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「イライラ分析」で見えてくる、あなたの真の才能

5/18 14:01 配信

東洋経済オンライン

成功している人の共通点は、自らの弱みの克服に時間を使うのではなく、強みを伸ばすために努力していること。しかし、多くの人が自分の本当の才能に気づいていないのが現実。だからこそ、まず取り組みたいのは、自己認識の精度を高めることです。
米ギャラップ社認定ストレングスコーチ(R)である瀬戸和信氏は、MicrosoftやFitbitなど数々の外資系企業でマーケッターとしてステップアップを続け、マネジメントでもこの実践を続けてきています。その考え方と方法をまとめた著書『「自分」を殺すな、武器にしろ』から一部を抜粋・再構成して紹介します。

■イライラした瞬間を見逃さない

前回、前々回の記事で、自己を正しく認識すること、その精度を高めることがいかに重要性か、私個人の経験も踏まえながらご紹介しました。自己認識を高めることは、キャリアを発展させるうえで欠かせないことです。逆に自分を客観的に捉えられないと、自分を過大評価したりしてしまいがちです。

 自己認識の精度を高めていくと、自分には自分だけにしかない特長があることに気づかされるはずです。それは、走るのが速い、絵がうまい、計算が得意といったようなわかりやすいものに限らず、思考のクセや個性とも言えるものであることが多いでしょう。一見、「これは才能なのだろうか?」と思うかもしれませんが、磨けば自分にしかない武器になる「才能のタネ」は、誰しもが持っています。ただ、これを見つけるにはちょっとしたコツがあります。

 意外に思うかもしれませんが、自分の才能のタネを知るうえで、最もよい方法は、自分がイライラした瞬間を見逃さないことです。怒りはネガティブな感情だと捉えられがちですが、実は、イライラの裏には自身の才能のタネが隠されています。

 例えば僕は、海外の商品やサービスを日本でも展開しようというときに、日本市場に適さない、日本の生活や文化を考慮しない画一的なマーケティング手法で売ろうとしているのを見るとイライラします。僕の場合は、より、その国で暮らす人たちが持つ性質に目を向けようと思うからです。このイライラの理由は、僕が「人や文化の多様性に気づける才能のタネ」があるからだということを示しています。

 また、僕は、他者から提出された資料のフォントがバラバラだと「なぜ、揃えないんだろう?」と考えます。「見にくいなあ」と、少しイラッとする。しかし提出した本人は、そんな細かいところまで気にしていないわけです。もしもここで僕が「フォントをちゃんと揃えてよ」と注意したら、言われた側は「はあ……(細かい人だな)」くらいにしか思わないでしょう。「そんなことより内容をしっかり見てほしい」と考えるかもしれません。

 この感情のすれ違いは、僕が持つ「細部まで目を配る才能のタネ」、あるいは「統一や調和にこだわる才能のタネ」が原因です。

 僕の友人たちの例も紹介します。

 Bさんは、飲み会の席で、場をうまくまわせないのに、つまらない話ばかりする人にイラつくそうです。

 ただ、僕はそんなふうに感じたことがありません。僕にはなくて、彼にはあるイライラポイントなのです。このイライラは、Bさんがおもしろい話をして場をもりあげることに価値を置いているからこそ出てくる感情です。確かに、Bさんには「会話で楽しい場をつくりだす才能のタネ」があるのを感じます。

 別の友人、Cさんは、あるとき仕事で上司に判断を仰いだら、自分の提案を却下されました。内容そのものの価値を見ずに、自分の出世につながるかどうかで判断しているのが見え見えなのに、さも正当な理由があるかのように話す上司に怒りが湧いたそうです。Cさんには「ものごとの本質を見極める才能のタネ」があるのだと考えられます。だから、本質を見ずに、あきらかに自分の都合で仕事を動かしている上司の姿を見て、怒りを感じるのです。

 Dさんは、会議が終わろうとするタイミングで、議論を蒸しかえしたり、新たな質問を投げかけたりする人にイライラします。Dさんには、「場を乱さないように配慮したり、摩擦や衝突を最小限にしようとしたりする才能のタネ」があると感じます。だから、空気を読まない人の行動が理解しづらいのです。

 このように才能のタネにはさまざまな種類があり、目立って現れるものばかりではありません。才能という言葉からはオリンピック選手に選ばれるような身体能力や、世界的な音楽コンクールに入賞するような華々しい芸術センスをイメージするかもしれませんが、そこから一旦離れてください。

 ただ、そこまで極端でなくとも、才能のタネは育て方次第でこれまであなたが想像すらしなかったような成功に導いてくれる武器になりうるのです。

 では、「イライラ」な事態が起きたときに、才能のタネを見つけるコツを紹介します。ぜひ実践してみてください。

■才能のタネを見つける方法<イライラの分析>

 自分があたりまえにできること、当然のように気づくことに、あなた自身の才能が隠されています。常識とは、自分の才能の組み合わせでつくられるもの。自分の常識から外れる行動をする人を見たときにイライラは生まれます。「なんで、そんな簡単なこともできないんだ!」「なんで、こんなに重要なことに気づかないの?」と怒りを感じるわけです。

 イライラしてしまったら、これは機会とばかりに、書き留めておきましょう。

(1)誰のどんな行動にイライラしましたか? 
(2)その人が、どう行動していれば、あなたはイラつかなかったのでしょうか? 
(3)あなたなら、その状況で、どうふるまっていましたか?  自分の持つ特性との関係も考えてみてください。

 自分自身がイライラした瞬間を冷静に捉え、振り返る取り組みは、良好な人間関係の構築やアンガーマネジメントにも役立ちます。

 例えば、「ものごとを完遂させる才能のタネ」がある人は、とにかく早くプロジェクトを終わらせようと努力します。反対に、「次々とアイデアを思いつく才能のタネ」のある人は、「もっとこんな新しいやり方がある」「これまでにない素晴らしい切り口を発見した!」と何度もちゃぶ台をひっくり返そうとします。前者から見れば、後者の行動が信じられません。同じチームで一緒に仕事をしていると「なぜ、いまさら、そんな提案をするんだ!」と新たなアイデアが出てくるたびにイライラしてしまいます。

 しかし、このイライラの原因が、お互いが持っている才能のタネが異なることに起因しているとわかったら、どうでしょうか。

 「私がイライラしているのは、私自身に、ものごとを完遂させる才能のタネがあるから」「相手が何度も新しい提案をしてくるのはアイデアを思いつく才能のタネがあるから」とお互いの強みを認識できるのです。

 人は、見えないものが見えるようになり、わからなかったことがわかるようになると、不安感が軽くなります。不安や疑念から生じる怒りも幾分かやわらぎます。才能のタネの違いに気づけたなら、この事態を収拾するために、「早く終わらせようという気持ちを少し抑えてみよう」「思いついた新しいアイデアを次々と提案するのを少し待ってみよう」と理想的な働きかけができるようになるのです。

 こんなふうにネガティブな感情が湧いたら、自分の才能のタネを知る絶好の機会です。

 イライラの裏側に隠れている才能のタネに目を向けてみましょう。

■誰かの代わりに、あなたがやってあげたこと

 人から「ありがとう」という言葉をかけられたとき、頼られ感謝されたとき、少し立ちどまって、考えてみてください。もしかしたら、「ありがとう」の言葉をもらったその行為に、あなたの才能のタネが隠されているかもしれません。

 人から深く感謝されたとき、「あたりまえのことをしただけなのに、こんなに喜ばれるなんて」と意外に感じたことはありませんか。誰かの代わりにサラリとあなたがやってあげたこと、自分にとってはそう労力のかからないことで喜ばれたときほど、あなたならではの才能を発揮しているはずです。

 あるコミュニティーで、提出物の締め切りが近づいてくると「もうすぐ締切日ですよ」と関係者に知らせてくれる人がいます。彼女にとって締切日を把握しておくのはたやすいこと。ものごとを計画的に進めていく「タスク管理の才能のタネ」を活用し、忘れっぽい人たちの役に立っています。

 あなたのまわりで「この人と一緒にいると、ついつい話しすぎてしまうなあ」と思う友人はいませんか。心のなかに抱えた、もやもやとした悩みを打ち明けることができる。話し終わったあとには、問題が整理され、なんだかスッキリとしている。きっとその友人は、「話を聞く才能のタネ」や「他者に共感できる才能のタネ」を持ち合わせているはずです。

 同僚がすばらしいアイデアをまくし立てているとき、「それをどういうふうに実現させるの?」「この意見に反対しそうな、あの部署のリーダーをどうやって説得するの?」と質問する人がいます。このような声がけは煙たがられる場合もありますが、プロジェクトが無事に完遂したとき「あなたがあのとき、これから起こりうるリスクについて予見してくれたおかげで助かった!」と心から感謝されるでしょう。この人には「リスクや危機を明確にする才能のタネ」や「ものごとを慎重に進める才能のタネ」があります。

 次の「感謝が生じた出来事」にまつわる質問を通じて、あなたの才能のタネを掘り起こしてみてください。

■才能のタネを見つける方法<感謝の分析>

(1)最近、何かをしてあげたことで、他人から感謝されたのは、どんなことだったでしょうか? 
(2)もし、相手が具体的に感謝している理由を話してくれたら、メモしておきましょう。
(3)最近、あるいは頻繁に、他人があなたを頼ってきたことがあれば、その内容を書き出してみましょう。

(4)それは、あなたのどんな特性と関係していますか?  あなたのどんな特性を使って依頼に応えましたか? 
(5)反対に、あなたが誰かに心からの「ありがとう」を伝えるのは、どのようなときですか。例えば、自分には思いつかないような課題解決の方法を教えてもらったとき?  社交的な友だちが、ビジネスにおける強力なパートナーを紹介してくれたとき?  「あなたの判断は間違っていないよ」と挑戦を力強く後押ししてもらったとき? 

 あなたが、「ありがたい」「助かった!」という感情を抱いたとき、あなたのできないことを誰かが代わりにやってくれたのかもしれません。そこから、あなたの弱みが見えてくることがあります。

 人から頼られたとき、感謝されたとき。あるいは人を頼ったとき、感謝したとき。その事象の裏側にどんな才能のタネが隠されているのか、ぜひ考えてみてください。
 
メモを残し、共通項を探っていくと、あなたの強みや弱みが見えてきます。

 3回以上、同じことで感謝されていたら、それは立派な才能のタネです。あなたは、その才能ですばらしい価値提供がすでにできています。今度は、その才能のタネを自覚的に発揮して、さらに“強み”として育て上げていきましょう。

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最終更新:5/18(火) 14:01

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