IDでもっと便利に新規取得

ログイン

介護は子どもに頼らない!「老人ホームの費用」をFP解説

5/15 18:16 配信

LIMO

「母の日」や「父の日」は、いつもはちょっと恥ずかしくて伝えにくい感謝の気持ちを伝える良い機会ですよね。家族の長期的な将来に、とりわけ将来介護が必要となったときについてのお話をされた方も少なくないでしょう。

さて、親御さん世代の中には「将来は老人ホームの世話になるから、面倒を見てもらう必要はない」などと子どもの前で宣言したものの、費用はどのくらいかかるのか、年金だけでやっていけるのか不安になっている人も多いと思います。

そこで今回は、老人ホームの種類と費用の相場をご紹介します。

「老人ホーム」の種類

ここではざっくりと“老人ホーム”という呼び方をしていますが、高齢者向けの施設にはどのような種類があるのか見てみましょう。表「おもな高齢者向け施設の種類」をごらんください。

公的施設の場合は、介護保険が適用されるため、民間施設よりも比較的安価で利用できます。介護が必要となった時に利用できる施設で公的施設は以下の3つです。それぞれの特徴を見てみましょう。表「公的な高齢者向け施設」をごらんください。

 Aさんのケース:要介護2認定・同居家族有

例として、要介護2認定の同居家族がいるAさんが、この3つの施設のどこかに入居できるのかを考えてみましょう。

どの施設も要介護認定を受けていることが条件となり、特別養護老人ホームについては要介護3~5の認定が必要です。さらに、自宅において介護を受けることが困難な場合とされているので、同居の家族がいる場合は、特別な事情がない限り入居はできません。

介護老人保健施設は、在宅復帰を目的としているため、短期間しか入居できません。
介護医療院は医療的ケアが必要な人のための施設なので、重い疾患を持っている人が優先されます。重度の医療ケアが必要でなければ、要介護2であるAさんが入居するのは難しいでしょう。

「特別養護老人ホーム」なら年金だけで入居できそう?

先ほどのAさんの場合は、特別養護老人ホームの入居は叶いませんでしたが、特別養護老人ホームは収入に応じて費用負担が軽くなる負担額軽減制度が設けられているため、収入が少ない人でも入居しやすい施設といえます。費用の詳細を見てみましょう。

 「特別養護老人ホーム」の費用

特別養護老人ホームは入居一時金が不要です。入居者が払うのは月額利用料だけです。

また、月額利用料は居住費+食費+介護サービス費(介護保険1割負担額)の合計です。収入によって第1段階から第4段階まで分けられ、居住費と食費はそれぞれの段階に応じて負担限度額が設けられています。また居住費は部屋タイプによっても料金が変わってきます。

<居住費と食費の収入段階ごとの負担限度額>の表をごらんください。

表中の居住費と食費に介護サービス費(介護保険1割負担額)を加えたものが月額利用料の基本料金となります。介護サービス費は認定を受けた要介護状態によって負担額が変わります。

例として、第4段階(市町村民税課税世帯)の要介護3の利用者がユニット型個室に入居した場合の月額費用は以下になります。

(居住費:6万180円)+(食費:4万1760円)+(要介護3介護保険1割負担額:2万3,790円)=12万5730円

この金額が多いと感じる場合は、部屋タイプを変更するともう少し金額を下げることができます。仮に従来型個室にした場合には以下になります。

(居住費:3万5130円)+(食費:4万1760円)+(要介護3介護保険1割負担額:2万1360円)=9万8250円

※厚生労働省「令和3年度介護報酬改定について」参照

介護サービス費は、介護保険対象外サービスや上乗せ介護費、サービス加算などがあり、利用の仕方によってはさらにかかります。また、日用品費や娯楽費なども別途必要となるので、費用は多めに想定しておきましょう。

仮に月額12万円と想定してみて、年金だけでやりくりできるでしょうか。公的年金の平均月額を見てみると、厚生年金は約14万6000円、国民年金は約5万6000円となっています(※厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和元年度))。

国民年金のみの場合は、利用者負担段階は第2段階となるので、月額は5万円以内に収まります。余裕はありませんが、年金だけで入居することは不可能ではないといえます。

ただし、現実問題として、費用が安いということもあって希望者が多く、入居は難しくなっています。また、施設側が受け入れ対象を設定しているため、利用者が自由に施設を選べないというデメリットもあります。

家族に頼らない人は「有料老人ホーム」

先ほどのAさんのように、同居家族がいるために公的施設に入居できない場合は、民間の有料老人ホームを利用することになります。

表「老人ホームの費用相場」を見てみましょう。

※LIFULL介護に2021年4月30日時点に掲載された施設の、個室タイプの料金プランデータから、中央値を算出して相場としています。
※有料老人ホームは介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームを合わせて集計しています。

有料老人ホームは主に介護が必要な人向けなので、費用は高くなっています。サービス付き高齢者向け住宅は自立した高齢者向けとなります。上記の相場は全国の中央値なので、実際は地域や施設ごとに料金に開きがあります。

料金には地域の賃料が影響するため、地方よりも都市部が高い傾向があります。また、富裕層をターゲットとした老人ホームでは、入居時の費用に数億円というものもあります。

いずれにしても、公的施設に比べて費用が高くなるため、介護付きの場合は年金だけでは厳しいといえるでしょう。事前に老後資金としてまとまった金額を用意しておく必要があります。

年金・貯蓄で足りない場合は?

有料老人ホームなどに入居するための資金が足りない場合に、リバースモーゲージを利用するという選択肢もあります。

リバースモーゲージとは、自宅を担保に老後資金を借り、死亡時に自宅を売却して資金返済に充てる制度です。自宅に住みながら資金を借りることができるので、老後、夫婦の一方が施設に入ることになった場合に、その入居一時金をリバースモーゲージで借り、もう一方はそのまま自宅に住み続けることができます。

自宅の不動産評価額によって、融資を受けることができる金額にだいぶ差が出ますが、資金不足が懸念される場合に検討してみてもよいかもしれませんね。

まとめ

公的施設の場合は、負担額軽減制度があるため、年金だけでも入居は可能ですが、入居するための条件に当てはまらないと利用ができません。

一方、民間の施設の場合は、費用負担が大きく、年金だけで入居するのは厳しいのが現実です。そのため、老人ホームを自由に選びたい場合には、まとまった老後資金が必要となってきます。将来を見据えて早めに準備をしたいものですね。

 参考資料

 ・厚生労働省「介護医療院公式サイト」
 ・厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
 ・厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における改定事項について」
 ・厚生労働省老健局「制度の持続可能性の確保(参考資料)」
 ・厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム サービスにかかる利用料 介護保険の解説 」
 ・LIFULL介護「全国の老人ホーム・介護施設の費用相場」
 ・りそな銀行「リバースモーゲージとは? 仕組みやメリット・デメリットを詳しく解説」

LIMO

関連ニュース

最終更新:5/15(土) 18:16

LIMO

投資信託ランキング

Yahoo!ファイナンスから投資信託の取引が可能に

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング