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54歳、多重債務の返済が毎月8万円。いきいき暮らせるよう、前に進むヒントを下さい

6/7 20:05 配信

あるじゃん(All About マネー)

◆今、借金返済のために働いているようなもので、とても苦痛です

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回の相談者は、自営業時代の多重債務で悩む54歳の女性です。あと10年必死に働いたら、借金返済は終了するものの、老後のお金もなく、不安といいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

▼相談者

りんごちゃんさん(仮名)
女性/会社員/54歳
持ち家(一戸建て)

▼家族構成

夫(57歳)、子ども2人(20代)

▼相談内容  

数年前まで個人事業を営んでいました。体調不良になり、その時の多重債務があります。収支のバランスが取れません。

・返済の優先順位 
・任意整理、家の売却は必要か
・老後の不安
・主人の保険を見直し予定
・今後どうやって返済、貯蓄していけばいいのか、ポイントを教えていただけるとありがたいです

私は正社員として就職しました。夫も私も定年なしの仕事です。ボーナスなし、退職金なし。1年かけて固定費(住宅ローン、携帯など)の見直しを行いました。

あとは主人の保険見直しを行う予定です(現状は63歳までの保障)。主人が会社員として働くことになったのですが、厚生年金に加入or社会保険のまま、どちらが得ですか?

多重債務の返済が厳しく、法律事務所数件に、自己破産や任意整理の相談もしました。私の実家にかなりの金額支援してもらったのと、定職についたので自己破産は免れました。あと10年必死に働いたら、借金返済は終了します。

ただ貯蓄はゼロ、退職金、ボーナスもなく、老後がとても不安です。また、約10年後に、子どもが独立希望のため、少しでも蓄えたいと思っています。 

家を売却することも検討しましたが、今後、借り入れが難しいので、20年後を見据えて手放さないほうがいいと考えています。将来の年金受給見込み額はわかりません。現在、貯蓄はほぼゼロです。月2万円の積み立て希望です。

主人には内緒ですが、実家の親から生前贈与としてお金をもらえることになりました。また、親の相続は数百万円との証明書をもらいました。主人の実家の相続は、主人の親の面倒をご兄弟がみてくださる約束で、遺産放棄しました。

今、返済のために働いているようなもので、とても苦痛です。本当はやりたい仕事があります。あと10年、このままお金のためにやりたくない仕事をして、安定をキープしたほうがいいのか迷っていました。こう思うのはわがままなことでしょうか?

主人はお金のために我慢するしかないと言います。でもたった一度の人生、後悔はしたくありません。また、仕事を1本に絞る転職を考えています。年齢も年齢ですので、全く収入がない月をつくらないように計画をもって進めたいと思っています。

赤字ながらも毎月やっと暮らせるようになりました。主人はまた借りるしかないだろうと言いますが、私は、今後一切借り入れはしたくありません。お金が絡む深刻な悩みのため、友達には相談できません。

この1年はお金のやりくりで疲れてしまいました。カードローン返済で毎月ATMにいくのはストレス以外の何物でもありません。

でも子どもが好きなことを見つけてキラキラ輝いているのが救いになり、子どものため、主人のため、そして自分がまた好きなことに挑戦して、いきいき暮らせるように何か前に進むヒントをいただければ幸いです。

▼家計収支データ

りんごちゃんさんの家計収支データは図表のとおりです。

▼家計収支データ補足

(1)収支について
●借入返済の内訳
・A銀行……2万6000円、来年9月終了予定、1.75% 
・B銀行……2万円、9年後終了予定、10%、残135万円 
・C銀行……1万円、5年後終了予定、14.5%、残42万円
・D銀行……8000円、12%、残35万円
・車……1万6740円、来年2月終了予定、2.19% 
※リースなので返済以降、車検、重量税がかかる

●奨学金について
奨学金については子どもたちが各々返済します。

<第1子>  
・借入額:287万2000円 ※約60万円は第1子定期に貯金
・月々の返済額:1万7290円/月
・返済期間:2019年10月~2035年  
  
<第2子>
・借入額:314万円 ※65万円は余る予定
・月々の返済額:1万8062円/月
・返済期間:来年10月~2038年 
来年より就職。実家暮らしのため、月2万円は生活費もらう予定です。また、毎月5万円、5年で奨学金を返済する予定。

(2)住居費について
・購入時の物件の状況:中古
・借入時期:2006年
・物件価格:2050万円 
・頭金:約300万円
・ローン残高:1300万円
・借入期間:30年
・金利のタイプ:10年変動金利 2.15% ※10年目の際、見直す余裕なし
・毎月の返済額:7万2370円
・固定資産税:7万5400円

<補足(相談者コメント)>
住宅ローンの借り換え、もしくは金利を下げる方法はありますか? 今借りている銀行3社に借り換え相談に行きました。3社とも申請はできるが、審査通過は難しいといわれました。

理由は主人の収入に対して、毎月の返済額が多すぎるので、全部返済が済んだら、再来店くださいといわれました。どうにか少しでも金利を下げる方法はないものでしょうか?

(3)車両費について
車所有台数1台。来年4月~20歳の子どもの就職のため、中古車購入予定。予算50万円。

(4) 加入保険について
●夫:月合計保険料/1万5371円

・積立定期保険……63歳払い込み、毎月の保険料/3315円
死亡保障、2016年6月時点750万円、2019年6月時点600万円

・収入保障保険……63歳払い込み、毎月の保険料/7236円
63歳まで万が一死亡の場合、毎月18万円支給

・医療入院保険、終身、入院1日目から5000円支給……毎月の保険料/4820円

●本人:月合計保険料/3180円
・共済……死亡・重度 50万円、入院1日目から6000円、毎月の保険料/1600円      
・共済……毎月の保険料/1580円

(5)通信費について
携帯代6回線(携帯3台、格安携帯1台、インターネット)。来年が更新月のため、格安携帯に移行予定。

(6)お勤め先について
今の「会社員+早朝パート」からできれば1つに絞り、正社員として働きたいです。夫は現在、個人事業を辞めて、会社員になりました。75歳くらいまでは働いていたいそうです。

(7)年金について
・夫:65歳から受給開始、10万6000円/年
・本人:65歳から受給開始、7万4000円/年

(8)相続について
生前贈与なので母が亡くなるまでになりますが、相続する額は合計で数百万円。

▼FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:支出を整理して、月6万円の貯蓄。借金は3年で返済できる
アドバイス2:住宅ローンの借り換えは、夫婦の収入合算で再度審査を
アドバイス3:60歳以降も働きながら、楽しみを見つけて。生前贈与は隠し玉に

◆アドバイス1:支出を整理して、月6万円の貯蓄。借金は3年で返済できる

二人とも会社員として就職できたのは、よかったですね。10年といわず、ここから頑張れば3年で借金返済できるでしょう。ただ、家計支出を再度整理しないと、実際のところいくら貯蓄できるかが不明なので、その点は注意してください。

3年で返済しながら、並行して貯蓄をしていく必要があります。いざ何かあったときに現預金がないと、また借金してしまうことになりかねません。それぞれの返済額はこのままで、いかに貯蓄をしながら、3年で完済させるかを考えていきましょう。

まず、家計支出のなかで、不明なのが、国民健康保険と国民年金です。社会保険料としてともに、ご主人とお子さん1人分となっています。りんごちゃんさんは、正社員ですから、会社の健康保険と厚生年金に加入で、給与から天引きされていますね。

ご主人は会社員ということですが、会社の社会保険に加入できないのでしょうか? そのようなことはないはずですから、その点は確認してください。

ご主人が会社の社会保険に加入しているのであれば、お子さんの健康保険は扶養者になります。もしも、ご主人のほうで加入できないのであれば、りんごちゃんさんの扶養にすることもできます。

お子さんの国民年金については、お子さん自身で払うことが基本です。まだ学生であれば、申請すれば、在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています。

就職後、追納することで、将来、満額受け取れるようになります。いずれにしてもこの点は、ご家族みなさんの将来の公的な保障にも影響しますので、早急に確認してください。

また、現在加入の保険については、ご主人、ご本人とも医療保険のみで十分です。お子さまがもう成人していますし、ご主人に万一のことがあっても、りんごちゃんさんには定期収入がありますから、生活に困ることは基本的にはありません。

ご主人の積立定期保険については、割り切れたら、ここまでで払い済みにしてもいいと思います。りんごちゃんさんはどちらか1つで十分です。つまり保険の解約などで、約1万2000円削減できます。

通信費については、格安スマホにしてもそれほど変わりがないとのことですが、それでも通信費が下がるなら、乗り換えしてください。

インターネットについては、プロバイダー料金、マンションタイプのネット回線料金がかかっているようですが、仕事でお使いになっているのでしょうか? スマホとPCのネット料金、整理することはできませんか?

また、お子さんが20代です。奨学金の返済などもありますが、成人したら、携帯代ぐらいはアルバイト代で支払わせる、ということも考えてください。

現状でも家計収支で8000円が使途不明金です。国民健康保険と国民年金で2万円、保険の見直しで1万2000円、それに通信費の整理と見直しをして1万5000円、現在の毎月の貯蓄5000円。これらで合計6万円を毎月の貯蓄としてください。

食費、水道光熱費も家族の協力で減らせるなら、通信費はそのままでもいいですし、全体をもう一度チェックし、毎月6万円の貯蓄は、借金返済のためには必要なことと肝に銘じてください。

◆アドバイス2:住宅ローンの借り換えは、夫婦の収入合算で再度審査を

毎月6万円で年間72万円。現在ある10万円を加えて82万円です。1年後にはC銀行の残高も減っていると思いますが、ここで全額返済します。

貯蓄の残りは約50万円。A銀行も1年後には完済していますから、A銀行とC銀行の返済分、3万6000円は貯蓄に上乗せしていけます。

毎月9万6000円、年間で115万円。2年後には165万円貯蓄できています。ここで、D銀行への返済を終了させます。貯蓄残高は約130万円。D銀行分の8000円も貯蓄に上乗せすると、3年目は毎月約10万円、年間で120万円貯められます。

これで、貯蓄は250万円になり、最後にB銀行を完済させます。3年後にB銀行の残債がいくらになっているか次第ですが、完済しても、貯蓄150万円程度は残るでしょう。

これで、借金返済は終了し、貯蓄は150万円残る、ということになります。このとき、ご主人は60歳、りんごちゃんさんは57歳です。お子さんは当然、独立されています。ここから、最後の頑張りが必要になりますが、いったんは、借金生活から脱することができます。

もうひとつ、この間に、住宅ローンの借り換えについては、くじけずに交渉してみてください。りんごちゃんさんが正社員で定期収入がありますから、夫婦の収入合算であれば、返済負担率を下げることができます。

順番に借金を完済している実績も申告し、できれば2年目に借り換えができると、その後の返済額は3万6000円程度を削減できると思われます。

◆アドバイス3:60歳以降も働きながら、楽しみを見つけて。生前贈与は隠し玉に

借金返済ができれば、年間100万~120万円貯蓄できるわけですから、それが老後資金となります。

ただ、ご主人が60歳以降、収入減になる可能性もあります。二人が何歳まで働き続けて、生活コストをできるだけコンパクトにし、65歳、70歳を迎えられるか、ということになります。

順調に行けば、650万~750万円の金融資産を残せ、さらに、りんごちゃんさんの隠し玉である、お母さまからの数百万円がありますから、悠々自適とまではいきませんが、なんとか公的年金と貯蓄で乗り切って行けるのではないでしょうか。

公的年金については、最低でも国民年金の分として1人満額で約78万円/年です。厚生年金の上乗せ分もあります。相談文ではあまりにも少ないようなので、これも再度確認してください。

最後に、お子さんへの援助ですが、できることをできる範囲でするようにしてください。お子さんが独立開業されるのであれば、それはお子さんご自身が貯蓄して準備すべきです。もし援助するのであれば、300万円程度を限度に、奨学金返済の援助という形がいいでしょう。

お子さんを思う気持ちは充分わかりますが、ご夫婦の老後の楽しみを削ってまで、我慢してまで、お子さんの援助をするのは、お子さんのためにもなりません。どうか、ご自身、ご夫婦での楽しみのために、余裕資金は使っていただき有意義な老後を過ごしていただきたいと思います。

◆相談者「りんごちゃん」さんから寄せられた感想

深野先生、アドバイスをいただき、本当にありがとうございました。多重債務の返済が、10年程かかると計算していましたが、一つ一つ細かく分解して返済計画を提示していただいた結果、月6万円の貯蓄をして、貯蓄金で返済したら借金は3年で返済できるということがわかりました。

また4社の銀行返済の優先順位と返済方法をを教えていただき、少し先が見えて安心しました。

6万円の貯蓄という具体的な数字を教えていただいたことで、まずは6万円を捻出できるように調整したいと思います。そしてこの相談をするにあたり現状をしっかり把握できたことも良かったです。

今後もご助言を参考に、収支を定期的に調整していきたいと思いました。本当に思い切って相談して良かったです!

教えてくれたのは……深野 康彦さん
 
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文:伊藤加奈子

あるじゃん(All About マネー)

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最終更新:6/7(月) 20:05

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