IDでもっと便利に新規取得

ログイン

3日間で7%を超える下落になった国内株投資、現状の客観的な把握には長期の目線で

5/13 18:57 配信

モーニングスター

 5月13日も国内株価は下落し、代表的な株価指数である日経平均株価は699円安(2.49%安)となって、5月10日の終値から3日間での下落率は7.01%になった。今年2月16日に付けた年初来高値からは10.64%の下落率となっている。このところ、日米で相互に下げが下げを呼ぶ展開となっていて、昨日2.67%安となった米NASDAQ総合指数は4月26日の年初来高値からの下落率が7.83%になっていて、日本市場の下落を受けて一段と下げる可能性もある。このように、足元の値動きだけをみていると、「どこまで下げるのか?」と不安が募ってしまうが、このような時には、少し目線を上げて、株価の周辺の様子や長期の価格推移を振り返ると心を落ち着けることができるものだ。国内の公募投信全体を使って現状を客観的に把握しておきたい。

 国内の公募投資信託全体の価格変動の傾向をみる「モーニングスターインデックス オールインデックス」の推移を振り返ると、2016年3月末を起点として、21年4月末までの5年間で40.02%値上がりしている。ここ数日の株安で下落しているが、5月12日までの下落率は4月末比でマイナス0.76%に過ぎない。公募投信全てに満遍なく投資するという分散投資の結果として「モーニングスターインデックス オールインデックス」の値動きは安定している。
 

 4月末から5月12日までの価格変動を資産クラス別にみると、「国内株式型」がマイナス1.53%、「国際株式型」がマイナス1.87%、「国内REIT型」マイナス0.17%、「国際REIT型」がマイナス0.66%と下落しているが、「国内債券型」は0.12%、「国際債券型」が0.33%、そして、「商品指数連動型」は2.91%と上昇していて、株式市場等の下落影響をカバーしている。
 

 一方、4月末からの値下がりが大きかった「国際株式型」についても、その中身を見てみると、「国際株式・ブラジル(為替ヘッジなし)」は4.31%、「国際株式・ロシア(為替ヘッジなし)」は3.09%、「国際株式・インド(為替ヘッジなし)」は1.23%、「国際株式・オセアニア(為替ヘッジなし)」が1.19%の上昇となっている。反対に、「国際株式・中国(為替ヘッジあり)」がマイナス6.85%、「国際株式・中国(為替ヘッジなし)」がマイナス6.85%、「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」がマイナス2.65%、「国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジあり)」がマイナス2.64%、「国際株式・北米(為替ヘッジあり)」がマイナス2.43%、「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」がマイナス2.16%などと下落している。米国や中国、日本の株価が下落した一方で、ブラジル、ロシア、インド、オセアニアは上昇するという跛行(はこう)した状態だ。
 

 そもそも、5月7日に発表された米国の雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比26.6万人増と予想の97.8万人増を大きく下回ったことで、ワクチン接種が進む米国は順調に経済が回復しているという期待に水を差され、その結果として金利が低下して株価が上昇した。ところが、12日に発表された米国の消費者物価指数(CPI)が事前の予想を上回る前年比4.2%上昇という大幅な上昇となり、反対に金利が上がって株価が下落した。CPIの上振れが米国経済の正常化による消費回復を示しているのであれば、前週末の雇用統計の結果とは真逆の状態を示している。短期的な経済指標のフレに市場が振り回されているといえるだろう。
 

 また、本来であれば、景気が良いことを示す指標には株価は上昇し、景気が悪い指標にはマイナスに反応するところだが、今回の株価は逆に動いている。これは、現在の市場が、コロナ対策のための大幅な金融緩和によって市中に流通する通貨量が拡張したことによる「金融相場(カネ余り相場)」の性格を持っていることをうかがわせる。このように、経済指標にいちいち株価が大きく反応しているのは、それだけ市場の参加者が、現状把握に確信が持てていないことを感じさせ、投資に対して慎重になっていることの現れといえるのではないだろうか。
 

 一方、添付のグラフのように目線を過去5年間に伸ばしてみてみると、今年の年初来高値から10%以上も下落した国内株価の下落率も小さい変化に見えてくる。今年に入ってから投資を始めた人には年初来の下落率10%超は厳しい下げといえるが、過去5年間にわたって投資をしている人にとっては、5年間にわたって60%以上上昇してきた「国内株式型」の資産価値が3月末の高値から3.65%下落したに過ぎない。また、2019年12月末から20年3月末の下落率は19.96%、18年9月から18年12月にかけても18.74%の下落率を経験していて、数カ月で10%を超えるような下落は珍しいことではない。しかし、その下落を超えて保有を継続することで、過去5年間で60%を超える資産成長を手に入れることができている。
 

 コロナショック以降の株高によって、株式投資への関心を高めた人にとっては、今回の下落が、初めての下落らしい下落といえるが、「国内株式型」にしても「国際株式型」にしても、5年程度の期間には何度かは10%を超えるような下落を経験するものだ。一方で、株式にも債券にも投資するような「オールインデックス」は、分散投資効果で下落率は株式に単独投資するよりも緩やかだ。このような投資対象の値動きの特徴も、長期のパフォーマンスを振り返ると明瞭になる。長期の視点で現状を評価してみると、目の前で大きな下落に見舞われたショックも少し冷静にみることができるのではないだろうか。(グラフは、過去5年間のモーニングスター・インデックスの資産クラス別の推移)
 

モーニングスター

関連ニュース

最終更新:5/13(木) 18:57

モーニングスター

投資信託ランキング

Yahoo!ファイナンスから投資信託の取引が可能に

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング