅の本質と同様の経験が含まれていたように感じます。子育てのなかでそういった場面を増やすことが、子どもの成長を促し、将来の子どもの人生を、旅のように魅力的なものにするのかもしれません。「かわいい子には旅をさせよ」という格言を改めて噛みしめるインタビューでした。

取材・執筆/簀河原由朗 写真/山田英博 一部写真提供/旅する鈴木

●これまでの夢や目標

陵生 映像作家。

聡子 ヨガインストラクターとして、人として、世界を広げる。

●夢を実現するためにやってきたこと

陵生 ゼロになることを恐れずに、踏み出していくこと。

聡子 夢に向かって、諦めずに努力を続けていくこと。

●大切な時間やお金の使い方

いろいろな経験を得るために自分たちに投資をすること。お金についてはしっかり貯めていきたい。

●子どもの可能性を伸ばすために大切だと思うこと

いい意味で“刷り込み”をしてあげたらいいですね。「なんでも失敗を恐れずにやってみなさい」ということを伝えてほしいですね。

●これからの夢や目標

山を開墾して、オリーブ畑にしたい、自由に集まれる場所にしたい。旅ももちろん続けます。世界中に拠点があるといいなあ。

●読者の方へのメッセージ

僕らは旅をして、多くのことを学びました。体験することは大切です。大人も子どもも体験を楽しんでほしいですね。

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最終更新:6/14(月) 11:30

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